桜雨
プロローグ
(今日こそ言うんだ)
僕は手を握った。手汗が出てくる。でも
(決めたんだ。ここで逃げたら…!)
「あ、あのっ…!」
(言わなきゃ)
「僕はっ…僕はお前が…!」
僕のキモチ
「君達は、あと一ヶ月で卒業です。」
先生の言葉に、改めてもうすぐ卒業だということを実感する。
僕は小田原 琉真。美術部に所属している桜山高校の三年生だ。休み時間は普段読書をしている。席は一番後ろ。クラスの総数が奇数なので隣はいない。斜め前に座っているのは小学校からの幼馴染の春川 明日香だ。春川も同じく美術部に入っている。昔はよく遊んだりしていたが、中学生くらいから男女で遊ぶのになにか抵抗が出てきて、あまり遊ばなくなった。部活ではたまに話すが、昔のように親しく話すことはなかった。正直、寂しい。昔から仲良かった人と話せなくなったというのもあるけど、それだけじゃない。僕は…春川が好きなんだ。
自分の気持ちに気付いたのは中学二年生の終わりの頃だった。昔のように話さなくなり、クラスも変わってしまった。寂しかった。毎日春川のことばかり考えていた。
そして、校外学習の係が同じになり、久々に春川と話した。それが本当に楽しくて、嬉しくて、もっと話したいと思った。それで僕は本当の気持ちに気付いたんだ。ずっと前から春川のことが好きだった。
私のキモチ
私は春川 明日香。桜山高校の美術部に所属している三年生。後ろから二番目の一番窓側の席で、隣は夏宮 海、斜め後ろは…小学校からの幼馴染の小田原 琉真。琉真とは同じ美術部だけど、あまり話せない。小学校の頃はよく話したり遊んだりしたけど、なんとなく気恥ずかしくなってしまい、距離ができてしまっている。話したいけど面倒臭がられたらどうしようか。鬱陶しいとか思われたら…そう思うとなかなか話せなかった。私は琉真のことが好きなんだ。
中学二年生の頃、クラスは変わってしまったけど校外学習の係が同じになってその時に久しぶりに話した。とても楽しくて、もっと話していたかった。多分、その時くらいに私自身のキモチに気付いたんだ。
クラス発表
中学校を卒業して、僕は高校に進学した。僕の友達から春川の進む高校を聞いて、必死に勉強してこの高校に入った。名前は桜山高校という。校舎の周りには沢山の桜の木が植えられていて、春は桜の花がとても綺麗に咲くというらしい。
「よっ!琉真!」
名前を呼ばれて振り向くと、そこには中学校が同じだった夏宮 海がいた。
「おう、海!久しぶり~」
海は中学の頃はサッカー部で顔立ちも良くて男女ともに人気が高かった。
「本当久しぶりだな~、お前何組?」
僕は手元のクラス表に目を落とした。
「俺は…一組だ」
「えぇ~、まじかよ!俺は三組だからクラス違うじゃん~」
と言って海は肩を落とす。海は僕の数少ない友達の一人だ。休み時間は大体読書しているか、海と話している。
(海とはクラス別れるのか。)
「おーい!海~!お前三組っしょ!?俺らと同じじゃ~ん!」
中学校が同じだった海の友達が海を呼んだ。
「まじ~?やったぜー!じゃあまたな!琉真!」
「おう!またなー」
海を見送った後、僕はまたクラス表を見た。
(春川は…え?)
僕は目を疑った
(春川 明日香…いいい一組!?)
