チーム対抗戦-23
それから何時間か経ち、布団の温かさと夜の寒さを感じながら重い瞼を開け、起き上がる、一度背伸びをして周りを見てみると、どうやら今は瑠璃先輩が見張りをしているらしい
なんだ、まだまだじゃないか
そう思い再び布団を被り眠ろうとするが、う~ん寝れない、どうやらすっかり目が覚めてしまったようだ・・・一度外の風にでもあったて来ようかな
そう思い足元に気を付けながら玄関に向かい、靴を履いて外に出る
さむっ
「どうしたの?まだ交代の時間じゃないよ」
丸太に座り、火加減用の棒を持ち、ブランケットを肩にかけこちらを見て話しかけてきた
「なんか目覚めちゃって、少し風にでもあたろうかなと思いまして」
そう言いながら近づき、丸太に座る
「焚火、暖かいですね」
「でしょ」
少しの沈黙を挟みこちらから話しかける
「瑠璃先輩はなんでこの学校に、この国に来たんですか?」
「私の家がどんな家かは知ってる?」
「はい、日の丸帝国の上級貴族で何人もの英雄を生み出してきた、超が付くほどの名家ですよね」
そう返すと笑顔で
「うん、正解、私はそんな名家に生まれたんだ、しかも長女、一番初めの子供、期待がすごくてさ、応えるために頑張って、なのに周りの大人はもっとできる、頑張れってそれだけだった」
「12歳くらいの頃だったかな嫌になっちゃって家出したんだ、そこでそれまで行ったことあったのは街の中心だけなんだってわかった、驚いたよね、あんなに栄えてて綺麗な街の裏側では、死体がごみみたいに転がっていて、生者がまるで死者に見えて、暴力や略奪が当たり前で、人が人として扱われない、ここは地獄なんじゃないかと思ったくらい」
「その後、来た道を泣きながら走って戻っているところを使用人に見つかって、怒られる怖さより安心感で抱き着きながら泣いちゃったんだ、家に帰ったら父上と母上が待ってて、怒られるな~って思ってたら謝られてさ、子供に無理をさせたって」
「でもね私スラム街を見た時思ったんだ、なんであんなに厳しかったのかって、きっと早く、貧富の差を埋めてでも民がみな人らしく生きられる世をつくりたいんだろうなって、だから両親と話し合って無理せず進もうって決めた」
「そして外国の、今最も栄えてる、文化のある国を学びながら強くなるためにこの学校に来たんだ、だからまとめると国と民のためかな」
それから一泊置き少しすねたような嬉しいような顔をして
「なのに両親も妹弟も使用人も青春して来いって、恋して来いってうるさくてね」
とそう言う
「いい家族といい夢ですね、恋愛するのもいいかもしれませんよ」
「ありがと、恋愛はまだわかんないけど」
そこから少し置き
「ねえ、ヘマタイトはどんな理由?」
「俺は・・・」
自分の過去や何をしたいか、少し長くなってしまったかもしれないが話した
「ヘマタイトもいい家族といい夢持ってるね」
「はい」
瑠璃先輩の方を見て笑顔でそう言うと、ライオンのような見た目の魔物が瑠璃先輩に噛みつくように後ろか襲い掛かっていた
まずい話しに集中しすぎて気づかなかった
瑠璃先輩の左手を掴んで引き寄せ、右腕で抱くようにし、左手を噛みつかせガードする
炎の槍を作り貫くと、3のカードを1枚落とした
「瑠璃先輩、怪我とかないですか?」
瑠璃先輩を離してそう聞く
「ありがとう」
そういって一泊おいて瑠璃先輩がしゃべる
「聞いていい?」
うつむきながらそういう
「いいですよ」
「私があの攻撃で死なないって分かってたよね」
「はい」
「じゃあなんで私を守ってくれたの?・・・そのせいで大怪我もして」
という悔しそうな声でそういう、それに対し騎士のように膝をつき、強く握りしめている手の片方、右手を取り、包む
