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13話ー辛勝した選挙と狙われた大統領「菅原涼華」

世栄玲奈は選挙協力の件は保留にして、菅原涼華が掲げる選挙公約などを確認した。

菅原涼華陣営は「全ての人に優しく。軍の維持が治安や経済を守る」とあった。

そのうえで「仮想敵国の崩壊により大型軍備の維持は無駄と思われるかもしれないですが、それを維持する事によって数千人レベルの雇用を生み出している上、仮にそれら産業が無駄として切られたときの犯罪率が上昇すること(予想)やそれに伴う税金使用率の上昇、軍縮により職を失った人が生活保障を受けた事による税金使用率を細かくグラフ化していた」

すなわち「現状維持で回すのが最適解」だと、国民に対して訴えていた。

対する、

矢花零華の陣営は一般界の為の社会貢献の党の汚職問題を徹底追求する姿勢と、軍縮をして平和維持路線で行く方針と、軍縮で税金を節約してその浮いた分を教育充実化に充てるとしていた。

その意見に対して、菅原涼華の陣営は「軍縮で一時的に浮いた税金は、軍縮のしわ寄せで職を失った人への保障にも使われるし、それに伴い犯罪率が上昇して結局は再軍備となれば元も子もない」と訴えていた。


世栄玲奈は「やっぱり、涼華さんの方が筋が通っているし…。説得力がある…」と自宅のPCの前で呟いた。

世栄玲奈はPCを閉じて目をもんで、布団にごろんと寝転んだ。


そして、次の日。

目覚ましではなく電話の音で目が覚めた。

目覚ましより30秒早く掛かってきていた。

電話の相手は斗南華だった。

世栄玲奈は「もしもし…」と答える。

斗南華は言う。「協力してくれる?」

世栄玲奈は「うーん…、朝早いしまた今度で…」と言った。

斗南華は「じゃあ、また後で掛けるね?」と言って電話を切った。

しかし、世栄玲奈の腹は決まっていた。

菅原涼華の選挙協力をして微力ながらも力になれたら。と。

世栄玲奈は身支度をして家を出た。

お店までは電車に揺られて10分掛からない程度だった。

いつも時間、いつもの道だった。

今日は既にいつもの喫茶店は閉店してしまっていたので、寄らずにお店に行った。

そして、いつもの時間にお店を開ける。

すると携帯電話の方に電話が掛かってきた。

お客も居ないのでそのまま電話に出た。

相手は斗南華だった。

斗南華は「それで結論は出た?」と言う。

世栄玲奈は「あぁ、協力するよ…。ただ法律に違反にしない程度には報酬が貰えるんだよね?」と言う。

斗南華は「まぁ…」と歯切れが悪そうに答えた。

世栄玲奈は「え?まさかの法律的には貰えない条件に当てはまっているのか?」と言う。

斗南華は「もしかしたらなんだけど…ありえるのよね…」と答えた。

世栄玲奈は「まぁ、今回だけはタダ働きでも許すけど、次回は無いからね?」と言う。

斗南華は「そうね…。でも今回だけでも協力してくれて嬉しいよ」と言った。


菅原涼華、本人が乗る選挙カーの上で世栄玲奈は言う。「対立候補の矢花零華は軍縮で税金の無駄遣いが減ると根拠も少なく言っている。しかし、軍縮で払う方の代償の方が多いのです。ですから、菅原涼華に清き清き一票を!!!!」

