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ようこそ!如月学校防衛隊へ!  作者: 黒波 海
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部活体験

何があったかというとそれは少し遡る……


学校が始まって一週間が経った。

この生活にも慣れてクラスで話せる人も増えてきた。

僕の望んだ高校生活がうまくいっている。

まだ一週間だけだが…。

そして、今日からは部活動の体験が始まる。

僕は中学の頃から運動などはしてきてなかった。

なので今回も文化部に入ろうと思っているが運動部も見てみようかなと思っている。


「おい、まもる〜、部活見学行こうぜ〜」


友達に声をかけられた。

彼は伊黒和人。

中学の頃からの唯一と言っていい友達だ。

高校で一緒のクラスになれたことは運が良かったと思う。

彼とは中学の入学式で初めて出会った。

クラス決めでが同じクラスになり、出席番号が三番と四番で席が隣だった。

そこで少し話したりした。

彼は僕とは違いクラスの中心にいるような、いわゆる陽キャといわれるようなやつだ。

入学式で少し話しただけだが、なぜか僕と一緒に行動したりしてくれていた。

理由はよくわからない。

中学では互いの家が徒歩15分くらいの距離にありよく遊びにいったりもしていた。

小学校が違うのは家が学区のギリギリのところにあったからだ。

一週間前の入学式の日は和人が一緒話じゃなかったのは、和人は新入生代表として朝早くに学校に来て準備などをしていたのだ。

和人は頭がよくて、入試の試験の際の勉強も手伝ってもらっていた。

僕も朝いつもより早かったが母親の注意のせいで一緒に行くことが出来なかった。

もともと一緒に行く約束をしていなかったから和人が待っていなかったというのもある。


「今行く〜!支度するからちょっと待ってて〜!」


和人に返事を返す。


「おけ、じぁあ先昇降口に行ってるわ。早く支度終わらせて来いよ」


そう言って教室を出る和人。

待っててに対しておけなのに行ってしまう…。

僕は細かいことが気になる性格だ。

そのせいでめんどくさいと言われて友達ができない原因ともなっていた、らしい。

らしいというのは直接そのことを聞いたことがないからだ。

本人と面向かってめんどくさいと言う人はなかなかいないだろう。

噂でそういうことを聞いた程度だ。


支度を済ませて昇降口へ向かう。

周りにも部活見学に行くらしい生徒が廊下を歩いている。

みんな楽しそうだ。

この人たちはなんの部活に入るんだろう。

そんなことを想像しながら歩いてたらすぐ昇降口に着いた。

対して距離があるわけではないので当たり前だ。

和人がどこにいるのか詳しく聞いとけばよかった。

下駄箱を探したが和人の姿が見当たらなかったのだ。

昇降口の外に出てわまりを見てみるがやはり見つからない。

まぁ、こういう場合は大抵先に行っているだけだろう。

和人の性格的にたぶんそうだと思う。


校庭にでる。

サッカー部や野球部の掛け声が聞こえてくる。

汗や涙、まさにその言葉が似合うような風景が校庭に広がっていた。

そばで見るとすごい迫力だ。

やはり僕が運動部に入るのは違うなと思わせる光景だった、

僕はもっとのんびりした感じで部活をやりたい。

そんなことを考えていると後ろから声がかかった。


「おーい、遅いぞ〜!先に部活見学始めてたからな」


和人だった。

遅いというが和人が教室を出てからまだ十分も経っていない。

だがそういうのにももう慣れた。

和人は自由気ままな性格だ。

だが、自由でも許されるのも和人の性格である。


「お待たせ〜、その……、すごい人気だな」


近づいてきた和人の周りには部活動の勧誘のための先輩たちがたくさんいた。

和人は勉強もできるが運動もよくできる。

中学では体力測定で満点を取って新聞に載ったりしたこともあった。

天は二物を与えずというのは嘘だと痛感する。

なんかの部活の体験ですごい成績でも出したのだろう。

もしくは新聞に載ってたりしてたのだから中学の頃から和人を知っている人がいたのかもしれない。


「あぁ、中学の頃で知り合った先輩に声かけられてな、少しやってみるかって言われたんだが……」


和人の知り合いの先輩がいたのか。

中学で先輩と話したりしたのは知っていたが他校の先輩とも知り合いだったとは…。

いや、自分が知らないだけでもしかしたらうちの中学の先輩なのかもしれない。

僕は同じ学年の人ともたいして関わってない。

だから他の学年の人を全員把握しているわけがないのだ。


「こんにちは」

「こんにちは!俺はサッカー部の二年、浜崎だ。和人の知り合いかな?サッカー部に入る気はないか?」


勢いよく挨拶が返ってきた。

この先輩はサッカー部の人だったようだ。

挨拶だけしとこうと思って言ったが部活の勧誘を受けてしまった。

まぁ、それがこの先輩の仕事なのだからしょうがないだろう。


「すみません。僕は文化部に入ろうと思うので」


失礼にならないように断る。


「そうか!それならしょうがない、また気が変わった時は声をかけてくれ」


あっさり引き下がってくれた。

こういう人は新入生を確保するために必死になって生徒を引き止めるものだと思っていたが僕の偏見だったようだ。

僕が運動に向いてないと思っただけかもしれないが。


和人と一緒に他の部活などを見てまわる。

テニス部やラグビー部などいろんな部活をを見てまわった。

この高校では珍しく乗馬部などもあった。

ほとんど僕は和人についているだけで体験はしなかった。


五時が過ぎたくらいで和人が生徒会の仕事があるからと生徒会室に行った。

新入生代表は毎年生徒会役員にならないかと声がかかる。

和人は断る理由もないと言ってそれを引き受けていた。

部活動の見学をしてたのは生徒会役員をやりながら部活もやるためらしい。

これを聞いた時に僕は驚いて自転車で転んでしまった。(一緒にカラオケに行く途中だった)


