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ふしぎな科学室(挿絵あり)

ククル、アナ、マークの3人はおおよそ片付ける機材を集め、同時に埃だらけの部屋を掃除した。



「よし、では機材を下の科学室へ運ぼう。2人は下の科学室へ降りて受け取って欲しい。そして空いてるスペースにどんどん置いてくれればいい」ホッブス先生が言った。



ククルは屋根裏部屋に続くような階段を手を使いながらゆっくりと降りた。



2人とも科学室に入るのは初めてだった。大きな窓からは海がよく見えて午後の光が差し込んでいた。木製の棚には化学実験で使う試験管やビーカー、ペットボトル、薬品類が並んでいる。窓側にある机の上には本棚に入りきらない大量の本が散らかっている。ホッブス先生の趣味なのか、カンバスに描きかけの絵があった。科学室というよりはまるでアトリエのようだ。そして、2人は床の空いてるスペースに機材を運ぶことにした。


挿絵(By みてみん)


 

「先生、こちらは準備できました。上から降ろしてください」マークが言った。


皆、お祭りに早く行きたかったので、黙々と手際良く作業を進めた。


「よし!これで最後だ!」マークは最後の機材を運び整理している。


ククルはふと大きな白いテーブルに目をやった。りんごやブドウなどいかにも油絵のモチーフとして描きそうな果物が置かれている。そして、よくみるとりんごがひとりでに動いてるようにみえた。



「!?」



もう一度りんごに目をやると、さっき見た位置とは違う場所にあり違和感がある。



「ねえ、マークみて!あのりんご動いてない!?」



マークはりんごをしばらく見続けたが、特に変化はなかった。



「いったいどうしたっていうんだ?何も動きやしないよ」マークは笑いながら言った。



「おかしいな、確かに動いたように見えたんだけど…」



「放課後の作業疲れとホッブス先生魔法使い疑惑でそんな風にみえただけじゃない?まあ、確かにここは科学室というよりか先生の個人的なアトリエって感じで不思議な部屋だからね。魔法のひとつ起こってもおかしくない気持ちも分からないでもないからね」



「そうなのかなあ、でもほんとに何か不思議な部屋…」



その時、上から先生とアナが降りてきた。



「いやいや諸君、本当にありがとう。助かったよ。お礼にお茶でも一杯どうかね?」



「先生、お気持ちは嬉しいんですが、僕たちこれからお祭りに行こうと思いますので」マークが言った。



「そういえば、今日は祭りじゃったか、そんな時に手伝ってもらって悪かった。ではまたお礼は次回何か考えておくよ」



「ありがとうございます」



マークとアナはやっと解放された!という気持ちでそそくさと科学室を出た。ククルはさっき見た幻のりんごが気になり、先生にきいてみようと思っていたが



「ククル、何してるの?早く行くわよ!」

アナに呼ばて、先生と話すチャンスを逃してしまった。



3人は丘の上の学校を一気に駆け下りお祭り広場へと向かった。















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