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A-1:Fateful encounter
彼らが出会ったのはずっと昔だった。
知ってか知らずか、二人は幼馴染でもあるべき関係のはずで、だが知り合ったのは小学校に入学してからだった。
「あなた、だぁれ?」
少女は言う。
「おれの名前は――」
少年は答える。
少女はへぇ、と頷き、以降二人はいつも一緒にいるようになった。
少年は多才だった。
それよりもずっと小さい頃から両親に色んな習い事をさせられていたからかも知れないが、少年の成長ぶりは他の同年代とは一線を画してしたように思われた。
成績優秀、運動神経抜群……とまではいかないものの、少年に出来ないことはなかった。
少女は憧れた。そんな、何でも難なくこなしてみせる少年を一番身近に見てきた少女は憧れた。
何より自分の非力さを妬んだ。彼の親友でありながら、対して何も出来なかった自分が、彼女はどうにもやりきれなかった。
だが少年は、自分を前にして屈託のない笑顔を見せる。少女はまた、笑顔で返すしか他はなかった。
少女は思った。自分に彼と友達でいられる資格はあるのだろうか、と。
それでもやはり少年は、自分に笑顔を向けてくる。