「おはよ、明日香」
「ん?あぁ美咲、おはよう」
小学校から同じ学校の秋山 美咲に声をかけられた。
「なによその間~、なにか考え事でもしてたの~?」
ぎくっ!図星だ…
(琉真と同じクラスだったらいいな~)
とか思ってた。
「あ、いや別に!?ちょっと寝不足で…」
なんとか美咲に悟られないように誤魔化した。
「ふーん、怪しいなぁ~」
「なによー!別に夜まで本読んでただけだよ~」
美咲は嘘を見抜くのが得意だ。今まで一度も美咲に嘘をつけたことはない。
「まぁいっか!」
美咲は大体わかったと言わんばかりに笑いながらそう言った。
「どうせ、琉真君と一緒のクラスじゃないかな~?とかでも思ってたんでしょ~」
「ええ!?なんでそーなるの!」
「知ってたよ~、明日香が前から琉真のことを好きなこと~」
(やっぱり美咲には誤魔化しが効かないか)
「誰にも言わないでよ?」
小声で美咲に釘を打つと、美咲は大きな声で笑った
「あっはっは!わかってるって!それはそうと、何組?」
「一組よ」
「お!私も一組!愛しの琉真も一組だよ!」
「うるさいな…って本当!?」
「うん!」
(やった!また琉真と話せるかな?)
私はその後の昇降口から教室までがとても長く感じた。
再会
「ここが一組か…」
僕が教室に入ると、中には知らない人が沢山いた。僕は出席番号順の席に座った。小田原は「お」なので出席番号は五番だった。
「でさ~、そしたらママがー…」
「えぇ~?いいな~」
二人の女子の声が廊下から聞こえる。あれ?待てよ。この声…どこかで聞いたことが…
ガラガラガラ…
僕がドアの方を向くと、小学校から同じ学校の秋山 美咲と、その隣に春川がいた。
(やっと会えた…)
すると春川と目が合った。慌てて目を逸らしたが、恐らく手遅れだっただろう。
(まずいよ~!絶対に変な人だと思われた…!)
「あれ?琉真じゃない?おひさ~」
美咲が僕に声をかけてくれた
「あ、うん、久しぶり」
「そーいえば琉真と明日香って小学校から同じだよね~?」
美咲が僕と春川に言った
「えっ!?あ、うん、そうよ」
「なら明日香!琉真、話し相手いないっぽいから話してあげたら?」
「「えっ!?」」
春川と声がハモった。ちょっと嬉しい。
「じゃ!あとはよろしく~!」
(ちょっと美咲!変に気を使わないでよ!)
「え、えーっと…」
琉真が何か言おうとするが、なかなか会話が始まらない。
(ぐぅ…色んな意味で気まずい…)
「久しぶりだね、琉真」
仕方なく私から話しかけた。
「あ、うんそうだね…」
「…」
「…」
(あぁ!もう!話題広げてよ!)
私が黙っていると、琉真は突然口を開いた
「ぶっ、部活!どうする?」
「え?あー、私は中学と同じ美術部にするよ」
「本当!?僕も美術部にするから!そ、その、よろしくね!」
すごい勢いだな…
「うん、よろしくね」
私はそれだけ行って、席に戻った。美咲がこちらを見ながらニヤニヤしている。もしかしたら私も少し表情が緩んでたかもしれない…
(このまま良い関係になればいいな)
私はそう願わずにはいられなかった。
放課後
僕は毎日休み時間になると春川と話した。毎日が楽しかった!この関係がずっと続けばいいな、そう思う。しかし、そう思っていても願いは願いでしかなかった。
僕達は二年生に進学した。美咲は別のクラスとなってしまったが、春川とはまた同じクラスになれた!二年生になってからは去年以上に多く話した。部活でもクラスでも。周りからは付き合っているとかいう噂もたっている。
二年生の三学期、僕は部屋で勉強をしていると、スマホに着信が入った。開いてみると冬沢 真由からだった。冬沢とは春川の次に多く話す人だった。仲は良く、色んな話をする。
【明日の放課後、教室で待っていてください。】
なんだろう。なにか相談でもあるのかな?とりあえず僕は
【わかった!了解です!】
と返した。
次の日、僕は冬沢との約束通り教室で待っていた。
「ごめん!お待たせ!」
「ん?あ、冬沢!大丈夫だけど、どうしたの?」
「いや、ね、ちょっと聞いて欲しいことがあるんだけど…」
冬沢の声は少し小さくなった。
「聞いて欲しいこと?何?」
冬沢は少し下を向き、僕にこう言った。
「あのね…実は、私!琉真のことが好き!」
「…はいぃ!?」
(忘れ物しちゃった…)
今日は部活がないから早く帰って読書しようと思ってたのに、そういう日に限って忘れ物をしてしまう。忘れたのは去年琉真から誕生日プレゼントにもらったマフラーだった。
教室に入ろうとしたとき、教室から男女の声が聞こえてきた。
「…何?」
琉真の声だ。もう一人は
「あのね…実は、私!琉真のことが好き!」
…え?真由…?
