表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/6

僕らが生きる一日一日は無駄な日々じゃない。

俺はお前が大好きだ。 お前も俺が大好きだ。 相思相愛こそが人生。






 ある日の夕方。 僕は君に会いに、君の病室へと向かう。


 君の病室の扉を開けると、そこには夕焼け空が広がっていた。

 だから、僕は君に言ったんだ。 「この部屋は、夕焼けが綺麗だね」っと。



 なぜ、そう思ったのか? それは、実に単純なこと。

 僕の部屋からは、夕日が見えない。 僕部屋の窓は、つまらない北側に。


 だから、僕の部屋からでは見えない。 だから、普段見れない僕には余計に綺麗に思えた。


 それに、この部屋には君がいたから。 夕焼けよりも、ずっともっと綺麗な君がいたから。


 だから、僕は この時間帯にこの部屋に来ることが、君に会いに来ることが好きだった。

 より一層、君のことを綺麗に思うことが出来るから。より一層、君を好きになれるから。



 ――僕達は日々、そんなデートを繰り返した。





















 それは、他人から見れば、きっと つまらない光景なのだろう。

 『何を馬鹿げたことをやっているんだ?』って思うくらいなんだろう。


 だけど、僕らにとっては、それでも掛け替えのない日々だった。




 確かに、君は早くに死んでしまうかもしれない。

 もしかしたら、君はもう明日にはいないかもしれない。

 だけど、だからこそ、今を一生懸命生きて、思い出を作りたかった。



 それが、世間での“自己満足”というのならば、きっとそうなのだろう。

 だけど、僕らの自己満足は、二人にとっての自己満足だったから。 決して、一人じゃないから。

 それに、僕は 人生というものはどれだけ長く生きたかということではなく、何を誰としたかということだと信じているから。



 だから、僕らは日々を楽しく過ごすことが出来た。 その隣にはお互い愛する人がいたから・・・。











 それに、僕は思うんだよ。

 『人間いつかは死ぬんだから、君の運命が哀れだ』なんて思うのは失礼なことだって。


 だって、そうだろう?  君は一生懸命生きている。 もう、人生を諦めてなどいない。




 他の人を見てみろ。毎日を無駄に生きている人なんて沢山いる。 溢れるほどいる。

 だけど、僕らの生き方を見てみろ。 どこに無駄がある? 毎日が思い出になっている。



 だから、僕は決して、君の人生を不幸だなんて思わない。思ってはいけない。

 それは、君に対して失礼なことであるし、 何よりも、僕らが出逢えたきっかけだから。































愛とは一体、何なのか? 恋とは一体、何なのか?


生とは一体、何なのか? 死とは一体、何なのか?




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