斗南華は警護を担当していた。

このご時世、選挙という無防備な時が一番狙われやすかったりもするからだ。


演説が終わった後。

世栄玲奈は斗南華からお茶を渡されて「お疲れ様、今の演説良かったよ」と言われた。

世栄玲奈は「ありがとう」と言った。


そして運命の投票日。

大統領選挙では辛勝ではあったものの、菅原涼華は大統領の座にとどまった。

菅原涼華は続投演説で「この結果を受け止めて、財政の無駄。切れるところは切っていきたいと思います」と若干の政策方向を転換することを示唆した。


???「私、父さんの仇を絶対とるわ」

???「私が国賊と言われようとも!!!」


菅原涼華は地方の一般界のための社会貢献の党から出る知事候補の応援演説に駆けつける事になった。

斗南華も世栄玲奈も菅原涼華の近くには居ない日だった。


世栄玲奈は工房でラジオを付けた。


そして、新聞を広げて読んだ。

お客が全然来ないので、新聞を開いてコーヒーを飲んで。

優雅な一時だった。


ある人物が来るまでは…。

斗南華が工房に来た。

「今日はPCを直して欲しくて来たけど…、開いてる?」

世栄玲奈は「そんなすぐに壊れたの?」と新聞を畳んでPCの様子を見ようとする。

世栄玲奈はPCの電源を付けた。

デカデカと詐欺広告を出すブラウザ。

世栄玲奈はブラウザのクリーンアップした。

世栄玲奈は「これで直ったよ…、デフォルトのブラウザは古いから新しい良いブラウザ入れてブックマークも移行したからそっち使って?そっちをデフォルトにしたからね?」

斗南華は言う。「助かったー。お代は?」

世栄玲奈は「千リベルはもらっておこうかな?」と言った。

斗南華は「500リベル硬貨を2枚渡してきた」

世栄玲奈は「珍しい…。華が硬貨で支払うなんて」と言う。

斗南華は「小銭がちょうどあったの」と言って、そのままPCを持って立ち去った。

世栄玲奈は再び新聞を開いて読んでいた。

ラジオから緊急速報の音が鳴ったので、新聞からラジオの方に意識を向けた。

すると、菅原涼華が襲撃されたが護衛が守って無事で犯人が逃走した言う、速報が流れてきた。

世栄玲奈は「えぇ…」と困惑の声を漏らした…。

ふと、この前、菅原涼華が話していた真鍋田義浩の話を思い出した。

菅原涼華「汚職事件で追放した、議員が一人居る」と言ってた。

世栄玲奈は「あの人、たしか一人娘の真鍋田さくらが居たよな…?」と呟いた。

世栄玲奈は真鍋田義浩とは旧知の仲であった。

真鍋田義浩は元魔法界の帝務省出身の役人であったが、斗南清二に嫌われて出世を断念して、一般界へと亡命していた。

世栄玲奈とほぼ同時期に亡命したということもあって、お互い顔は知っていたし、そこそこ話す仲でもあった。

しかし、真鍋田義浩は汚職に手を染めるにはそれ相応の理由があっただろうが…。

世栄玲奈はそれが許される事ではないとは分かっていた。

魔法界じゃあるまいし。


世栄玲奈は気になって仕方なくなったので、お店を閉めて真鍋田さくらを探すことにした。


しかし、見つからなかった。

真鍋田義浩に電話を掛ける。

しかし、繋がらないどころか、この番号は存在しませんと言われる次第だった。

何か嫌な予感を感じた、世栄玲奈。

真鍋田さくらに電話を掛けてみた。

繋がりはするが、出てくれないようだった。

世栄玲奈は「本格的に嫌な予感がする…」と言った。

世栄玲奈は斗南華に電話をした。

斗南華は「あなたが自分から掛けてくるなんて、珍しいわね…」と言う。

世栄玲奈は焦っていた。「そんなこと良いから、本題に入る。菅原涼華があぶない狙われている」

斗南華は「それは本当の訳?」と半信半疑だった。

世栄玲奈は「真鍋田義浩はおそらく自殺した。それを逆恨みした真鍋田さくらが菅原涼華を狙っている」と言った。

斗南華は「分かったわ。ちょっと涼華の事を見てくるわ」と言い電話を切った。

