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4話ー束縛と救出-悪徳業者との戦い。

監視役の男性は服を着替えて、僕の前に姿を現した。

魔法界の軍服かつ将校の制服だった。

監視役の男性は言う。「玲奈さん、魔法界に帰る気にはなったかい?」

世栄玲奈は「僕は帰りたくありません!!!」と嘘偽り無く答えた。

監視役の男性は「そんな反抗的な態度を取られたら困るんだよ…」と言いながら、魔法で世栄玲奈の脳内に魔法界のプロパガンダを流そうとした。

その時だった、ドアが破壊されて一人の女性が入ってきた。

世栄玲奈は言う。「華!!!」

斗南華は「玲奈!!!」と言った。

監視役の男性は「面白く無いな…」と言って小銃を手にして、天井に向けて一発撃った。

そして、監視役の男性は世栄玲奈の首に小銃の先端に付いている銃剣を突きつけた。

斗南華は言う。「なんの真似!?!!今すぐ、銃剣を置きなさい!!!!」

監視役の男性は「華さん。あなたのことは知ってますよ。10年前に王家の出身でありながら魔法界を裏切った」と言った。

斗南華は「玲奈を解放しなさい!!!」と言う。

監視役の男性は「私とね、あなたでは世栄玲奈に対する物理距離が違う」と言う。

斗南華は「それがなんていうのよ?」と言った。

監視役の男性は「あなたが魔法を使った瞬間、私は迷い無く世栄玲奈を斬首するであろう」と言ったのだ。

斗南華は「魔法の能力では私に敵わないからって卑怯だわ!!!」と言った。

監視役の男性は右手に銃剣を持ったまま左手で拳銃を取りだして、片手で拳銃を構えた。

斗南華はどうやって近づくか迷っていた。

魔法を使って自分の身を守ったらバレてしまうが、魔法なしで銃弾を避けるのも至難の業だった。

斗南華は魔法を使わずに目視で銃弾を避けることにした。

魔法界の正式拳銃の装弾数は16発。

それを全部避けるくらいは 出来ると思っての判断だった。

斗南華は監視役の男性に近づいていく。

監視役の男性はバンバンと撃って弾を使っていく。

斗南華は避けながら何発撃ったか数えていた。

16発目だった、斗南華は回避が遅れて右腕を負傷した。

世栄玲奈は叫ぶ「華!!!!」

監視役の男性は「ちっ弾切れか…」と舌打ちをして、銃剣を置いて拳銃に弾を装填した。

しかし、その隙を斗南華が見逃すわけが無かった、風魔法で銃剣を遠くに飛ばす。

監視役の男性は「クソがッッッッッッ」と言いながら、拳銃を斗南華に向けて撃つが斗南華は左手で魔法陣を展開して全ての銃弾を受け止めた。

その隙に、世栄玲奈は斗南華の元へ転がり込んだ。

斗南華は言う。「あなたの負けは確実です。これ以上戦ってもお互い損耗を増やすだけなので」と言って銃弾を受け止めていた魔方陣を移動魔法にして違うところへ移動した。


そこは斗南華の家だった。

斗南華はそのまま疲れて倒れてしまった。

世栄玲奈は言う。「僕がしっかりしてない所為で…」

菅原涼太は「大丈夫だよ…。死んでないし、華はこんなくらいで死んだりしない」と言った。

世栄玲奈はありったけの回復魔法を斗南華に掛けた。


次の日、斗南華は目を覚ました。

近くには世栄玲奈が居た。

菅原涼太もやってきてた。

世栄玲奈は言う。「大丈夫?」

斗南華は「大丈夫な訳あるか!!!一応、一発銃弾受けてるからね!!!」と言う。

菅原涼太は「そこまで声を張れる元気があるなら、大丈夫そうだね」と笑ったまま行ってしまった。

沈黙の時間。

気まずい空気が流れる。


