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兄妹であり恋人

「こんな洒落たカフェ始めて来たわ」

「あの島何も無いもんな」

「早く脱出したいわ」

「でも出来るんだろ?さっき言ってた兄妹?のおかげで」

「まあそうなんだけど」

「でもびっくりだよな、急に顔も名前も知らない妹があの島にやってくるなんて」

「奈希のやつ最初に言えばよかったものをいうタイミングを逃したとか何とかで言わなかったからな。兄妹だと知った時はマジで腰抜かすかと思ったわ。ていうか腰抜かしたわ」

「その奈希ちゃん?って可愛い?」

「正直言うと……めちゃくちゃ可愛いです」

「なんで敬語なんだよ」

「なんとなく」

「いいな~そんな可愛い妹がいるなんて。俺一人っ子だからあこがれちゃうわ」

「いや俺もついこの前までは一人で闇の生活してたからな」

「そういえばお前、友達出来たのか?あの高校で」

「一応できた」

「やるじゃねえか。あの楓雅とは思えないな」

「でも男友達はいないんだよな」

「なっ……さてはお前女たらしにでもなったのか!?」

「そんなわけないだろ。奈希と色々あったんだよ」

「その、色々って?」

 これは言ってしまっていいのだろうか。兄妹と知っていながら付き合ってるとか言ったら引かれるよな。

「まあとりあえず奈希と話してたら他の子が来て、そいつと友達になったってわけだ」

「まあよくあるやつだな。友達の友達は友達ってやつ」

「いや、正確には友達ではなかったんだけどな」

「どういうことだよ」

「奈希が友達作った方がいいって言うから、教室で暇そうなやつに声をかけたってだけだ」

「あーそういう感じなんだな」

「まあ結果は良かったから感謝してるけど」

「だな」

「あと一つ隠してることがるんだけど」

「急にどうした」

「その奈希に関することで」

「おう」

「実は付き合ってるんだ」

「……お前、俺を差し置いて何してんだ!」

「え、あ、そっち?」

「え、なんか他にあんのか?」

「いや、だってよく考えてみろ。兄妹が付き合ってるんだぞ」

「……あーたしかに。でも否定する前に確認することがある」

「なんだ?」

「兄妹って言われてから好きになったかその前に好きになったかで話は変わってくるぞ」

「言われる前だな」

「じゃあ問題ないだろ」

「え、そういうもんなの?」

「実質普通に学校にいる女子と同じだからな、それだと」

「まあ確かに?」

「それに好きになってしまったものをどうこう言っても変わるもんじゃないだろ?」

「それもそうか」

「奈希ちゃんの方は問題あるかもしれんけど、お互いがいいならそれでいいんじゃね?深く考えても解決しない問題だぞそれは」

「お前が言うなら間違いないか。俺もそう思ってたんだけど、もしかしたら俺がおかしい可能性もあるからと思って聞いておきたかったんだ」

「別にメールで言ってくれれば答えたのに」

「いや久々に会いたかったしな、せっかくこっちに来ることになったし」

 日帰りじゃ来れない距離だし会えるうちに会っとかないとな。

「まあ俺もそろそろ会いたいと思ってところだ」

「この後はどうする?」

「そうだな……案内してくれ」

「楓雅は何時までに向こう戻ればいいんだ?」

「だいたい八時ぐらいでいいかな」

「了解。なら早速行くぞ」

「おう」

 俺たちは会計を済ませ、駅に向かう。

「とりあえず浅草行くぞ」

「分かった」

 どうやら最初は浅草に行くらしい。

「じゃあ時間あんまりないからちょっと急ぎ足な」

「そうだな。八時までに向こうに着きたいから、七時には東京を出ないとだな」

「だいたいそんなもんだな。じゃああそこから電車乗るぞ」


 その後、俺は裕太に言われるがままに付いて行き、東京観光を楽しんだ。


「今日はありがとうな裕太」

「こっちこそ」

「じゃあまた次会うのは……いつになるだろうな」

「お互い受験だしなぁ」

「また気が向いた時に適当に会うか」

「そうだな。それぐらいのほうが気軽でいいわ」

「じゃあ俺そろそろ行かないと奈希に怒られるから」

「お、束縛か?」

「いや、そんなんじゃないから安心しろ」

「はは、そりゃよかった。じゃあまたな」

「おう」

 俺は裕太に手を振り、東京駅を後にした。


 ◇ ◇ ◇


「奈希~ただいま」

「おかえりー!」

 俺が帰って来るやいなや、走って飛びついてくる。

「けっこー遅かったね?」

「色々案内してもらってたんだ」

「唯一の男友達なんだし、大事にしなよ?」

「言われなくても」

「それと、私のことも大事にしてよ?」

「当たり前だ」

「……」

「あ、ちょ、ちょっと痛い痛い」

 奈希の抱きしめる手がすごく痛い。

「まだ離さないよ」

 どうやら俺はまだ抱きしめられるらしい。

「ちょっと奈希、そういうのは島に帰ってからにしなさい」

「わっ!?お母さん!?」

「楓雅くんも嫌なら言うのよ?」

「別に嫌ではないので……」

「そう?ならいいんだけど。孫の顔を見るのももうすぐかしらね~」

「いや子ども作りませんから!」

 行ってしまった。

「明日までお預けだね」

「だな」

 別に俺は我慢してるとかじゃないんだけどな。

「お母さんもお父さんもご飯用意してくれてるみたいだから下降りよっか」

「お礼言わないとな、また」

 宿まで用意してくれてありがたい限りだ。


 夕食後


「もうそろそろ寝る時間だね」

「そうだな。じゃあ俺は先に部屋で寝かせてもらおうかな」

「え、もしかして私と別の部屋で寝ようとしてる?」

「だって昨日、その、いろいろとあったから」

「今日は大丈夫だよ!多分」

「多分、な」

「ほら、行った行った!」

 奈希に押され俺は寝室へ入る。

「今日はマジで何もしないからな」

「別にされても良いけどね」

「ちょっとは抵抗なりなんなりしてくれ」

「まあいいや。ほら、寝るよ」

 奈希がベッドへ入って手招きしてくる。

「俺たちは新婚の夫婦か」

「実質そうでしょ。ほら、はーやーく!」

「はいはい」

 俺は言われるがままにベッドに入る。

「じゃあ、おやすみ楓雅」

「おやすみ」

 本当に困ったやつだ。恋人になってからずっとくっつきっぱなしだ。

 ……ってもう寝てる。めっちゃすやすやと。

 俺も寝よう。起こしたら悪いしな。



 結婚したらこんな感じなのかな。いや兄妹で結婚はできないか。

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