第1章 第5節 河北決戦編 その1
洛陽へ南征から戻った宋王劉備は久しぶりにゆっくりできた。
第1章 第5節 河北決戦編 その1
184年10月
遠征軍が洛陽へ凱旋してきた。淮南と江南が平定され宋王劉備も漸く年内はユックリできそうだ。
来年は河北の劉合勢力との決戦が控えている。軍師達と協議し万全の態勢で臨みたい。
沮授や逢紀、審配、陳宮、郭図ら5軍師の意見も聞いて決戦に相応しい場所も選ぶことになる。
10月15日
洛陽の宋王邸で5軍師と5将軍や太傅らが集って会議を開いていた。
陳留の北宮渡港付近で待ち受け、北の白馬港付近を攻める戦場と下邳から北へ抜ける北海までの街道沿いに許や淡の町付近が決戦場所となりそうだ。
郭図いわく、官渡港付近は曹操殿の領土なので曹操殿が主体となるのでしょうが、あちらには水軍はありますまい。
そうですな、北側の冀州の袁紹も大した水軍は現在の所持っていないでしょう。逢紀も述べた。
そうなるとこれから作るのか?悠長なことだ。審配も呆れたような口ぶりだ。
いや心配には及びません。荊州の水軍は既にこちらへ移動中です。沮授が事も無げに説明する。
2か月後には官渡港に達するでしょう、そこで曹操の水軍にも合流してもらって訓練する必要があります。
曹操軍にはどれ程の水軍がある?劉備が沮授に尋ねる。
現在曹操水軍は艨艟100隻で5千の水軍があり、現在100隻の蒙動が完成まじかな状況です。
洛陽の北孟津港でも火矢が立たない鉄の装甲を持った200名乗りの楼船50隻と50名が乗る200隻の蒙動が完成し訓練に入っています。
洛陽の水軍2万と荊州水軍2万、曹操軍の水軍1万が春までには完成し訓練も終わるしょう。
荊州水軍が加わるとこちらは曹操殿の水軍を加えて水軍5万と言う処だな。劉備が述べる。
呉の水軍は如何なのだ?
先の戦いで半数が損傷し再建は来年の春ごろになりそうで今回は戦闘に参加できません。
それは残念、となるとこちらは水軍5万で戦うことになるね。では敵の方は?
冀州には100隻の楼船と200隻の蒙動があることが確認されています。諜報部の神楽将軍が述べる。
更に北岸では大量の楼船、艨艟が建造中です。
おそらく敵も来年の春までに4万の水軍を整備するでしょう。
そうなると、まず、水軍が戦い勝ってから水軍で人員を輸送するので、すんなりとは進みそうにないね。
水軍の指揮は又劉刈君?
いえ、今回洛陽水軍の指揮官に任命された後将軍の黄忠殿が務められます。
神弓将軍が指揮するんだ、配下はかなりの手練れ揃いだね。
黄忠殿の配下は皆弓の名手が揃っています。
水軍は心配いらないとして、後は陸戦だけど、
現在徐州軍15万余と豫洲軍15万余が徐州北部で訓練中です。
荊州軍20万余と淮南・江南軍10万余が洛陽郊外で訓練中です。
曹操殿の10万の軍を合わせれば70万余か食糧が大変そうだね。
現在続々と両地点に運び込まれています。
食糧の調達は陳宮殿の係か、では心配いらなくて済むね。
宋王劉備は万全の準備を整えつつあった。
来年春に予定される河北勢との決戦もほぼ準備は終了していた。