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水無月蔵光の冒険譚  作者: 銀龍院 鈴星
第六章 絶対悪との対決
147/164

第147話 龍の災厄と龍を狩る一族

新たな事実が判明します。

第147話 龍の災厄と龍を狩る一族

約2000年前、デルタは当時800歳くらいであったが、世界で今、何が起こっているのか全く知らなかった。

父親が黒龍となり人間を襲って食べ続けていた事や、世界中でその黒龍が大発生し、世界中の人間だけでなく地上にすむあらゆる生き物を食べ始めた事を…


それは『龍の災厄』と呼ばれる大事件であり、世界を破滅に導く恐ろしい出来事であった。

世の中の人間はその半分以上が黒龍に食べられてしまい、絶滅すると思われていた。

だが、そこに新たな救世主が現れた。

それが水無月一族であった。

彼等は水神ミズハノメから強大な力を授けられ、世界中にいた黒龍を狩り続けた。

それは、魔力値が億を超す様な黒龍であっても全く歯が立たない様な魔力値を持ち、肉体に備わる力も桁外(けたはず)れの怪力を与えられていた。

水無月一族は黒龍の話が出ればどこにでもやって来た。

ギルス火山帯が黒龍発祥の地である事を知ると、とうとう、ギルス火山帯にやって来た。

そこは巨大な火山島であり負の魔素が大量に噴き出している場所でもあった。

水無月一族の者達は、その負の魔素が噴出する『魔素口』と呼ばれるものを封印した。

龍族や古龍族の者達は、水無月一族が、世界中に飛んで行った自分達の一族の者達を、殺し続けている事を知っていた。

そのため、水無月一族が自分達の縄張りであるギルス火山帯に入ってくることについて非常に腹を立て、一部の黒龍でない龍族や古龍族の者が水無月一族に戦いを挑んだ。

しかし、圧倒的な水無月一族の力により龍族や古龍族達はどんどんと追い詰められていった。

この時は、どの龍達も、水無月一族の目的を知らず、黒龍でない者であっても、ある者は逃げ出し、戦いを挑んで殺されたりしていた。

デルタは、母親と共にギルス火山帯を離れて逃げ出したが、兄のラドラはこの地に残った。

それ以降、デルタは兄のラドラと会う事はなかったが、ある日、潜伏先で別の龍族の者からラドラが生きている事を聞かされる。

だが、その龍族の者からはラドラは既に凶悪な『黒龍』に変化し、同じ様に黒龍となった龍族の者を集め、何やら良からぬ事を企んでいるようだと聞かされ、会うのは止めた方がいいと言われたのだった。

その龍族の者は、古龍族の秘術『ジギン』を使って人に姿を変え、人間の世界に身を置いて生活をしていた。

この時、その龍から『街で噂を聞いただけなので確かではないが、どうも水無月一族は我々のような龍を殺すのではなく、『黒龍化』した龍だけを殺すために世界中に散らばっているのではないか』という話を聞かされる。

その龍族の者は、各地に散っている古龍族や龍族を探しながら、この水無月一族の話をするうちにラドラの噂を聞いたらしい。

どうも、ギルス火山帯に残っていたラドラは一旦は水無月一族に捕まえられたのだが、子供の龍であったことや、まだ、この時は完全な黒龍化をしておらず、水無月一族の秘術で負の魔素を抜かれたため、命は助かったらしい。

完全に黒龍化してしまえば負の魔素を抜くことは難しく、そうはいかなかったであろうということであった。

だが、ラドラは、水無月一族の手を離れると、今度は自らが黒龍化するためギルス火山帯を離れて水無月一族の目の届かぬ所で黒龍になったという。

彼には、マークス家の家臣であった龍族の者達が付いていた。

その者達も黒龍化し、ラドラの下で今も動いているというのだ。

どのような悪事を企んでいるのかは知らないが、兄弟としてそのようなことは見過ごしておくことは出来ないと思い、兄の暴走を止めるべく、デルタは兄とその家臣達の足跡を追って世界各地を探しているということであった。