斗南華は慌てて菅原涼華の様子を魔法でのぞき見した。

菅原涼華は選挙演説を終えて、車でゆっくりと資料の作成をしていた。

斗南華はとりあえず、魔法で覗くのをやめた。

あんまり覗いているとバレて、後で涼華に締め上げられるからであった。

斗南華はいつでも出掛けるように鞄に荷物をまとめた。

ノートPCと魔導具、魔法書だった。

斗南華はつぶやく「真鍋田義浩って魔法界出身で、一人娘の真鍋田さくらは一般界の奥さんとの間に生まれた子だったよな…」

「そして、離婚してシングルファーザーになったんだよな…」とつぶやく。

「魔法能力が薄まっているとはいえ、多少は魔法が使える可能性はあるから厄介ね…」

斗南華の携帯電話が鳴った。

菅原涼華からだった。

菅原涼華は焦った様子で「私の乗ってるいる車が襲われているの!!!助けて!!!」

斗南華は「わかった、すぐ向かうわ」と言い、箒に乗って菅原涼華の居場所へと向かった。

結構な距離があるので、かなりスピードを出して飛んでいく。

その分、ロスも多く魔力の消費は激しかった。

斗南華は世栄玲奈に電話を掛ける。

世栄玲奈は「もしもし!?華!?もしかして、菅原涼華の居場所に向かっているの!?」と全てを理解した。

斗南華は「ザッツライト。魔力を温存してゆっくり来るようにね?」と言った。

世栄玲奈は「分かった」と言った。

世栄玲奈は鉄道などを乗り継いで、襲撃場所へと着いた。

斗南華は既に真鍋田さくらと交戦中であった。

斗南華は苦戦している様子だった。

真鍋田さくらの手を見ると、魔法を無力化する一般界の陸軍兵器があった。

世栄玲奈は言う。「アレは私に任して…」

世栄玲奈はありったけの魔法を魔法を無力化する陸軍兵器に送り込んだ。

すると、円柱型の魔法石にヒビが入った。

斗南華も気づいたようで、それにふたり合わせてありったけの魔法をつぎ込んだ。

そして、魔法を貯めきれなくなった円柱型の魔法石はバリバリ音を立てて粉々に割れたのであった。

真鍋田さくらは「くっっっっっっっっそ」と言いながら、魔法を繰り出し高速道路の高架橋を破壊しようとする、魔法部分に魔法攻撃を加えて魔法を無力化する世栄玲奈。

その隙に真鍋田さくらを取り押さえる斗南華。

完璧な連携だった。

車から、菅原涼華が降りてきて言う。

「あなたのお父さんは、とても優秀だった。だけど、汚職に手を染めてしまった。だから、私は苦肉の策でやめさせることにしたの」

真鍋田さくらは言う。「嘘よ!!!そんなの嘘に決まっているわ。私の父が邪魔だったから排除したんでしょ?遺書も偽造したくせによく言うわ」

菅原涼華は「あなたも魔法が使えるなら分かるでしょ…。この遺書があなたのお父さん真鍋田義浩の意志しか入っていないことを。信じたくないから、こんな事をしたんだよね…」

真鍋田さくらは泣きながら「嘘だ…。嘘だ…!!!」と絶叫する。

後ろで時計を見る秘書。

秘書は言う。「そろそろお時間が本当にないので、行きますよ…」

菅原涼華は言う。「ごめんなさい…。時間が無いので私は行きます」

真鍋田さくらは泣いていた。

世栄玲奈は真鍋田さくらにハンカチを差し出す。

「誰かが泣いていたらハンカチを差し出す、雨が降って困っていたら傘を差し出せるような人間になるのが良い。今はまだ無理かもしれないが…」と世栄玲奈は言った。

真鍋田さくらは「私はどうすれば…」と言う。

世栄玲奈は「とりあえず、うちの工房に来て接客担当として働いてみない?」と言う。

真鍋田さくらは「ラジオとか詳しく無いんですけど…」と言う。

世栄玲奈は「嫌なら良いけど…」と言う。

真鍋田さくらは「少し、考えさせて下さい」と答えた。

世栄玲奈は「分かった。僕はいつでも待っているから」と言った。

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