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人間哲学  作者: 緋西 皐
9/9

自由の因果

私たち人間は他の動物のことはわからないが、少なくとも我々は”なぜ自分が生きるのかについて”考えさせられるものだ。大方それは選択の時やあるいは友との喧嘩などの些細なことから始まるかもしれない。そのような要因はともあれ、その疑問の大きさは問題の大きさに依存すると考える必要はないだろう。


この人間哲学という作品はほとんどまとめ文であり、私が生きていて感じたことや半ば直感的に気づいたことを書いただけである。それが真に正しいかは証明しきれるものではないが、少なくとも現在の私はこれられの内容に対して十分に意味があると理解している。

その上で改めて”自分が生きる理由”を考えていった、いわばこの作品の結論として、私が今抱いているのはあまり考えても意味がないというところである。


このように至った理由は干渉原理のところが大きい。私は自分自身の知恵が大したことはないとわかっているが、その論理に対してはそれほど疑っていない。その前提として私は先人たちの知恵から自身の論理にあてはめ、生きる理由について結論を出したのだ。

その論理の関わるところが干渉原理であり、いわば人類の長い歴史の中で本当の意味で幸福に生きた者が存在したのであれば、やはりその者に我々は強く惹かれ、その上でそこから学んで真似るだけである。しかしながら多くの哲学者は髭の生やした質素な爺ばかりであり、それ以外の裕福者は傲慢かつ横暴である。あとは大概平凡と言われるものだ。さて、これら三つは何が異なるか、哲学者は知恵があるのみ、裕福者は恐らく不安や悩みを恐れ、平凡は知恵もなく不安と悩みを恐れることもあれば、その片方、あるいはまったく別かもしれない。


多くの人が憧れるのは基本的には賢者と貴族だろう。しかしながら賢者であっても死ぬ間際までその苦悩を捨てることはできず、裕福者であっても全てがうまく行くわけでもない。ならば結局のところ、身分や能力で幸福であるかを測るのは困難だろう。

むしろ私はこう言いたいのだ、仮にその憧れが君の望みに答えたとしても、苦悩である自分自身を善と思えるのであれば、それこそが究極の人生の目的だと。


とはいえ、そのようなことが人間にとって不可能なのは言うまでもない。ならば結局、あまり考えても意味がないのである。

どんな生き方をしてもその先には苦悩が満ちており、我々は抗うことができないのだ。


ただ心と言葉に在るようにその苦悩を美しいものと捉えられれば、我々はそれそのものではなくその心によって善悪を決めているのだから、苦悩を受け止めて自身を認めればいい。

世界そのものは人間の感情を測ることはできない。ただあるのがその行為と事象のみであるのであれば、その因果関係は自身の楽しみだとしていいのだ。そう錯覚すればいい。

世界そのものがこちらの感情に拘らないというのに、わざわざネガティブになるのに何の意味があるのだろうか。


ただやはりこうは言っても、人間は完全にはそうなれず、悩むときには悩み、苦しむときには苦しむしかない。そういう風に社会を設計してしまえば、やはり馬鹿でも生きられる。それは豊の象徴である。


ならばどう生きるかもその意味について考える必要はない。必要があったとしてもそれはその専門家がやればいいのだ。そしてその専門家は人間を律するのではなく、人間の生態から合わせた社会を作ることを最終的には志すことになるだろう。


こう長々と話してきたが生存と健康を抜いて人間の生きる意味を考えるとき、やはり我々は自由であるので、規定することはない。感じたままに生きればいい。

しいて言えばその感じたことは事象として、いわば顔で隠せたとしても、唯一自身の中に存在が確定できる感覚である。感じたことは嘘ではないのだ。また哲学は健康体上で生じたそれに対して否定することは不可能である。(自由の因果)

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