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15話ー災難を運ぶ

世栄玲奈はいつもの時間に工房のシャッターを開ける。

すると待ってました言わんばかりに一人の少女が入ってきた。

その少女は「ねーねーお姉ちゃん魔法ラジオは直せるの?」と訊いてきた。

世栄玲奈は「僕に直せないラジオは無いんで」と答える。

その少女は「このラジオって直せる?」と聞いてきた。

典型的な古い魔法ラジオだ。

世栄玲奈は「直せるけど、魔法石の故障だと1万1000リベルくらい掛かっちゃうよ?たぶん、これはダイヤ型の魔法石のモデルだから…」と言う。

その少女は「え…、そんなにお金無い…」と泣きそうになっていた。

世栄玲奈は心を鬼にして「お金が無いのなら直せません」とはっきり言った。

その少女は「バイトでも何でもしますから…」と言う。

世栄玲奈は「あいにく一人で間に合っていますんで…」と答えた。

その少女は「ケチ…」と言って、そのまま帰って行った。

世栄玲奈は「はぁ…」と溜め息を吐いた。

あいにく工房に来ないか?と誘った真鍋田さくらは最近、大学を卒業して普通に就職したので、玲奈の工房に来ることは無かった。

世栄玲奈は「まぁ、こういう日もあるさ…」と言って椅子でふんぞり返った。

すると、次のお客が来た。

世栄玲奈は慌てて姿勢をただして「いらっしゃいませ」と言った。

その男性は「コレ直らない?」と言って出してきたのは小型の電子辞書であった。

世栄玲奈は「パーツがあれば直ると思います」と言い、電源を入れようとしてみた。

充電のコードを挿したのに、通電すらしなかった。

世栄玲奈は言う。「これは買い換えた方が早くて安いかもしれないです」

その男性は「いや、コレを直してもらいたい。お金は払うから…」と言う。

世栄玲奈は「その言葉、信じて良いんですね?」と言う。

その男性は「あぁ、信じてもらって構わない」と答えた。

世栄玲奈は「ただ、こういうのはラジオよりは苦手なので絶対に直るとは保証は出来ません」と言った。

その男性はは「それでも構わない」と答えた。


世栄玲奈は預かった電子辞書を分解していった。

そして、テスターを当てて異常が無いか見ていく。

おかしな挙動をするチップコンデンサがあった。

同じ容量のチップコンデンサと貼り替えて起動するか確認をした。

問題無く、通電して起動するようにもなった。


世栄玲奈は夕方になってから、電子辞書を依頼した男性に電話を掛ける。


「もしもし、真志田です」と男性は答える。

世栄玲奈は「真志田芳裕さんの携帯でお間違いないですか?」と言う。

真志田芳裕は「はい、そうですが」と答える。

世栄玲奈は「電子機器の修理をしています、世栄と申します。修理をしていました電子辞書が直りましたので、連絡をさせて頂きました。ご都合のよろしいときまた取りにいらしてください」と言う。

