6話ー魔法界のお尋ね者と世栄玲奈。そして懐かしいラジオ。
深夜の一般界の公園。
二人の怪しい女性がいた。
その女性達は、ラジオに何やら呪文を唱えた。
すると、ラジオから巨大な怪物が現れた。
とある女性はその瞬間を目撃してまう。
思わず「ひゃっ」と声が出てしまった。
すると、見た目が子供な女性が近づいてきて、「悪く思わないでね?お姉さん」と言って女性は射殺された。
朝が来て世栄玲奈はお店を開ける。
お店が暇だったので新聞を読む世栄玲奈。
世栄玲奈は驚く。
ここの近くの公園で女性が何者かに殺されていたのである。
世栄玲奈は胸騒ぎがした。
原本の方の修理依頼契約書を見た。
アラベル・クエンと書いてある。
世栄玲奈はピンと来た。
死神のクエン!!!!
そうだ、あの子供は死神のクエンで他人の魔法で特にラジオの魔法石に込められた魔法から爆弾を作り出す魔法界のお尋ね者だ…。
世栄玲奈は「なんで気づかなかったんだよ…」と言った。
3000ラクスも魔法石に込めてしまったので、魔物もラジオから出せる状態であった。
世栄玲奈は「しまった…」と言って頭を抱えた。
ここの近くの公園であった怪獣騒ぎはきっとそれだろうと、世栄玲奈は思った。
世栄玲奈はアラベル・クエンこと死神のクエンを慌てて捜す。
その頃、死神のクエンは魔法界へと戻らずに一般界で魔物を出して、都市を破壊するテロ攻撃を計画していた。
アラベル・クエンは言う。「我は死神のクエンなり!!!今から魔物を出して街を焦土にする!!!」
そして、魔法ラジオを出した。
アラベル・クエンは呪文を唱えて魔法ラジオから大きな魔物が出てきた。
街は我先に逃げ出す人や、魔物に拳銃で銃弾を撃ち込んで魔物を倒そうとして返り討ちに遭う警察官。
そこに麗しき銀髪の女性が来て言う。「魔物よ!!!私が相手だわ!!!」
その女性は魔法を使って、魔物の心臓一突きにして魔物を破壊した。
世栄玲奈は怪獣騒ぎのある、駅の中心地へ来た…。
そこに居たのは東花海だった。
世栄玲奈は言う。「花海さん…何をしてるのですか…」
東花海は驚いた様子で「何で私の名前を知ってるの…」と言った。
世栄玲奈は「僕は斗南華に助けてもらった世栄玲奈です。色々あって、挨拶が遅くなってしまいましたが…」
東花海は事態を理解したようで「あなたが玲奈さんね…。今日、一緒に食事にでも行きませんか?」と言う。
世栄玲奈は「よろこんで、行かせていただきます」と言った。
世栄玲奈と東花海は一緒に近くのお食事処に行った。
世栄玲奈は「本当にごめんなさい…」と謝る。
東花海は「何で謝るの?」と理由が分からない様子だった。
世栄玲奈は「あの魔物、僕が修理した魔法ラジオから出た魔物なんです…」と言う。
東花海は「魔法石に込められた魔力って基本的に取り出せないと思うけど…」と言う。
世栄玲奈は「魔法界には異端と言われる、死神がいてその死神は魔法石。特に魔法ラジオの魔法石から爆発するエネルギー作って時限爆弾にしたり、今回のように魔物を作ったり本来は出来ない禁忌の魔法を使えるから死神って言われるのよ…」と事情を説明した。
東花海は「なるほどね…。それで謝ったということね」と納得してくれた。
その頃、アラベル・クエンと使用人は喧嘩をしていた。
アラベル・クエンは「私は魔法界でも魔物を出すためにもう一個、ラジオを直してもらうわ」と言う。
使用人の女性は「世栄玲奈は既に気づいているので、もう直してもらえないと思います」と言う。
アラベル・クエンは「行ってみなきゃ分らないじゃん」と言って聴かなかった。
使用人はアラベル・クエン連れて、しぶしぶ世栄玲奈のラジオ修理工房へと行った。
しかし、世栄玲奈はお店に居なかった。
