人間の基礎
【人間の基礎】
人間は完璧ではない。完全に論理的に動き、完全に物事を成し遂げられる人物はまずいないだろう。人間はミスをするのが当たり前である。しかしながらそれが自身の生命を脅かすものでは生きにくい。
安定して生きる基盤が必要である。そのためには他人や制度に過度な期待、過度な思考などをしない方がいい。
より冷静になってそれらを見てその法則性からわれわれは判断すべきで、けれどもそれすらもミスをするのも踏まえて、過度な接触はせず、過度な依存もするべきではない。
人間が生きるために最も大事なのはそれらの距離感と理解である。黙っておけばトラブルは起きない、謝っておけばトラブルは起きない。制度をよく理解する、知識があれば判断も増える。
こう言った部分から生きる基盤をまずは固める。
ともなると怒りは愚の骨頂だ。
怒りがトラブルを生む。怒りは強引に何かを変えようとする行動原理を内包している。それは過度な期待と過度な思考によって至る。
人間は強引に何かを変えれるほど強くはない。多くは失敗する。
大事なのはそこに視点があること、説明可能であること、またその行動によってどうなるかをあらかじめ予想するのは効果的だろう。
ただそういちいち考えなくとも人に対しては尊重を忘れず、制度や法則には理解を忘れなければよい。すれば怒ることはない。(尊重と理解)
怒りは人生を大きく変えるが、不確定であり危険性も孕むのを忘れてはならない。
上司や教師が怒ったとき、それは愚である。
相手への尊重ができているなら、相手のことを理解しようとする。すれば怒る前に対話を試みるはずである。
しかし怒るのは過度な期待への反動がそうさせる。心を忘れさせる。
たださらに愚なのはそう至る制度である。人間は賢くない、常に正しい判断はできないだろう。
ゆえに他人の意思に依存する制度ではなく、せめて他人の健康に配慮する制度が必要である。
生徒や子を大事に思う心は教師や親を大事に思う制度の上に成り立つ。
多くの人間が求めるのは実のところ物やサービスなどのお金ではなく、むしろ店員の礼儀や働きやすさ、人へ好意などの他者からの尊重と理解の提示である。あるいは自身も含まれることもあるだろう。
相手のことを完全に理解するのは不可能だが、大事なのは理解しようとする意思、また完全に理解できなくともその存在を受け入れる心である尊重、それらの意思を人間は常に求めている。
仮に失敗しようがそこに尊重と理解を感じられたのなら、悪い気分ではないはずだ。
またそれによって形成される人間関係と制度の関係が、次に繋がる役割である。
では尊重と理解の提示が為されないのは何故だろう。これは制度の不完全によるものである。
人間は制度の元に生きている。原始時代であってもそれは純粋な自然法則であるし、現代であれば法律だろう。これに伴って人間の判断、またその広さに関わる知恵が変わるだろう。
制度を変えれば人間は変わり、伴って結果が変わる。不完全な制度であれば、人間はより不完全であり、結果も望ましくはないだろう。
では何が制度を変えるのか。それは制度への理解と、人々への尊重の場合と、怒りによる革命、戦争の場合である。
怒りによる革命はその怒りの発散でしか制度を作ることができない。つまり長期的な解決ではない、感情的な解決でしかなく、そういった制度は未来においても、人間が怒りを持つようになってしまうだろう。すればまたその制度は逆に改定され、またその先で逆になってと戻る。つまり戦争によって変えたものは、戦争によって変えようとする制度を作ってしまう。これでは尊重と理解を否定する、戦争という怒りが止むことはない。
故に我々は尊重と理解を持って制度を変えるべきであり、そのためには許すことが大切である。許すとは人や制度そのものを受け入れることではなく、感情として人や制度を受け入れることである。この行為は尊重によって起こされるものである。
すなわち我々は尊重と理解を持って生活することで、理想となる社会の実現ができるだろう。
またその為には(個人的見解かもしれないが)余裕のある状態、健康が大事であり、無理に何かをしようとするのはむしろ良くないだろう。物事は自然と変わるものなのだ。
自身に対しても尊重と理解を重んじれるのならば、他者に対してもそうできるはずである。ただそれは自身の心を観るのと同じように、他者の心を観ようとすることである。
するときっと他人のことを否定することはなくなるだろう。否定の会話は愚であり、それは人間の仕組みから明らかだったろう。
人間とは尊重と理解の生き物である。
その原理から他者の否定は含まれず、むしろ肯定こそが人間の自然である。
また実のところ能力よりも性格、いわば尊重と理解を大切にする人間が重宝される。人間は性格を重視する生き物なのだ。
この能力があれば、その性格になれるという動機で動くばかりではないだろうか。
他で書いたところも含んでいるかもしれないです。