真志田芳裕は「代金はいくらですか?」と言う。

世栄玲奈は「簡単な修理でしたので1000リベルで大丈夫です」と答えた。

真志田芳裕は「今日の夜に取りに行きます。何時まで開いてますか?」と言う。

世栄玲奈は「20時まで開いてます」と答えた。

真志田芳裕は「わかりました。今日中に取りに行きます」と言って電話を切った。

真志田芳裕は19時16分来た。

世栄玲奈は言う。「お待ちしておりました」

真志田芳裕は財布から1000リベル紙幣を取り出した。

世栄玲奈はそれを受け取り、真志田芳裕に直った電子辞書を見てもらった。

真志田芳裕は感動した様子で、今にも泣きそうだった。

そして、それを大事そうに鞄にしまってお店を後にした。

世栄玲奈は「またのお越しをお待ちしております」と言いドアを閉めてお店を閉める準備に取りかかった。


世栄玲奈は20時になったのでレジスターから金庫にお金を移して金庫に鍵を掛けて、お店のドアに鍵を掛けて、シャッターを閉めてシャッターにも鍵を掛けた。

そして、お店を後にして家に帰るために地下鉄に乗った。

地下鉄はかつてのような軍人だらけといった光景は無く、普通の乗客だけだった。

世栄玲奈は列車から降りて、定期券で改札を出て階段を上って地上へと出た。

そして、家に帰った。

世栄玲奈は虚空に「ただいま」と言って、ソファーに寝転んだ。

世栄玲奈は冷蔵庫いれてあった食品を温めて食べる。

そして、お風呂に入ってから布団に入った。

いつも通り朝に目覚める、世栄玲奈。

いつも通りに用意をして、いつもの時間の地下鉄に乗った。

お店の鍵を全て解錠してからお店の定位置に座った。

そして、お客を待った。


お客が全然来ないまま、お昼になった。

世栄玲奈は一旦お店を閉めて、近くのお店でお昼ご飯を食べてから、お店に戻った。

お店に誰か来た様子は無かった…。

世栄玲奈は「今日も誰も来ないかぁ…」と言って、椅子でふんぞり返った。

世栄玲奈はPCで現金の出納表を作っていく。

世栄玲奈は焦っていた。

今期は初めて赤字になりそうだったからだ。

お店を外から覗いている、子供が居た。

世栄玲奈はお店のドアを開けて言う。「どうしたの?このお店になんか用?」

その小さい女の子は突然泣き出した。

世栄玲奈は困惑しながらも、小さい女の子の頭を撫でる。

しばらくして、女の子が落ち着いてから世栄玲奈は聞く。

「君、名前は?」

その小さい女の子は「私は姫路怜奈って言うの」と答えてくれた。

世栄玲奈は「姫路怜奈って事は、うちの向かいの姫路電材の姫路さんかな?いつもお世話になっています」と言った。

その小さい女の子は「そう、姫路電材の一人娘よ」と言った。

世栄玲奈は「姫路電材のお店まで送っていこうか?」と言う。

姫路怜奈は「それはやめて」と答えた。

世栄玲奈は「なんでかな?パパやママが心配しないか?」と言う。

姫路怜奈は「パパとママ。三日も帰ってこないの」と言った。

世栄玲奈は何かがおかしいと感じて、姫路怜奈を連れて道の向かいにある姫路電材へと行く。

姫路電材は儲かっていることで有名だった。

しかし突然、かき入れ時に「1週間の休業をする」と貼り紙をして接客もぶっきらぼうになった。

姫路電材の前に着くと、姫路怜奈はぐずり出す。

いくら、チャイムを鳴らしても無人なのか誰も出てこない。

世栄玲奈は困り果てた。


とりあえず、一旦、姫路怜奈と一緒に工房に戻って姫路怜奈から話を聞いた。

世栄玲奈は言う。「怜奈ちゃん。お父さんやお母さんが居なくなる前の心当たりとか、行きそうな所とか、思い当たる所はない?」

姫路怜奈は「3人で魔法界に引っ越さないか?とパパに言われたけど、私が嫌だって言ってから、パパもママもおかしくなってしまって…」と言葉が詰まって、そのまま泣き出した。

世栄玲奈は在川浩二の直通携帯電話に電話を掛ける。

在川浩二は「ごめん、今めっちゃ忙しいのだが…」と第一声がもしもし、とかでも無くそう言う。

世栄玲奈は言う。「ごめん、こっちも緊急」

在川浩二は「いいよ、それで要件は?」

世栄玲奈は「一般界からの移民で、魔法界に姫路圭介と姫路愛海が入国してないか、調べて貰える。もちろん、正規の国境を介して無いのも含めて」と言う。

在川浩二は「こっちも暇じゃ無いんだけどね…。まぁいい。やっておくから…。それでなんでそんなこと聞くんだい?」

世栄玲奈は「ここにその娘さんが助けを求めに来て、魔法界が絡んでいそうな感じだったから。一人で調べるのも限界があるし…、あと魔法界とは喧嘩別れしたも同然だから…」と答えた。

