クラフト高校
3分の1くらいが埋まった教会の後ろから三番目くらいの場所に座り、始まるのを待つ
少しすると短く白いひげと、長髪の白髪、教会の服を着こなした、貴族のような男性が内陣へと上がる
「どうも、私はこのクラフト高校校長、リスト・コネクトです」
風魔法で拡大した声で挨拶をする
「まずは、入学おめでとう、我が校に入学できた諸君らには、輝かしい未来を約束しよう」
「無事卒業できたならね」
そんな言葉を怪しく優しいほほえみを浮かべながら放つ
「我が校からは、毎年多くの優秀な生徒が排出されると同時に、毎年多くの退学者も出ている」
「それはなぜか、理由は簡単、入学できたことに満足し、胡坐をかくものや、自らの地位に甘えるものが多いからじゃ」
「我が校の生徒、教師の間で起きたことに対して、法は適応されない」
「殺人が起きようと、窃盗が起きようと、いじめが起きようと、法も国も一切関与しない」
「法を作りたいなら自分たちで作ればいい、裁判をしたいなら裁判所でも作ればいい、加害者がにくいなら殺せばいい」
「ただそれだけ、自由で、平等、そして不公平な学校、全てが実力のみで決まる、そう、このルールすらも、君らが変える権利を持っている」
「我が校の枠を出ない限りね」
そう、一切の表情を変えずにその事実を述べ終わった後、ゆっくりと続けた
「もしそれが嫌なら、教会を出て荷物をまとめ、学校から去りなさい、自由に退学できるのは今日までだ、あとからでは間に合わんかもしれんぞ」
その後一泊置いて
「それでは諸君、改めて入学おめでとう、また一か月後、会えることを楽しみにしているよ」
そういって内陣から降り、椅子に座る
そのあとは、食堂が無料とかの特典の話や、先輩が勝手に作ったここのルールブックや、裁判所とかのあまり面白くない話が続き、最後の主席挨拶まできた
内陣へ上がるのは、黄金の髪をなびかせ、赤い瞳で教会内を見渡す、モデルのようなすらっとした体型に、貴族のような衣装をまとう女生徒だった
「この座が欲しいなら全力で取りに来なさい!できるものならね!」
風魔法での拡大を使わず凛々しく、堂々とそういい「入学生代表、アメジ・アレキサンドライト」と風魔法で拡大した声でいい内陣から降りる
さすが、このネオプロトス帝国一の貴族、アレキサンドライト家の最高傑作と呼ばれる女性だな
とりあえず第一目標は分かった、あとは、取るだけだ
そう思いながら、終了の合図と同時に立ち上がり、ロラと一緒に教会を出て自室へ戻った