一章幕間 其之一 略奪
どの古い時代にも略奪された爪痕は残るも、それが具体的にどのような事がが起きたか。を記するものはない。
何故なら、略奪を受けた者は例外なく生き残る事ができないとされていたからである。分かっているのは、略奪を受けた村の家々は焼き尽くされ、村人であった人々の骨は家畜や動物の骨の上にまとめて集められていたと言う事だけ。無論、例外もあるが後述に述べる。
昔から、力で屈服させる以上、いつしかの反乱は避けられない。と言うのが為政者や後世の歴史家の通説であった。とりわけ、長年に渡り敵対してきた部族間であれば尚更である。そういった部族同士が雄雌を決する際、略奪は必ず起きた。
まず、抵抗する可能性のある男達はその部族の代表、または親族にかけての一族郎党全て速やかに斬首される。場合にもよるが助命はまず通らない。次に残った男達は頭から布を被され、脳天を棍棒で強く叩いて気絶させた後、心臓を貫かれて処される。これは良心からの配慮では無く、単純に数が多いので斬首では刃こぼれが絶えないから。と、言う理由による。
こうして男が全員殺された後、残るは女、子供、
老人の類となるが、最後に残されるのは主に若い女とさらに幼い女児のみになる。
女は昔から略奪においての戦利品とされ、同時に争いにおいて戦力にならない事、排血を起こす理由などで忌諱されてきた事もあり、その戦後処理はいつの時代も残酷で酷いものであった。
まず年齢によって分別された後、醜女や五十路を越えた老婆はその場で処刑される。残った不惑のものから身分の低い奴隷兵などに当てがわれ、順を追って若い女子供などは身分の高い兵士のものとなる。無論、それら全ては強姦され弄ばれた後、おおよそ三日ほどで全員殺された。理由は諸説あるが、性病の蔓延を防ぐ為とも言われている。
こうして全てを虐殺し、伏して待つことを未然に塞いだとされるが、時折その野蛮さをを表すかのような奇妙な痕跡が残されている事に歴史家達は気づく。それは、殺した女子供達をあえて槍などで貫通させ、武勇を誇るが如く略奪後に地に突き立てた痕跡を発見したからである。殆どの死体は先ほど述べたように、一箇所に破棄されているが、中にはこのような肛門から口を通るように槍が突き刺さったままの骨が何度か発見された事から分かった唯一の事実である。
こうして、略奪の処理は誰の記憶にも残る事なく歴史の闇へと消えていく訳だが、時の王がそれを禁じる近年までそれは続き、そしてそれらの略奪行為は今も密かに行われてるとされるが...。
死人に口なし。
裁く神もなし。