在川浩二は「わかった。緊急ぽいからこの仕事。部下に振っても良いかい?」と言う。

世栄玲奈は「わかった。それでも構わない」と答えた。

在川浩二は「3-4日以内には、部下をそちらの営業時間内に向わせる」と言った。

世栄玲奈は「ありがと。じゃあ、それで」と言い電話を切った。

姫路怜奈は「誰と、電話してたの?」と聞いてきた。

世栄玲奈「あぁ、それはね。お客さんと電話してたんだよ」と言う。

嘘はついてない。

姫路怜奈は「ここってお客さん来てるの?」と聞いてきた。

世栄玲奈は「最近でこそ少ないけど、昔はそこそこ来てて儲かったんだよ」と言った。

世栄玲奈はとりあえず、姫路怜奈を家に一緒に連れて帰った。

姫路怜奈は聞いてきた。「世栄のお姉さんって、下の名前なんて言うの?」

世栄玲奈は「僕の下の名前は玲奈だよ」と言った。

姫路怜奈は「女の人なのに僕って言うの?」と聞いてきた。

世栄玲奈は「昔からの癖だ気にするな」と答えた。

世栄玲奈は姫路怜奈を自分のベッドに寝かして自分は、ソファーでノートPCを開きながらそのまま寝落ちした。


世栄玲奈は姫路怜奈に起こされた。

朝の7時だった。

いつもより30分は早い起床になってしまった。

世栄玲奈は最近知ったインスタントコーヒーを自分用に淹れるためにお湯を沸かした。

姫路怜奈には紙パックのりんごジュースを用意した。

姫路怜奈は言う。「バターは無いの?」

世栄玲奈は冷蔵庫からバターを出して、それをナイフで切ってりんごジュースに入れた。

姫路怜奈は「ありがとう…」と言った。

世栄玲奈は「どういたしまして」と言ってコーヒーをすすった。

世栄玲奈は仕事に行く時間になった。

仕方ないので姫路怜奈を連れて地下鉄の駅に行って、切符を買わして姫路怜奈を電車に乗せた。

世栄玲奈は毎日乗るので、もちろん定期券を持っている。


世栄玲奈はいつもの要領で工房を開けた。


姫路怜奈は退屈そうだった。

なので、いらないラジオと工具を渡して分解させることにした。


しばらくして、工房の固定電話に電話が掛かってきた。

世栄玲奈は「はい、ラジオ修理工房の世栄です」と電話に出る。

電話の相手は在川浩二だった。

在川浩二は「世栄さん、たぶん今日の昼頃にうちの部下、秀島透少佐がそちらに向うと思います。なので工房に居て下さい」と言う。

世栄玲奈は「分かりました。忙しい中すみません」と言った。


世栄玲奈は姫路怜奈を連れて、近くの店に3人分の食事を買った。

姫路怜奈は不思議そうな顔をしていた。

だけど、何も聞いてこなかったので、そのまま工房に帰った。

今日もお客が来る様子は無かった。


お昼になったので、二人はご飯を食べる。

食べ終わったくらいに、お店のドアが開いた。


世栄玲奈は言う。「お待ちしておりました」

秀島透は「在川大将からの依頼で来ました、秀島透少佐です」と自己紹介をしてくれた。

世栄玲奈は「秀島さん、お待ちしておりました。それで調査の結果はどうですか?」と言った。

秀島透は資料を出して見せた。

「これが調査報告書です、国境警備隊に頼んで出して貰った正規のルートでの出入国者のリストですが…。姫路の名前がありません…」

秀島透は続ける、「国境近くの村での捜索もしましたが見つかりませんでした…、なので魔法界へ入国はしてないと考えられます」

世栄玲奈は「そっかぁ…、入国してないって事は…。振り出しに戻ってしまいましたね…」と言った。

世栄玲奈は「秀島さん、お昼をどうぞ」と言い買ってきたお弁当を渡した。

秀島透は「僕は、他の場所で食べるので大丈夫です」と言う。

世栄玲奈は「遠慮しなくて、大丈夫ですよ?」と言いお弁当を差し出した。

秀島透は「じゃあ、遠慮なく」と言いお弁当を食べ出した。

秀島透は食べ終えて「そういえば、姫路電材の店舗には行きましたか?」と聞いていた。

世栄玲奈は「行ったんですが、反応が無く鍵も掛かっていたので、中には入れなかったのですよ…」

秀島透は言う。「あれから、開店している様子は無かった?」

世栄玲奈は「はい、ありません」と言った。

秀島透は「とりあえず姫路電材に行きますか…」と言う。

世栄玲奈は「僕はついて行った方が良いですか?」と言う。

秀島透は「僕一人で大丈夫です、世栄さんは姫路怜奈さんを見ていてあげて下さい」と言って、玲奈のラジオ工房から出ていった。


しばらくして、秀島透は戻ってきた。

世栄玲奈は「どうだった?」と言う。

秀島透は「中までは入れませんでしたが…、近隣の住民は姫路電材の話を出すと急に黙り込みました」

世栄玲奈は「何かはあったみたいね…」と言った。

秀島透は「もう一度、姫路電材に行ってきます、今度は職務証を持ってドアを破壊して中に入ります」と言って、再び工房から出て行った。

世栄玲奈は溜め息を吐いた。

姫路怜奈は「どうしたの?」と言う。

世栄玲奈は「ちょっと色々と心配になっただけよ…」と言った。

結局、秀島透はドアを破壊して中に入ったらしいが、失踪の手がかりとなるような情報は一切残っていなかったらしい。

世栄玲奈は困っていた。

一番は姫路怜奈をどうするかだった。

子育ての経験も無ければ、ましてや他人の子供であるからだ。

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