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源光(みなもとひかり)物語  作者: 西村 圭
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三十一、真木柱

思いがけないことに、玉鬘の人は、髭黒の人と結婚することになりました。髭黒の人の熱意にうたれたのでしょうか。


玉鬘の人は、あまり嬉しそうな様子でもなかったので、それも気がかりですが、実母である葵の姉君などは、冷泉のもとで慣れない仕事に苦労するよりも、髭黒の人のところへいったほうがよいのではないか、などと考えているようなのです。


玉鬘の人が冷泉のもとで働けるよう動いていた私としては、冷泉から残念だと伝えてもらったのは救いです。


私自身、髭黒の人の前夫の父でもある紫の父君らに嫌味を言われたり、自分でもまだ割りきれない玉鬘の人への思いに苦しんでいました。


ある日、私は玉鬘の人を訪ねました。せめて少しだけでも冷泉のところへ顔をだすようにすすめました。


髭黒の人は、こころよく思わなかったようですが、この機会に、と玉鬘の人を自分のところへ迎え入れる準備をすすめているとか。


髭黒の人の前夫は、病がちなので、髭黒の人は見舞いに訪れていました。二人の間には何人かの子供もあり、別れたとはいえ交流もあるのでしょう。しかし、この玉鬘の人のことには、髭黒の人の前夫も思うところがあったようで、口論の末、髭黒の人に香炉の灰を浴びせたりしたのだとか。


その後、髭黒の人は玉鬘の人のところへ戻りましたが、前夫のところで暮らす子供たちには会いに行っているようです。


しばらくして、髭黒の人の前夫は、子供たちを連れて紫の母でもある実母のところへ移ることになりました。子供たちの一人である髭黒の人の息子は、杉か檜でできた真木の柱に髭黒の人への手紙を残し、去っていったとか。


髭黒の人の前夫の父である人は、私に対しての不満を重ねているそうです。


髭黒の人は、息子が残した真木柱にある手紙を見つけ、涙したとか。前夫の母君にもお会いすることもできず、まだ幼い娘二人を連れて戻ったそうです。


親族である紫も彼らを案じていましたので、私は慰めました。


気分のすぐれないであろう玉鬘の人のためにも、と思い、私は玉鬘の人に冷泉の手伝いを頼みました。


新年を祝う行事があり、私の娘の夕霧も手伝っています。

冷泉のほかに、六条の人の息子や、葵の姉君の息子、紫の異父兄弟など、多くの人が参加しました。

冷泉の後継者である、私の異父姉の朱雀の子も来ていました。

葵の姉君の子や、髭黒の人の子もいたのを、玉鬘の人も見つけたようです。


また、妹の蛍や冷泉は、残念がったり惜しんだりで、玉鬘の人は恐縮しているようでした。


やがて、務めを終えた玉鬘の人は、髭黒の人のところへ移っていき、私は寂しく思いました。玉鬘の人も、私のことを思い出してくれているといいのですが。


冷泉も、玉鬘の人の仕事振りを気に入り、改めて残念に思ったとか。


時折、玉鬘の人に連絡をとりますが、髭黒の人からお礼があったりしました。


髭黒の人は、前夫のもとにいるあの真木柱の息子のことも気にかけているそうです。


その後、玉鬘の人と髭黒の人の間に、子供が産まれました。葵の姉君や柏木などにもかわいがられているようです。


また、玉鬘の人の姉妹である近江の人は、夕霧に思いを寄せるも、かなわなかったとか。

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