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とある女の子の話-1

 そこからはアメジによるフローラ様教室を楽しみながら屋台で瑠璃先輩に挑み何度か勝利をつかみ、満足したのでアメジと2人休憩中。


「ねえ、ヘマ」


 先ほどまでの楽しそうな声色とは違う、とてもまじめで、暗い声でアメジが俺にしゃべりかける。


「なんだ?」


「召喚術の授業の時にあんた達が召喚したあれは何? 明らかに普通じゃなかった、なんかこう、皇女陛下とはまた別の異様な感じがした」


 まあそうだよな、そりゃいつかは話さなきゃいけないときは来るよな。


「すまない、あまり話したくないことなら……」


「親友だよ、俺とロラのはじめての親友で、俺に『人を殺す』という意味を教えてくれた人だ。細かいことはみんなが来てからでもいいか? 個別に説明するのは少し面倒臭い」


 どこか遠くを見るような、寂しそうで、悲しそうで、それなのにとても暖かいそんな目でヘマが空を見つめていると、5人が戻ってくる。


「なに話してたの? ヘマにぃ」


 俺が少し寂しそうにしているのに気づいてのだろう、隣に立って少し心配そうにそう聞いて、焼きトウモロコシを渡してきた。


「あいつのことを少しだけ、話してたんだ」


「そっか」


「あいつって誰ですか?」


 2人で過去に浸っているとフェルノが無遠慮に首を突っ込んでくる。


「後で話してやるよ、まだ祭りを楽しみだろ?」


 フェルノが少し考えてから言う。


「ゲームはほとんど全部やりましたし、食べたいものも食べましたし……特にもうやりたいことがありません」


 フェルノがそういうと他3人も同意する。


 みんながそういうならいいか、話そう、俺とロラとあの子について。


 それは俺とロラが9歳、オーロラ家に養子に取られて大体1年がたったころ、俺とロラ、レインとリビアンの4人で近くのスラム街の地下にあるオークション会場に向かっていた。


「なあ、魂の欠片って結局どんなものなんだ?」


「ほか4つのアーティファクトと組み合わせれば人を蘇らせることができる、らしいアーティファクトです」


「らしいってどういうことだ?」


「前に読んだ本にそう書かれていました」


 ヘマが首をかしげて考えているとロラが言う。


「何かで方法を見て試そうとしたけど途中で失敗したとかじゃない」


「ああ、それがあったな」


「ヘマにぃってたまにバカだよね」


 その言葉で少々傷ついているところに鬼か天使かレインが否定を入れる。


「ロラ様、それは違います。ヘマ様はいつもバカです。」


 すっごいこの子、ドヤ顔で主人に言葉のナイフぐさぐさ刺してきたんだけど。


 そんな会話をしているところに、監獄よりも犯罪者濃度の高い、スラム街の裏路地から出てきたツインテールの灰色の髪と、たれ目の少女が、ヘマにぶつかり袋に入った硬貨を落としてしまう。


「す、すいません」


 するとそれを待っていたかのように、ごろつきが家や路地から続々と出てくる。


「なあ、あんたオークションに参加しに来た貴族だろ、騒ぎは起こしたくねーんじゃねえか?」


 話すだけ時間の無駄だな。


「貴族が多いんだろ? じゃあ安心しろ」


 ごろつきの首元めがけて炎の剣を飛ばそうとすると、先ほど転んだ少女がそれを止める。


「だ、ダメです。ひ、人殺しは絶対にダメ、です」


「なんでだ?」


「人を殺したら、どんな人でも悲しむ人がいるから、それに殺したという事実は消えません」


「それに、そんなこと関係なく人を殺すのはダメ、です」


 そう必死にこちらに訴える姿を見てヘマが魔法を消す。


「気に入った、今回は殺さないでおこう」

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