第05話Puls 異能者達のディスコード15 - ノラ・ラベッツ少佐
第05話Puls 異能者達のディスコード15 - ノラ・ラベッツ少佐
さすがに、それ以上の魔力ゲートの追加はできないらしく、可愛い顔に苦悶の表情が浮かんでいるが、結局それ以上のパワーアップはできず、急速に威力は落ちてきた。
そして、俺がノラの正面に立った時には、もう立っているのもやっとの状態で、攻撃魔法を放つことはできない感じになってしまった。
「どうした? もう、お仕舞いか?」
俺は、わかっていて、あえて聞く。
「あんた、ドSでしょ?」
ノラが聞いてきたが、俺は答えない。
答えなど求めていないことは知っていたからだ。
それに、まだやり残したことがある。
「ちょっと待っていてくれ」
俺はそう言い残すと、まだ力尽きずに攻撃を続けている能力者達の間を駆け巡って、極力手加減しながら次々と気絶させていく。
「またせたな」
俺が再びノラの前に立ったのは、時間にすれば、一秒かかったかどうかというところだろう。
「いや……そんなに、待ってないし……いやいや、あんたのことなんて全然待ってないし」
よくわからん反応だが、なんとなくノラが言いたいことはわからないでもない。
「さて、これでようやくじっくりと話すことができるな」
俺にしてみれば、ようやく事の核心に辿り着くことができた、というところだろう。
「な、なによ?」
ノリは怯えたような反応を見せている。
ちょっぴり力の差を見せつけるつもりだったが、どうやら少しばかりやり過ぎたようだ。
でもまぁ、事の次第を聞かせて貰えればそれでいい。
「さぁ、話してもらおうか? こんな所で何をやっていた?」
ただ尋ねるだけで、素直に話して貰えるとは思わなかったが、それでも情報を引き出すためのきっかけにはなるだろうと思っての質問だった。
「はっはい。私は、ザイルブルケン共和国陸軍第二魔法師団魔導兵器開発部隊所属、ノラ・ラベッツ少佐であります。現在ここでの任務は、魔力の存在しない異世界進行において、魔術師に極めて似た力を有する能力者を現地調査することで部隊編成行うための実験を行っておりました」
なんと、ノラは聞かれてもいないことまでいきなりペラペラ話してくれた。
一体なんなんだろう、と俺は思ったが、そのことに触れるようなことはしない。
嘘かどうかは確かめない限りわからんが、せっかく話してくれているのだ、わざわざそれを止める必要はあるまい。
「ほう? それで、進行目標はどこだ?」