和人がいなくなったことで僕は文化部の見学に行こうとした。

和人はthe・運動部という性格だ。

だからもちろん見学、体験していたのも運動部ばかりだった。


文化部は当たり前だが校舎の中にある。

それなら和人と一緒に行けばいいと思うかもしれないが、この高校では部活棟と生徒会室がある本棟に別れている。

上から見るとL字型に見えるだろう。

部活棟には家庭科室や理科の実験室など実習をする教室などもある。

それらは主に一階にあり部室があるのは二階からだ。

今日は二階にある文芸部の体験をしようと思っている。

小説を読んだりするのは好きだ。

小学校の頃、友達が少なかったからよく本を読んでいた。

最初はやることがなく仕方なく読んでいただけだが今では本を読むことにハマってしまっていた。


文芸部の部室の前に立つ。

なんだか中が騒がしい。

何かあったのだろうか。

そう思いながらドアをノックする。

なかなか返事が来ない。

騒がしくて聞こえなかったのだろうか。

もう一度ノックをしようとしたが、それは叶わなかった。

なぜならその前に勢いよくドアが開いたからだ。

ノックしようとしてた手が空を切る。

そのままドアを開けた人にぶつかりそうになるが横に避けてくれた。


「あ、すみません」


反射的に頭を下げる。


「お?新入生か?謝る必要なんてないぞ。いきなり開けたうちも悪いんやからな」


女子の声だった。

文芸部よりもテニスなどの運動部の方が似合いそうな溌剌とした口調だ。


「はい、新入生です。今日は部活の体験に……」


頭を上げながら応えようとするが言葉が途中で止まる。

なぜなら頭を上げたことで今この教室がどんな惨状なのかが目に入ったからだ。

手前にはドアを開けた女子がいる。

赤髪のショートヘアで制服を少し着崩していた。

この高校では制服の着崩しはルール上ダメだが少しならそこまで注意などはされたりしない。

声の印象と変わらずまさに運動部といった見た目だった。

そして部室の奥の方では今にも泣きそうになって座り込んでいる新入生の女子生徒とそれを囲んでいる上級生の女子生徒が二人いた。

学年ごとに上履きのラインの色が違うから何年生かを間違えることはない。

ここで助けに入れたならかっこいいのだろうがあいにく僕にはそんな勇気はない。

僕はこの場から逃げようとした。

だがそれを察知したのかドアの前の女子生徒に腕を掴まれる。


「逃すかぁ!」


随分やる気の入った声だな。

だが相手は女子だ。

僕の方が力は上だろう。

僕は腕を振り払って逃げようとする。

だが意外に向こうの力が強くなかなか逃げることができない。


「女だからって舐めんなよ!これでもうちの握力五十はあるからな!」

「五十って、化け物かよ!」


文化部の体力じゃない。


「誰が化け物だ!うちは淑女やろ!失礼な新入生やな」


確かに初対面の人に化け物は失礼だった。

だが、


「握力が五十もある淑女があるか!そもそも見た目からして違うだろ!」


はぁ、疲れた。

こんなに大きな声を出したのは久しぶりだ。

運動も大してやってない僕はそろそろ体力の限界だ。

だがここで逃亡を諦めたりはしない。

この人たちに関わない方がいいと僕の中の警報が鳴っていた。


「僕は平穏な高校生活を送りたいんだぁ!」


最後の力を振り絞って女子生徒の腕を離そうとするが、結果はもちろん僕が握力五十の化け物(自称淑女)に勝てるわけがない。


そうして僕はこの教室の椅子に縛り付けられたのだった。

教室では新入生の女子生徒の尋問が続けられている。(新入生の顔を見るともう尋問にしか見えなくなった)


「あの、一応聞くんですけどここって文芸部の部室ですよね?」

「せやけど、それがどうかしたん?」


もしかしたら教室を間違えたと思い(願い)確認を取るがその答えは無慈悲なものだった。

確かに本の山やペンなどが入ってる引き出し(棚にペンなどと書かれている)など部活で使いそうなものはあるがその他のものが多すぎる。

たとえば目立つものだと本の山の横には同じくらいの大きさのボードゲーム(?)みたいなものの山がある。

見たことないものばかりだがたぶんボードゲームであっているだろう。

一番謎なのが教室の壁に掛かっている『緊急時特別防護措置準備区域』と書かれた額縁だろう。

何を意味しているのか全く分からない…

どうやって持ってきたのか分からないがかなりの大きさだ。

何かをもとネタにでも作っているのだろう。


「文芸部には見えないんですが…」

「それはな、ここは文芸部の部室やけど活動全くやってないからやな」


笑いながらいうがそれって問題大有りだと思う。

まぁ、僕には関係ないか。

うん、関係ないはずだ。

それなら、ここは何をしているのかが気になってくる。


「えっと、ここって何をしてるんですか?」

「お!よく聞いてくれたな!そう、こここそが、如月高校防衛隊の本部や‼︎」


聞いても何をやっているのか分からない、分からないのだが、その前に言いたいことがある。

それは…


「ここは、如月高校じゃないぞーーー‼︎」

週二、三話きついかも…

がんばります


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