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プロローグ

作者: 簾目 綴

 初投稿です。先ずは私の作品を目にとめていただきありがとうございます。本作品は『全ての物語に繋がるプロローグ』をテーマにして書いたものです。もし私の作品を読んで少しでも続きを読んでみたいと思って下さる方がいましたら、ぜひこれからもこの私、簾目すだれめ つづりをよろしくお願いいたします。

 ここは、どこだ?

 周りはどこを見ても真っ暗なのにそこに空間が広がっているのが分かる。自分は確かにここに存在していて、暗闇が遠くまでよく見える。

 ここは、覚えがある。いつも何かが始まる前はここに来るんだ。

 「誰?」

 っ!?

 後ろから声がした。さっきまで何もなかったはずの空間から確かにしたのだ、よく通る高い声が。

振り返るとそこには長髪の女がいた。年は十代後半から二十代前半といったところだろうか。身長は155~160cm程で癖のついた髪が腰まで伸びている。明かりなどどこにもないはずなのにその女の容姿を把握することができた。

 状況を吞み込めずにいると目の前の女が口を開いた。

 「...あぁ」 

 「まぁ、一旦座りなよ。」

 え?

 腰掛けていた、背もたれのある安楽椅子に。何処から出した?座れと言ったのか?どこに?

 疑問が増えていくほど自分の顔にははてなが浮かんだのか、その女は何を言うでもなく自分の足元を指さした。

 そちらに目を向けると、一脚の丸椅子が用意されていた。

 何が何だか分からないまま用意された椅子に腰掛ける。何故いきなり椅子が現れたのか?頭上の疑問符は増えるばかりで、自分の脳みそは疑問を一つ一つ理解しようと咀嚼するが結局のところ一つも嚙砕くことは出来ず、無意識に答えを求める視線を目の前の女へ送っていた。きっとこの女は自分の疑問に全て答えてくれるはずだと思っていた。しかし再び開かれた女の口から出たのはこの意味不明な状況の説明などではなく...

 「物語の登場人物になるって、何だか不思議な感じがするね。」

 物語?登場人物?

 「これが記念すべき初めてのプロローグか、書籍化はするのかな?」

 プロローグ?書籍化?

 目の前の女は自分の疑問を解消するどころか、どんどん言動が意味不明になっていく。

 「私の教え子の作品なんだ。私としてはぜひ最後まで見てくれると嬉しいな。」

 教え子...作品...

 ...作品。

 その言葉だけ妙に引っかかった。

 ここに来た時から。いや、もしかしたら最初からここにいたのかもしれない。さっきからずっと感じているこの気持ちは...

 「好奇心。」

 そんな名前だった気がする。

 「さぁ、そろそろ始まるよ。」

 「静かに。」

 その直後、辺りは火の海となり、物語の幕を燃やす。

 私の初投稿作品『プロローグ』をご愛読下さりありがとうございます。いえ、もしかすると作品は最後まで読まずにまえがきとあとがきだけを読んでくださっている読者の方々もいるかもしれませんね。

 ともかくこのあとがきを読んでくださりありがとうございます。

 本作品では登場人物は二人しか登場人物しておらず終始訳の分からない状況が続きますが、ここで重要になってくるのが主人公の正体です。ここは読者の皆様の解釈を尊重したいと思います。様々な考察をしながらお楽しみ下さい。まだ全部をお話しすることはできませんが、書ける範囲で本作品の解説をしたいと思います。(少し長文かもしれません)

 まずこの物語は主人公の一人称視点から始まります。主人公の目の前には真っ暗な光景が広がっており。暗闇の中で一人の女性と出会います。その女性はこの何もない空間で椅子を用意したり、訳の分からない言動を繰り返したりします。挙句の果てにはまるで自分が物語の登場人物であることを自覚しているような発言をする始末。この女性が何者であるのか。それはこの空間がどのような場所であるのかということと関係します。他には主人公についてですね。皆様は主人公の発言には括弧がついていないのに気づきましたか?主人公はなんと終盤の台詞の一言以外喋っていないのです。それ以外はしゃべることができなかったと言った方が正しいでしょうか。主人公は本来物語の中では話すことが出来ない立場にいます。ただ、最後に主人公が伝えたかった気持ちを作者である私が干渉したことによって伝えることができるようにしたというわけです。これから何が始まるのかという焦燥感に胸を膨らませる主人公の正体とは一体何なのでしょうか?

 本作品における謎は、一、主人公の正体 二、女性の正体 三、この空間の正体 の三つになります。この作品の謎はこれからの作品にも言及されますのでぜひ考察等お楽しみください。

 最後に、幕を開けるや上げる、ではなく幕を燃やすという表現についてですが、これは幕を閉じるかどうかということに関係します。幕は上がれば必ず下りるものだと思います。ですが幕が燃えてしまってはどうでしょうか?これはもう下りない幕、即ち終わることのない物語を暗示しています。勿論私の物語に終わりがないと言っているわけではありません。私が生きている以上物語に終わりは必ず来ます。ですが、この作品は全ての物語に繋がるプロローグをテーマにしています。そう言われれば幕が燃えるという表現も多少納得をしてもらえるのではないでしょうか?

 長文になりましたが、ここまで読んでくださった方が一人でもいらっしゃったのなら私は嬉しい限りです。繰り返しになりますが本作品に触れていただき本当にありがとうございました。

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