世栄玲奈はお店に帰ってきた。
アラベル・クエンはお店の前でずっと待っていたらしく、「ずっと待っていたのよ…」と言う。
世栄玲奈は「ラジオの魔力を悪用するなら、ラジオは直せません」と言う。
アラベル・クエンは「悪用とは人聞きが悪い」と言う。
世栄玲奈は「現に何人もの一般界の住人が死んでる。それを悪用と言わずして何という!!」と吐き捨てて、お店に入った。
アラベル・クエンは使用人の女性に対して言う。「玲奈を生きて捕らえてラジオに魔力を詰めさせなさい!!どんな手段を使って良いわ」
使用人の女性は「仕方ありません…」と言い、世栄玲奈のお店に入っていった。
世栄玲奈は言う。「あなたたちのラジオは直さない。何度言ったら分るんだ!!」
アラベル・クエンの使用人と思しき女性は不意打ちで魔法を放った。
世栄玲奈は結界を張り、アラベル・クエンの使用人と思しき女性を取り込んだ。
世栄玲奈が張った結界なので、世栄玲奈に対して有利な魔法の働きによって、アラベル・クエンの使用人と思しき女性は少し戦っただけで息が切れてしまう。
世栄玲奈はまだまだ余裕のある様子だった。
世栄玲奈は「死ぬ前に引くのも利口なやり方です」と言う。
アラベル・クエンの使用人は「お嬢様のために死ねるなら本望です」と言った。
使用人は一人しか連れてきていない用なので、後先は考えていないようだった。
世栄玲奈は「お嬢様と呼ぶ割には一般界に一人残していくんですか」と少し苦笑して、アラベル・クエンの使用人を満身創痍にした状態でお店の外に追い出した。
アラベル・クエンの叫ぶ声が聞こえる。
世栄玲奈はそれを聞かなかったことにした。
アラベル・クエンはお店に入ってきて言う。「よくも私のメイドをいたぶってくれたわね…」
世栄玲奈は「正当防衛の為には仕方ありません」と冷めた感じで言う。
アラベル・クエンは「死んだら、どうするつもり?」と世栄玲奈に詰め寄る。
世栄玲奈は「死なない程度に痛めつけてあるので、問題はない」と答えた。
アラベル・クエンは言い返す事が出来ない。
世栄玲奈は言う。「用事が無いなら帰った帰った」
アラベル・クエンはチッと舌打ちをして、使用人ともに店から離れていった。
お店に斗南華が入ってきた。
斗南華は開口一番に言う。「災難だったね…」
世栄玲奈は「本当に…。もう、お店に来て欲しくないけど…」
斗南華は「きっとまた来るでしょうね…今度は使用人を変えて…」と言った
世栄玲奈は「え?また来るの…。もう勘弁して…」と言った。
世栄玲奈は目を覚ます。
昨日は疲れ切って、死んだように寝ていたことを思い出した。
世栄玲奈は体を起こして、身支度をする。
そして、いつも通りの時間にお店を開けた。
世栄玲奈はあくびをした。
今日はお店の前をあんまり人が通らない日だった。
すると、一人の男性がやってきた。
世栄玲奈は「いらっしゃいませ」と答える。
その男性は「魔法ラジオを修理を頼みたいのですが…」と言って三台のラジオをカウンターに置いた。
世栄玲奈は不思議に思った。
その男性の訛りは一般界ではあまり見られない魔法界の訛りだったのだ。
しかも、3台も一気に依頼するのも不思議すぎる。
世栄玲奈は言う。「君、訛りが魔法界の言葉だけど…、魔法界の人?」と聞いてみる。
その男性は、はぐらかすように「いやぁ、そんな風に聞こえたかな?魔法界に近いところに住んでいる所為かもね?」と言う。
世栄玲奈は業者だと言う、可能性の賭けてちょっと高めに値段を言うことにした。
「魔法石の故障だと1台あたり3万リベルは掛かるけど、問題ないかな?」
その男性は迷いながら、「ちょっと電話してきます」と言った。
5分くらい経っただろうか?
