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隣国の文官は男装したその国の王女だった!?

イルヴァニア国の王太子が幼い頃出会った少女にもう一度会いたくて国中を探した。だが一向に会うことができず、大人になって隣国を留学しながら見つけようとした。なかなか見つからなかったので、結婚適齢期にもなりとうとう国王から強制的にお見合いを強いられつる。最後に残った留学先で出会った文官がなぜか少女に似ていた。が文官は男だった、


ロワール国


雨が降っている深夜、黒いマントを頭まで被り、顔半分を黒い布で隠している賊たちが城の内部に侵入した。

中にひとり屈強な男が大きな樽を肩に二つのせて持っていた。雨の音が激しかったため、城内には侵入者の足音がわからず、賊たちは焦らずすんなりと城に侵入できた。

そして彼らはなぜか目的の場所に躊躇せずに向かって行った。


その日の城は、国王、王妃と王子と、隣国の慶事のため前日から留守にしていた。

賊たちは足早に目的の部屋を探し向かった。

手にはこの城の地図を持ち長い廊下を走った。

暗い廊下を走りようやく目的の部屋を見つけた。


ーここだ。

ー国王の執務室。


執務室のドアには鍵穴が二つ。

ポケットから鍵をだし、銀色に光るそれは、普通の鍵より少し長く先端が特殊な形状をしていた。鍵穴に入れて左に半分回し、再度戻して右に一回りするす。それが上下にある特殊な錠だった。

まるで部屋が大きな金庫のような感じだ。ドアが開くと、数人が部屋に入り、外に一人だけ待機させた。

部屋に入り中から鍵を閉め、蝋燭に火を付けて辺りを見回した。

するとすぐに仲間に指示を出して、机の中、棚、引き出しなどありとあらゆる所を開けある物を探し始めた。


「早く見つけろ」


しばらくすると賊が侵入したと城内が騒ぎ出し、城中には衛兵の声が響き渡った。

仲間のひとりに焦った様子で言った。


「おい、見つかったか」

「まだです」

「くそっ、一体どこに隠したんだ」

「早く見つけるんだ」

苛立ちながら仲間を急かせて必死にある物を探した。


ドアの外でひとり待機をしていた賊が、廊下を騎士達が走りこちらに向かっている足音が聞こえてきた。

そして賊を見つけ騎士達が争った。騎士達が賊を倒した。

中にいる賊を捕まえようとドアを開けるドンドンと物凄い音がし始めた。ドアを開けるため騎士達が体当たりをし始めたのだ。すると鍵をかけているにも関わらず、ドアの外側からメリメリと音を立てて少しずつ開き始めた。


「あったぞ」


見つけたひとりが賊の頭に渡した。

それを手に取り、手元を蝋燭の火で照ら見ると目的の書類だった。


「これだ!見つかったぞ。よし、すぐにこれを撒け」


そう言って樽を持ち上げて部屋中に液体を撒き散らしはじめた。


その時、ドン、と鈍い大きな音とともドアが開き数名の騎士達がなだれこんだ。見つけた書類を懐に隠し、その途端に騎士達と剣で向かい争い、賊達が部屋の外に出ようと鋭い剣の交わる音が響いた。

賊は騎士達を倒して急いで廊下にでて走った。

最後に逃げた賊にひとりが部屋に持っていた火のついた蝋燭をポタリと落とした。

すると撒いた油に火がつき、室内が徐々に燃え広がった。それを見届けるとその顔を黒い布で覆った奥でニヤリと笑った。


ー火事だ。


城内が騒然とし、深夜の中で人々が逃げ惑った。

国王の執務室を皮切りに続々と隣の部屋にも火が入った。こちらは城の西側であったため王族の私室ではなかった。

逃げる賊たちは、先ほど来た反対側の廊下に逃げながら油を撒きちらした。

そして廊下の角を曲がった。するとその廊下は奥まで石像像や美術品が並び飾られていた。

こちらは王族達の私室がある部屋の廊下だった。


その一つの部屋から外の騒がしさに気づき、ドアを開けた廊下に出た者がいた。すると廊下にでたところで、賊と眼が合い賊に切りつけられてしまった。なすすべなく倒れ、廊下が徐々に火が波のように広がり迫ってくる。


「逃げるぞ」


仲間に言って走り出したとき、倒れた男の隣の部屋が開き、そこから男の子が出てきた。


「父上!」

男の子が倒れたその男に駆け寄り、体をゆすり叫んだ。

そしてその部屋からもうひとり、銀の髪で、寝ぼけたように眼を擦りながら女の子が出てきた。

女の子は倒れた彼らを見たが、走り出す賊に気づきそちらに振り向いた。

すると逃げ走りはじめた賊のひとりと眼が合った。

彼女は先ほどと違い、大きな眼を見開いて賊を見た。

眼が合った賊は、何故が足が止まり、彼女の眼を背けられず硬直した。


ーなんだこの娘は。

ーなんて眼だ。


それくらい彼女の眼は、賊の背筋が凍りそうで、思わずゾクリとしてその場から動けなかった。仲間に再度逃げるぞと言われ、はってとなり走りはじめた。


火が迫ってきていた。男の子に倒れた男が言った。

「すぐにここから逃げるんだ。私はもう助からない。」

弱々しい声を振り絞りながら言い続けた。

「早くしろ、お前は王女と逃げろ・・」

男の子は、泣きながらその場を離れるため、女の子の手を握ると廊下を走りはじめた。

生憎、深夜で足場がよくわからなかった。賊たちが逃げながら廊下に並んでいた像や美術品を薙ぎ倒しため、壊された物の破片が飛び散り足場が悪い。

逃げなが助けを求め彷徨った。

火の勢いが徐々に近づき、砕けた像の破片で女の子が転んでしまった。


「大丈夫、助けるからね」


彼自身も幼いが、彼女を助けるためにひたすら勇気ずけ走った。泣く女の子を勇気づけ走り出すと、遠くの方で自分たちの名前を呼ぶ声が微かに聞こえてきた。


ーもうすぐ助かる。そう彼が思い、ひたすら声の方へ走った。

その時、廊下に並んでいた像が上から倒れてきた。


ー危ない。

男の子が女の子に覆い被さり庇った。像の下敷きになった男の子の頭から鮮血が流れ血だらけになりった。男の子ほどではないが、女の子も傷だらけだった。


遠くから自分たちの名前を呼ぶ声がだんだんと近ついてきた。

だがもう彼はその後、名前を呼ぶ声には返事はできなかった。





初めまして初投稿です。

読んでくださりありがとうございました。


拙い文章書きで、誤字、脱字があると思いますが、読んで頂ければ幸いです。

またよろしくお願いいたします。

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