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新・三国志   作者: 明日ハレル
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第1章 第5節 河北決戦編 その2

来年の春には燕王劉合と宋王劉備の運命を賭けた戦いが開始される。両者の戦力はほぼ拮抗していた。

第1章 第5節 河北決戦編 その2


河北王劉合は代州にいて袁紹に敗れた公孫瓚の一族を保護し遼西太守に任命し、遼東太守の円岳と合わせて朝鮮半島と満州の西部の攻略を任せていた。


彼らは協力して楽浪郡等3群を再び建設し、南朝鮮を支配する大和国とは講和して国境線を定めた。


満州にあった高句麗、沃祖、扶余等の諸国も配下に加えて、鮮卑国にも痛打を与えて東部方面の鮮卑族を従えた。


一方冀州に於ける袁氏の勢力が強く支配が及ばないので、袁紹を無味無臭の毒ヒ素を使って毒殺し、反抗的な袁譚、袁尚も攻め滅ぼす。


温厚なお気に入りの袁煕と勇猛な高幹に荓洲を任せた。この当時青洲には15万余の戦力があり、冀州には20万余、荓洲には10万余、幽州には15万余の戦力があり、総兵力60万余に及んでいた。


燕王劉合も配下の軍師や参謀、将軍達を集めて軍議を重ねていた。燕王軍はほぼ60万余、宋王軍もほぼ60万余の戦力だ。


劉備率いる徐州・豫洲の戦力30万余が軍師沮授、田豊、郭図に率いられ徐州北部に集結していた。


又左将軍林典熊が指揮する荊州・揚州の戦力30万余が洛陽から陳留にかけて布陣していた。ここに曹操軍10万余が加わる。更に水軍5万余の訓練も終了していた。この地には左将軍の直属軍5万余を加え50万近い戦力が集結していた。


ただ、宋王劉備の同盟軍曹操軍15万余の分だけの戦力差が開いていたので劉合はこの不足分を満州の高句麗や北辺の鮮卑の勢力を取り込むことで戦力差を埋めようと企画し、公孫瓚や円岳を取り込んでいたのだった。


期待通り円岳と公孫瓚は楽浪郡など3群を回復させ、高句麗を討ち、東部鮮卑族に打撃を与えて勢力下に取り込む。予定通り15万余の戦力が強化された。


燕王劉合率いる幽州、青洲の軍30万余は青洲南部に集結していた。更に冀州と併州の35万余に鮮卑や満州軍、匈奴軍15万余を加えた50万余が冀州南部に集結している。


後は最後に宋王が加えた揚州の戦力は10万程で他に傷病兵も多く、将来的には増加する見込みがあり決戦は急がれる。


両者はほぼ同じ戦力に近かった、こうなると指揮する将の才能の差が戦局を分けることになる。


自信家の劉合は全体の指揮を執りたがったが戦場が2か所に分かれ距離があるのでこの時代の通信設備では難しい、この為主力軍たる冀州方面軍の指揮を劉合が取ることになり。青洲方面は従弟たる劉勢が指揮することになる。


劉勢は若いが進退を弁えたかなりの良将の部類に入るが、経験が足りないので危ぶまれた。この為老獪な軍師王朗と欄銀の2名が配され、さらに副官にも老練な崔無京と郷伸栄の2上将軍が配下についた。


先手の勇士として青洲5将の生き残り新明高力佐と公明梁俊、東明文牛に加えて兪焦史、柱然、相玉方、雲栓らの若手七将が加わった。


宋王劉備は自らが前には出ない性格なので、軍師の沮授や太傅の田豊が徐州北部軍を指揮していた。その下には郭図や荀甚、陳珪、陳宮らの謀士がいて、5勇将関羽、張飛、張遼、張哈、趙令以外にも趙雲、馬超、黄信、菊武、源高才らと勇将が多くいた。


陳留方面には左将軍林典熊と軍師逢紀、陳登、陳羣らがあり、顔良、文醜、高覧、菊武、厳網らの猛将が従っていた。


林典熊は20年以上秦王劉星玄に従い、匈奴や鮮卑、姜族の反乱を平定してきた勇将の一人で彼の愛用の蛇棒は数百,数千の敵の猛者達を葬ってきた。


将軍以下の指揮する将たちの質は宋王劉備軍が遥かに勝っていた。燕王劉合も人材登用には努力したがこればかりは差が大きかった。


これらの大軍が来年2か所の戦場で激突する!燕王劉合と宋王劉備の何方に勝利の女神がほほ笑むかわからぬが、両者は最後の年末を各々の領地で迎えていた。










決戦に何方が勝つかはこの時点では全く予想できんかった。しいて言えば宋王劉備側の将帥が極めて優秀で武勇に優れたものが多いぐらいだった。


数万の戦いなら将の武力が発揮される時もあるだろう、今回は数十万の大軍団がぶつかる戦いなので将の武勇よりも指揮能力が問われるだろう。

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