先に沈黙を破ったのは世栄玲奈の方からだった。

「どうして、あそこが分かったの…」世栄玲奈は訊いた。

斗南華は「東花海が涼太さんに電話したらしいの。そして、涼太さんが私に場所を伝えたって感じ。私も最初は疑っていたのよね…」

世栄玲奈は「今回も助けてくれてありがとう…」と照れた様子で言った。

斗南華は「玲奈は昔よりも素直になってくれた。本当に玲奈が無事で良かった…」と言った。


世栄玲奈は地下鉄に乗って自分のアパートへ帰る途中、一般界の軍人が沢山乗っていることに気づく。

世栄玲奈は、あんな事件があったから警備は厳重になるよね…。と一人納得していた。


世栄玲奈は家に帰って、鍵をしっかりと掛けて寝た。


世栄玲奈は思いのほか爆睡していたようで、お店を開ける時間がもうすぐだった。

世栄玲奈は慌てて歯磨きをして、うがいをして家を飛び出した。

そして、お店の鍵を開けていつも定位置に座ってお客を待った。


すると、お客が来た。

それはこの前、「他を当たります」と言った客だった。

世栄玲奈は皮肉を言いたくなるのをこらえた。

そして、訊ねる。

「どういった、ご用件ですか?」

その若い男性は「祖母からもらったラジオを直して欲しい。他に店に出したが症状が改善しなかった。なので…」

そう言うのをさえぎって世栄玲奈は言う。「他のお店で直らないって事は、魔法石が故障している可能性が高いので、確実に1万リベルは掛かります。それでも依頼しますか?」

その若い男性は「します…」と言った。

世栄玲奈は「じゃあ、この依頼契約書にサインしてね?」と言った。

男性はすらすらと色々な情報を書いていった。


世栄玲奈は原本をもぎ取って、控えを男性に渡した。

そして、「明後日あたりには直っていると思います」と言った。

その若い男性は「わかりました」と言い店を後にした。


世栄玲奈はラジオ受信機のネジを外して基板を見る。

魔法石があるはずの部分が空白になっていた。

世栄玲奈「またか…」と溜め息を吐いた。

まずは同調回路が正常かをテストするが同調回路は死んでいた。

世栄玲奈は「あの時はたぶん同調回路が死にかけて居たんだろうな…」と言いながら、新品部品を出して壊れた古い同調回路を外して、新しい同調回路へと付け替えた。

そして、円柱状に切り出された人工ルビーに魔法を込めてラジオ受信機へとはめ込んだ。


依頼品の魔法ラジオは直った。

しかし、疑問が残った。

何処の業者がまだ使える可能性のある魔法石を抜いたかだ。


気になったので夕方、依頼主へ電話をした。

「もしもし…」と聞こえたので世栄玲奈は「ラジオ修理工の世栄と申しますが依頼品のラジオが直りました。あと、前修理したときどこの業者に頼まれました?魔法石がごっそり欠品していたので魔法石装填と同調回路修復で1万3千リベルですね」と言った。

依頼主は「分かりました…」と言って電話を切った。

しばらくして、依頼主が来た。

1万3千リベルを用意して。

依頼主の若い男性は言う。「魔法石がごっそり欠品ってどういうことですか?」

世栄玲奈は「まぁ、たまに悪徳業者というか、魔法石は使える状態かそうで無いか、一般人は見分けられないので…。それを分かった上で魔法石だけ抜いて修理完了って言う業者がいるんですよ…。僕が見た中では2回ありました」と言う。

世栄玲奈は「あと、同調回路の方が壊れていたので、おそらくもしかしたらですけど…魔法石は無事だった可能性もあります。今となっては、なんとも言えませんが…」と言った。