その男性が戻ってきた。
そして言う。「修理をお願いします」
世栄玲奈はアラベル・クエンの手先だと思ったので、ルビーに込める魔法を1000ラクスくらいに落として1000ラクスの魔法石を作った。
それでも通常使用なら10年は持つ。
世栄玲奈はすぐにラジオ直して待っていた男性に言う。「受信テストしていきますか?」
男性は「別にテストはしなくて問題ない」と言った。
世栄玲奈は直ったラジオを男性に渡した。
その男性は「ありがとう」と言って9万リベルをポケットからカウンターに置いてそのまま店を飛び出していった。
次の日、昨日ラジオを修理に持ってきた男性が同じラジオを再び持ってきて言う。
「どういうことなんだ!!!魔法が全然入ってないではないか!!!」
世栄玲奈は冷静に「ラジオから魔物とかを出されても困るので、あえて普通の魔法ラジオ程度の1000ラクスにいたしましたけど、普通のラジオとして使うのであれば10年は補充しなくても問題ありません」と答えた。
その男性は「頼む、俺が一般界に亡命出来る最後のチャンスなんだ…。あのお方の願いさえ叶えれば…」と懇願をする。
世栄玲奈は「そんなことを言われても、死神のクエンに協力することは出来ません。なのでお引き取りを願います」と言う。
その男性は「人でなし!!!」と叫ぶ。
世栄玲奈は人でなしは、死神に飼い慣らされたあなたな方では?と思ったが、それは言わずに、ラジオを持った昨日の男性に帰るように促した。
ずっと、その男性は「人でなし!!!!」と叫んでいたが世栄玲奈は警察を呼んでそのままその男性を店から排除した。
斗南華がお店の戸を開けた。
斗南華は言う。「ずいぶんと疲れた顔をしているけど…どうしたの?」
世栄玲奈は「亡命権を餌に死神のクエンが魔法界の一般人を釣って、ここに送り込んできたからさぁ…。警察まで呼ぶ羽目になったんだよ…」
斗南華は「それは災難ね…」と言った。
そして、斗南華は鞄から古い魔法ラジオを取りだした。
世栄玲奈は「RD-1280CFじゃん、懐かしいし、昔欲しいって言ったけど買ってもらえなかった奴だ」と言った。
斗南華は「これ、直せる?」と言う。
世栄玲奈は「もし魔法石の故障だったら、これはダイヤ型のルビーのサイズが一般的な魔法ラジオの魔法石より小さめだから、石を頼みなおさないといけないから、ちょっと高くはなると思うけど、直るとは思うよ?」と答えた。
斗南華は「ちょっとってどれくらい?」と聞いてきた。
世栄玲奈は「RD-1280CFがあんまり出回ってる機種じゃないし、ダイヤ型のルビー頼むとき三つとか小ロットになるから2万リベルから3万リベルは掛かってしまうかなー」と答える。
斗南華は「分った。直すわ」と言う。
世栄玲奈は「ありがとうございます」と言う。
斗南華は「3万リベルでもほぼ原価に近いんだから、無理はしないでね?」と言う。
世栄玲奈は「言わなかったけど、気づいてましたか…」と答えた。
世栄玲奈はRD-1280CFのネジを緩めて蓋を開けた。
魔法石は存在したが、魔力が安定しないので寿命だった。
世栄玲奈はRD-1280CFに装填された小さめの魔法石を取りだし採寸をして、いつもの人工ルビーを切り出してくれる会社にデータを送って3つだけそれ用の人工ルビーを頼んだ。
あと古くなるとどうしても傷む同調回路の様子も見た。
同調回路は完全に死んでいた。
フラックスを塗って半田ごてで同調回路を手慣れた手つきで剥がして、新しい同調回路をはんだで固定してフラックスを洗浄した。
あとは魔法石が届くのを待つだけだった。
次の日、世栄玲奈は
いつも通りの時間にお店のシャッターを開けた。
小さめでダイヤ型の人工ルビーが宅配業者によって届けられた。
あとはそれを填めるだけだった。
寸法に問題が無いことを確認してから、魔法を込めて魔法石にしてラジオにはめ込んだ。
そして裏蓋を閉めて、ネジを締めた。
世栄玲奈は斗南華に電話する前に受信が出来るか、どうかのテストした。
問題なく受信が出来たので、斗南華に電話をした。
斗南華は今日の夕方に取りに来るらしい。
斗南華は夕方というより暗くなった夜に来た。
世栄玲奈は「ちょっと遅かったけど、どうしたの?」と聞いてみた。
斗南華は「原稿を書き終わるまで出ちゃダメって言われたのよ…」と疲れた様子だった。
世栄玲奈は「同調回路と魔法石の故障だったから、3万3千リベルだよ」と言った。
斗南華は「3万3千リベル…」と言って財布から1万リベル紙幣三枚と千リベル紙幣を3枚取りだした。
世栄玲奈は「華、最近仕事の調子はどう?」
斗南華は「上司が替わってから、過酷な要求が多くて困ってしまうわ…」と言う。
世栄玲奈は「僕は自由業でよかった…」と呟いた。
斗南華は「本当にそうだよ、私もこの店で働こうかな…」と言う。
世栄玲奈は「まずは半田ごての持ち方から学んでもらおうかな?」と言う。
斗南華は「え?そこから…」と言う。
世栄玲奈は「冗談だよ」と言って笑う。
斗南華も「まぁ何だかんだ言って、今の仕事が楽しいから私はやめないから」と言い笑った。
世栄玲奈は斗南華のその姿を見て、少し安心をした。
おそらく、これが今年中だと最後のアップロードになります。
次話や番外編は恐らく年明けに以降になりそうです。
次話以降もよろしくお願いします。
あと、年明け以降に番外編も上げるので良かったらそっちも楽しみにしておいてください。
よろしくお願いいたします。