「それでは…、その家臣の者達の名前はわかっているのですか?」

ヘルメスが聞くと、デルタは、

「兄のラドラには、兄付きの家臣が五人いました。それらの名は、ロギアス・セドウ、ハウラ・ミーシャン、セト・グロス、タイジャ・ジーク、モグル・ランカスと言って…」

「ええ!モグル・ランカスにタイジャ・ジーク…」

ヘルメスがその名前を聞いて驚く。

当然、ゼリーやギルガもだった。


「彼等を知っているのですか?」

ヘルメスらの驚き様にデルタが反応する。

「知っているも何も…タイジャ・ジークは我々が今、追っている黒龍です。他の仲間もいるとは聞いていましたが、ここでそんな名前を聞くとは思いませんでした。」

ヘルメスがデルタの質問に答える。


「…貴女方もタイジャを追っているのですか?でも、どうして?」

デルタは、ギルガがまず、何故、人間と一緒にいるのか、それも正体を明かして暮らしていることに驚きを隠せなかった。

何故なら普通であれば、人間と古龍は相容れぬ関係であり、一緒に暮らすなど到底考えられない事であり、例えジギンの魔法で人化し、一緒に暮らしたとしても、正体を明かすなど有り得ない事であったからだった。

それに、黒龍に関する事を話したり、追い求めたりする事は禁忌とされているにも関わらず、モグルやタイジャの名前を知っていたことや、それらを追っているということにも驚きや疑問を持った。


なので、デルタにはヘルメス達に聞きたいことが沢山あったが、その前にヘルメスから自分がどうしてこの場所に現れたのかということを聞かれていたのを思い出したので、それを説明してから質問する方が良いと思い、まずは自分の事から話すことにした。


「私の疑問は後で教えてもらいます。とりあえず先に私の事を話しておきます。私は、メトナプトラのクワッテ鉱山付近にモグル・ランカスの配下の者達であったダウラ、キャセル、グロリア、アリア、シリス、ミリルア、ラゴニアージュという龍族の者達の足跡を追ってやって来ていました。ですが、クワッテ鉱山には貴女方も含め、人間の姿が多数いたので、彼等はいないと判断し下山したのです。」

「かなりの数やな、そんなに龍族の奴おったかな?」

とゼリーは少し思い出そうとした。

デルタは話を続けた。

「ライズに彼等のいる気配はなかったため、他を当たることにしました。」

「えっ?彼等の気配って?龍の気配がわかるのですか?」

「うーん、気配というか、龍族特有の臭いですね、ギルガ様からは余りしてきませんが…逆に何か花のような良い香りがしますので、古龍だと言われるまで分かりませんでした。」

とデルタが言うと、ギルガはハッとして、自分の腕や脇のあたりの臭いをクンクンと嗅ぐ。


「あと、メトナプトラの首都ヨーグからも臭いがしてきていましたが、結界のため、城壁等は飛び越えることも出来ず、どうしようかと思っていたところ巨大な古龍と思われる魔力が2体街へ近付いてくるのが分かりました。」

「あ、それって多分あたしのお父様達です。」

「あーなるほど、そうでしたか、私がそれを確認しようとした時、驚いたことに、この時、ヨーグの街から飛び出して逃げてくる龍族の者達を見つけました。私は彼等を捕まえ、事情を聞きました。彼等はモグル・ランカスの下で働いていた者達でいずれも兄のラドラからジギンの魔法で人間に姿を変えられていました。そして、彼等から、『モグルは城の中で人間のふりをしていたが、先日、ギルドの冒険者に殺された。』と聞かされました。先に話したダウラ達も行方不明になったり、街中の空き家では、別の龍族の者達がモグル共々殺されたりしたとも聞きました。私は兄の居場所を確認するため、彼等から聞こうとしましたが、彼等も全く兄の居場所を知りませんでした。」

「そいつらは、どうしたんや?」

ゼリーが逃げ出した龍族の者達の事を聞いたが、

「彼等は最初、私を、モグルを殺した冒険者ギルドの者だと思ったようで、私に飛び掛かってきました。私は仕方なく何人かを倒すと、彼等はすぐに戦意を喪失し、残っていた何人かの者達からこの話を聞いたのです。残っていた者達はそのまま放しました。」

「なるほど、大体話の辻褄は合うな。」

ゼリーは頷いた。

「ここへは、その者達からタイジャ・ジークがこの辺りにあるギルレア洞窟という所で何かをしているようだと聞きやって来たのです。」

「あーなるほど、そういう事だったのですか。」

ヘルメスもようやく納得した。

「ただ、人間界でギルレア洞窟と呼ばれているのはわかっていたのですが、実際、どこにある洞窟なのか全くわからなかったので、最初のうちはメトナプトラ国内を探し回っていました。それで、つい先日、ようやくギルレア洞窟がヴェネシア王国内にあると分かり、やって来たのです。ですが、ここでもハッキリとした場所は分からずウロウロとしていたところ、変な集団を見つけました。私は気配を消して彼等の様子を見ていたところ、その者達は、何か、ギルレア洞窟の辺りで誰かを殺すような事を言っていましたので、これ幸いに彼等に案内をしてもらおうと、こっそりと後を付け、ここまで来たということなんです。」