その若い男性は「もう、後の祭りだって言うのですか…」と言う。

世栄玲奈は「そうですね…」と答えた。

世栄玲奈は「どこの業者に頼みました?この近くだったら、どんな業者か見たいので…。教えてくれませんか?」と言う。

その若い男性は「ここの近くの雑居ビルに入る、ラジオ修理業者だったと思います」と教えてくれた。

世栄玲奈はここの近くにラジオの修理業者がある事を初めて知った。


営業時間が終わってお店のシャッター閉める直前だった。

斗南華が慌てた様子でお店に滑り込んできた。

斗南華は言う。「玲奈ちゃん。私もラジオの修理を頼んでいい?」

世栄玲奈は「明後日にして下さい。今日は閉店なんで」と答える。

斗南華は言う。「明日の仕事で使うの。何とかならない?」

世栄玲奈は「なんともなりません」と言いシャッターを閉めた。

斗南華「ケチー」と言いながら帰っていた。

世栄玲奈は魔力の抜けた魔法石が装填された古い魔法ラジオを持ち出した。


次の日、世栄玲奈は自分のお店近くの雑居ビルにいた。

噂のラジオ修理業者がどんな腕なのか調べたくなったのだった。

その業者は2階にあった。

世栄玲奈は戸を開けた。

「いらっしゃい」とカウンターに座った受付の男性は言う。

世栄玲奈は「魔法ラジオ直して頂きたくて…」と客を装った。

カウンター座る男性は言う。「魔法石の故障だと、8000リベル程度掛かるけどいいかな?」と言う。

世栄玲奈は「相場よりちょっと安いんですね」と言った。

カウンターに座る男性は「そうだね。独自ルートで仕入れているからね?」と答えた。

世栄玲奈は続けて「このラジオ。ちょっと古いのでダイヤ型の魔法石がはめ込まれているのですが…。それでも8000リベルですか?」と訊いてみた。

カウンターに座る男性は「ダイヤ型の魔法石?そんなのラジオには入れられないハズだが?」と言う。

世栄玲奈は「あれ?魔法ラジオにお詳しいんじゃないんですか?70年代以前の魔法ラジオは高級品でしたから、受信性能より豪華な装備が好まれた。なのでダイヤ型の魔法石がラジオにも組み込まれた。魔法ラジオに携わるモノ常識では?」と言う。

騒ぎを聞きつけたのか、奥から店長らしき人が出てきた。

世栄玲奈は「初めまして。世栄玲奈です。僕は魔法ラジオの修理で生計を立てています」と挨拶と自己紹介をした。

店長はと思しき男性は「今日は帰ってくれないか?」と言う。

世栄玲奈は「僕が預けたラジオを返してくれるのなら、今すぐ帰りますが?」と言った。

店長と思しき男性はすごく嫌そうな顔しながら、「これがお前の預けたラジオか?」と言って預けたラジオをドンとカウンターに置いた。

世栄玲奈は「お客をお前呼ばわり…」と言い、そのままお店を飛び出した。

そして、自分のお店に帰って預けたラジオ分解した。

魔法石は幸い抜かれてなかった。

世栄玲奈は「あの店、ラジオに愛着も何も無さそうよね…」と言い溜め息を吐いた。

世栄玲奈は人工ルビーを円柱状に切り出してくれるいつもの業者に電話をした。

そして、ダイヤ型の人工ルビーをいくつか仕入れておくことにした。


次の日。

世栄玲奈はいつも通りの時間にお店を開けた

お店に一番乗りで来たのは斗南華だった。


斗南華は言う。「ねえ?今日こそは直してくれない?私のラジオ」

世栄玲奈は「あぁ、直すよ」と答える。

斗南華は「あっさり直すのね?一昨日は何があった?」と訊いてきた。

世栄玲奈は「悪徳業者の敵陣を視察しに行く為に忙しかった」と素直に答えた。

斗南華は「居るよね…。そういう業者ね…」と言った後に視線を感じて「決して玲奈の事を疑っている訳じゃ無いからね?」と言った。

しばらくすると、お店のドアが開いた。

いつも人工ルビーを宅配してくれる宅配業者だった。

宅配業者の男性は言う。「ダイヤ型との受注らしくいつもとカタチが違うそうですが、問題ないですか?」

世栄玲奈は「いつもありがとうございます。僕がその形でと頼んだので問題は無いですね」と受け取りのサインを書いた。


斗南華は言う。「ダイヤ型の魔法石も入れるようになったんだ…」

世栄玲奈は「あんな悪徳業者に負けたくないのでね…。どんなラジオでも直せるようにね?だから古い型でよく使われるダイヤ型も仕入れたって訳」

斗南華は「頑張れ~」と言ってくれた。

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