「瑠璃先輩、知ってますか?回復魔法を使ってもまれに傷が残ることがあるんですよ」
「知ってるよ」
「瑠璃先輩の可愛い顔と綺麗な肌に傷が残ったら大変でしょう?」
何か声にもならない小さな声を出しながら顔が赤くなっているような気がする
「どうしました、瑠璃先輩」
「う、ううん、ありがとヘマタイト」
「どういたしまして」
左腕を見せて瑠璃先輩に回復してもらう
「ヘマタイト」
「長いのでヘマでいいですよ」
「じゃあヘマ、自分の怪我が残ったらどうする気だったの?」
「女性を守ってできた怪我なら勲章みたいなものですよ」
そんな会話をしている間に傷が埋まる、回復魔法ってホント便利だな~、しかも理解もしやすい
それから少し沈黙が続き焚火と風の音が聞こえるほどの沈黙が続き、ふと空を見ると、そこにはどこまでも広がる綺麗な星空があった
「星、綺麗ですね、久ぶりに見ましたよ、こんな綺麗な空」
そう言うと瑠璃先輩も空を見上げる
「ほんとだ、綺麗」
「ねえヘマ私ここより綺麗な場所知ってるよ、とっても良く星が見えて、言葉じゃ表せないほど美しいんだ」
うう、どうしよう誘う?でも、流石に彼女いるし、でもロラには
「特別です、本当は独占したいんですが、あなたならいいですよ」
不思議な顔をしてロラを見る
「ああ、ヘマにぃの彼女2人目のことです」
少し頬を赤くしながら
「い、いや別に好きなわけじゃ、それにそこまで愛してるのに何で」
「ヘマにぃはずっと、中学に入ったころから色んな女の子無意識に口説いて、夜道で背中刺されないように頑張ったか、すいません少しそれちゃいましたけどとりあえず、あんな優しくて、かっこよくて、強くて、野心家な最高の人独り占めするのは悪いかもなと思うし、なんだかんだ楽しそうだなとも思うんですよ、瑠璃先輩はなんか可愛い気がするし、わたしかわいい子はいろんな意味で大好きなので」
「だから、私が認めた人だけは彼女になれる権利を上げようかなと、もちろんヘマにぃに愛される必要がありますが、まあ私の基準を超えたら私がヘマにぃに話しを出してあげますよ」
ああ言われたけど、どうしたらいいの、本当に誘っていいのかな、誘っちゃおうかな
そんな場所があるなら対抗戦が終わったらみんなで見に行きたいな
「ね、ねえヘマ・・・」
「瑠璃先輩、対抗戦が終わったらみんなで一緒に見に行きませんか、祝勝会か反省会として」
「えっうん」
かなり眠くなってきたな
そう思い立ち上がり背を伸ばす
「すいません、なんか眠くなってきたので戻りますね」
「うん、おやすみ」
「おやすみ」
あくびをしながらそう返し拠点に入る
思ってたより喋ったな
布団まで足を運び毛布を被り、ロラに近づく
「ヘマにぃ」
「すまん、起こしたか?」
「いや、もともと起きてたよ、フフ」
とても可愛い笑顔でそう返してきた
「いい夢でも見たのか?」
「いや、でも面白いことがあったかな」
「それはよかったな」
ロラを抱きしめ撫でながらそう返す
「ねえヘマにぃ、ヘマにぃは私が一番好き?」
「当たり前だろ、一番どころか異性として好きなのはロラだけだよ」
「ほんとに?嘘ついてない?」
「当然だろ、ロラに嘘吐いてもばれるんだから」
「それもそうだね、ふふ、うれしい、私もヘマにぃくらいだなぁ異性として好きなのは」
「ありがとう」
「じゃあさ大切な人は?」
「それはたくさんいるよ、ロラにお父さんにお母さん、使用人たちに中学時代の友達、アメジやライト、ルナさんや瑠璃先輩、あとアリス、数えきれないくらいいるよ、でもロラが一番大事だよ」
「私も一番はヘマにぃだけど大切な人はたくさんいる」
そう言い深くキスをして抱き合いながら眠りにつく