「あーそういう事か、で、彼等は殺そうとしたワイらに逆に殺されてしもうたという訳やな。」

「そういう事です。彼等は人間なので、彼等同士が殺し合いをすることに私は関与はしませんし、元々、関心もありませんでしたから…」

「では、何故、私達に声をかけたのですか?」

ヘルメスが尋ねた。

すると、デルタの様子がおかしくなってきたのだ。

「あ、いや、何と言うのか、その…私も何故、声をかけてしまったのか、よくわからなくて…」

と意味不明な答えが返ってきた。


「よくわからないって?」

ヘルメスも変な顔をする。

「ええ、強いて言えばギルガ様の匂いですかね…」

「はあ?匂い?」

ヘルメスもゼリーも珍回答に呆れる。

「あの、クワッテ鉱山の時も少し感じていたのですが、先程も言いましたように、ギルガ様から何か、花のようなとても良い匂いがしてきて、今日は最初、誰かわからなかったのですが、たまらず声を…」

とデルタは顔を真っ赤にして話した。


「わかったで!」

デルタの話を聞いてゼリーが叫ぶ。

「それはな、異性を呼ぶフェロモンの匂いや!恐らくウチのバスの中の風呂で使っているシャンプーや石鹸の匂いと混ざってギルガの体から発しているそのフェロモンの匂いを嗅いだからやと思うで。」

「ええー!!?」

ギルガはそれを聞くとデルタと同じように顔を真っ赤にして俯いてしまった。


人間を含め、動物の体の中にはホルモンというものがあり、そのホルモンから作り出され、分泌される特殊な匂いは、通称『フェロモン』と呼ばれ、異性を惹き付けるのだ。

人間の女性で言えばエストロゲンというものになるであろう。


「良い女からは良い匂いがするって聞いたことがあります。」

と今まで黙っていたトンキが話す。

「最近のギルガさんて、結構、おしゃれに気を付けてたりしてますよね?今まで逃げ回る生活から脱出して、出来なかったことが出来るようになったりして、それまで野宿というか野性動物の様な生活をしていた状態からお城のお姫様の様に毎日、お風呂に入ったりして美容や食事にも気を付けてたりして、結構充実した生活をしているじゃないですか。」

「えっ?ああ、まあそうだが、それがどうしたんだ?」

とギルガがトンキに尋ねる。

「私が聞いたことがあるというのは、そのキチンとした生活が良い匂いを発するらしいって言うんですよ。」

「なるほど、確かに最近のギルガは規則正しい生活をしていたからなあ」

とヘルメスもそれには納得する。


まさか、デルタがギルガに声をかけたきっかけがフェロモンだったとは誰も思いつかなかった。

ただ、それがなければ、デルタもギルガに声をかける事はなく、会える事はなかったであろう。

フェロモン様様である。




ヴ「私からフェロモンが漂ってないかしら?」

(´<_` )

マ「うーん、わからないな」(-ω- ?)?

ト「フェロモンは大人じゃないとダメなんじゃなかったかなあ?」

(ヾノ・∀・`)

ヴ「それは、私が子供だとでも言いたいのかな?」

(`ε´ )

ト「そうじゃないのか?」( ゜ 3゜)?

マ「えっ?ヴィスコって大人だったの?」

σ( ̄∇ ̄;)

ヴ「…くっそ!ああ、もういいよ!そうだよ!あたしゃ子供だよ!」(`Δ´)25

ト「あっ、また数字出た!あーこれで、ヴィスコの年齢が分かる訳だね?」(´・д・`)

マ「えっ?25歳?」(;゜∀゜)

ヴ「違うわー!!」ヽ(♯`Д´)ノコリャーッ!


顔文字が定番になりつつある今日この頃…

トウシローの私は使える表現は使う事にしました。

ヾ(´∀`*)ノ

だって、私、前に活動報告でも言いましたけど所詮「ギルドのF級小説家」ですから。

「F級!!」(o゜з゜o)ノ

では、またね。(* ̄▽ ̄)ノ~~ ♪

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