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序章
今年も、また其方の好きな梅の木に可憐な花が咲き始めたぞ。よう、こうして共に見上げたものよのう。
我は、其方のことを未来永劫忘れることはない。
如何ほどにも替え難い、苦楽を共にした大切な友であったのじゃからな。
其方亡き世は、虚無そのものじゃった。
だが、我らは命を賭して戦い、勝ち取ったこの平安を守り通してきた。それが、残された者の天命であると信じたからじゃ。
我は、永遠に待ち続ける。
いつしか、再び我を目覚めさせるであろう、我らの意志を受け継ぎし……
勇士たちを。