20 住田 圭吾 反省文
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そこ、誰それ?とか言わない!
それなりのモブキャラ、エミリ兄です。
実は、住田家は先祖代々安寿家の裏稼業を担ってきた家系であります。
世が世なら、忍者でしょうか?そこ!厨二とか言わない!
でも、実際裏で暗躍していた事は確かな過去です。
一歳で毎日10キロ歩くという行脚修行を強いられたり、合気道、剣道、弓道、柔道を段もしくは師範までとらされたり、とにかくハードな学生時代を送ってきました。
エミリも同じ教育方針で育てられました。彼女は女性ながらに俺と同じくらいに強いです。
現社長が住田家の跡取り息子を安寿家で使いつぶす事を恐れて、エミリにその任務が決まりました。
護衛が主な仕事となるため命がけだからです。一度血が絶えそうになったことがあった為、心配してくださったのだと思います。
でも、匠様の合気道の講師をしたときに、自分のやりたい事がハッキリしました。
俺は彼を支えていきたいと思いました。その旨を社長にお願いしたら社長は快く了解してくださりました。そのため、今は社長の元修行しているのです。
俺が初めて裏稼業を命じられたのは、スマホでグラビアモデルの連打の家庭教師を反省させることでした。
彼の推しモデルに接触し、落とすという重大任務!と思ってましたが、簡単でした。
彼女の行きつけのバーに行き、彼女が来たら、「ファンです。」と接触しました。
彼女は、並外れた筋肉マニアだったらしく、俺の身体を見ただけで、触りたがったのです。
「二人っきりのところでなら、好きなとこ触っていいよ。」
というと、ホテルに連れ込まれました。
彼女がシャワー浴びてる間に、知り合いの美人記者で有名な加藤玲子氏に電話をして出てくる所を写真とってもらうことにしました。
翌日のゴシップ誌は大変な賑わいになりました。
家庭教師の彼は大変な落ち込み様で、自分から辞職したそうです。
次の任務は、女性の先生でした。
某マンガが大好きで執事マニアでした。
俺の悪友に芥川という、ホストクラブオーナーがいるので、そいつに執事クラブなるホストクラブを作ってもらい街頭キャッチで彼女をキャッチし、常連さんになっていただきました。
あとは、彼女の仕事時間を狙ってデートに誘うという単純作業だけで、昼の仕事をやめ夜中心の仕事をすることなったというだけです。
その執事クラブなるものは大変盛況で悪友に感謝されております。
その次の任務も単純作業でした。渡された名簿のお家に社長からの手紙と、お見舞金を渡しに行くだけの仕事。
只、少し違うのがお見舞金の袋の分厚さですかね?渡された方は目を見張りなかなか受け取ってくれないのです。
「そこはくみ取ってくださると助かります。」
と、頭を下げると
「...解りました。」
と、引いてくださいました。
一重に社長の御人柄でしょう。
無事任務を完了させた俺は、大変功績を認められ、大事にしてもらっておりました。
そのため、少々おごりがでていたのかもしれません。
加藤玲子は某アニメの峰不〇子を彷彿させる一部の層には大受けするタイプなのです。
俺は一部の層の自覚はなかったのですが、見事術中にハマってしまっていたようです。
なんとゆうか、あの寸止め感が受けるのでしょう。
俺の家の事は先ほど説明したので、ご理解いただけてると思いますが、なぜ、血筋を大事にするのかといいますと、俺の家には代々伝わる力が備わっているのです。
一種の催眠術みたいなものです。その場の空気の色を操る感じですね。魅了までの力はありません。
制御する力を取得するまで、その力が垂れ流しになるため、俺の後を耐性のない方がゾロゾロ付いて回るということが度々おこったりするのです。
エミリはその力を制御するのが凄く上手で幼稚園に入るまでに取得できたのに対して俺は高校卒業するまでできませんでした。
爺ちゃんは、俺の力が先祖返りの一種で、操り術の方が強いから制御しきれてないのだろうと言っていました。もちろん先祖はもっと強く多種だったらしいですが。
安寿家の皆さんは元は一つの家系だったこともあり、耐性があります。恐らく幼い頃から鍛えれば俺らと同じ力が使えるのではないかと思います。てか、匠様と社長は使えてるのではないかと推測しています。目に見えてどうなるとかの派手な物ではないので、確証は得られてませんが。
そして、驚くべきは莉奈様です。幼い頃は簡単に俺の術にかかっておられたのですが、意識を戻されてからは、一切通用しなくなりました。あの社長や匠様ですら、俺の渾身の術では、数秒かけれる事ができるのに、一秒もかかりませんでした。
ちなみに社長に使ったのは、お気に入りのキャバ譲に家一軒分くらいの高級車をねだられた時とか、会議の予定があるのに、お店に行こうとしたりした時のみです。
匠様にはエミリにちょっかいをかけそうになる時くらいです。奴にはやらん!
話がずれてしまいましたが、莉奈様には『信用してくださいね。』と言った時です。
本来ならば、肯定の返答をいただけるところが、微笑みのみの否定だったのです。
俺は力を失ってしまったのかと愕然としました。
試しに、公園で勇気様と高貴様の怒りを鎮めるために使ってみたら、効果が効きすぎてしまう事件が起こりました。
力は衰えていないとなると、莉奈様の方が異常だということです。
帰りの車で渾身の演技と共に、恋愛に芽生えてもらおうとしましたが、完レジでした...。
理由はわかりませんが、莉奈様には俺の力がまったく効かないのです。これはゆゆ式事態です。
住田家は安寿家の暴走を制御する為に存続する家なのに、その時期当主である僕の力が効かないのは非常に問題です。
なので、エミリに相談してみました。
「お嬢様は大丈夫よ。」
「そうかな?喪女とかになったら困るじゃん。」
「ならないわよ。あの容姿よ?いくてあまた過ぎて困る事はあってもありえないわ。」
「うーん。」
「それに、結婚だけが幸せではないと思うし、匠様の片腕になられるくらいの手腕お持ちだもの。」
「まあ、それは。」
「お兄さんは力が強いから、それに頼り過ぎていらっしゃるのじゃない?人間同士なのだから、対話で解決できると思うわ。」
「!!」
目から鱗だった。そうだった。力に頼り過ぎてはいかんと何度も爺ちゃんにいわれたんだった。
「そうだったよ。エミリありがとう。俺が暴走してはならなかったよ。反省。」
「それに、お嬢様の事は私に任せてよ。上手く『交渉』してみせるわ!」
エミリが明るく笑った。
「おう!」とそれにつられて笑顔になったが、エミリの『交渉』には少し別の意味合いがある気がしてならなかった...。