私は走り出した。琉真の返事も聞かないまま、ただただ走った。
(嫌だ、聞きたくない、聞きたくない!)
必死に走った。
(嘘だっ!真由が琉真のことを…っ!)
琉真と真由は仲が良い。別に両想いだったとしても何の不思議もない。だけど、何故か苦しかった。
家に帰っり、バッグを床に放り捨ててベッドに体を預けた。
(うっ、うっ、琉真…琉真ぁ…)
嫉妬
次の日、僕はいつも通り春川のところへ行った。
「おはよ、春川」
僕が春川に挨拶すると、春川は
「…おはよ」
いつもより元気が無かった。
「どうしたの?何かあった?」
僕が心配して聞くと、春川は目を合わせずに
「別に。いつも通り」
と言って席を立ってどこかへ行ってしまった。
(どうしたんだろう…)
休み時間になって、僕はもう一度春川の方へ行った。
「ねぇ、はるか…」
僕が春川を呼ぼうとしたとき、春川はこちらを見て、僕を避けるようにして廊下に出ていってしまった。僕は春川何か悪いことでもしたのかもしれないが、心当たりがない。
その日は結局春川と話すことはなかった。
「もうほっといてよ…」
私はトイレの中でそう呟いた。
『私、琉真のことが好き!』
昨日の真由の言葉が頭から離れない。きっと、琉真は告白を受け入れたんだろう。私の友達が誰かと付き合う。それはとても喜ばいこと。だけど…琉真だけは別だった。琉真が他の女子と話していると、心に何かとても変な違和感を感じる。恐らく、それが嫉妬なのだろう。そして私はチャイム直前に教室に戻った。
その日は琉真とは話せなかった。
私は家に帰ってご飯を食べた。おかしい。いつもと変わらない夕食なのに、味がほとんどしない。
「なんか元気無いけど何かあった?」
お母さんが心配してそう聞いてきた。でも私は
「いや、別に?ちょっと疲れてるだけ~」
そう言ってお茶を濁した。
「はぁ…」
お風呂も入って歯磨きもして勉強もした。その時間がいつもよりとても長く感じられた。そして私はベッドに倒れ込んだ。
(やっぱり駄目だよね。まだ付き合ってるって決まったわけじゃないし。それに、仮に付き合ってたってしても、琉真とは今まで通り仲良くいればそれで…)私はそんなことを考えているうちに深い眠りについた。
誘い
春川と話さなかった日から一週間。その間、春川とは一度も話していない。
(多分、嫌われたんだろうな)
それが自然だろう。
その日も、僕は春川とは話すことなく家に帰った。
部屋で僕は久しぶりに泣いた。理由は他でもない春川のことだ。春川と話せない日が続いて、それでも春川のことばかりずっと考えていた。ふと机の引き出しを開けると、一枚の写真があった。僕と春川の小学校の頃のツーショット写真だ。春川と沢山遊んだ頃のことを思い出していたら不思議と涙が溢れてきた。
(明日…明日は春川と話そう。)
僕は泣きながら心に誓った。
琉真と話さなくなってから一週間が過ぎた。そんなとき、休み時間一人で本を読んでいると、琉真が来てくれた。
「えーっと…おはよう、春川」
やった!一週間ぶりに琉真と話せる!でも、私は真由の告白のことを思い出してしまった。
「うん、おはよう」
小さい声になってしまった。
(これじゃあ前と同じ…)
私はなるべく笑顔にした。
「どうしたの?」
「いや、ちょっとね、」
琉真は少し言いづらそうにしていた。
「帰り…一緒に帰らない…?」
「…え?」
思わず変な声が出てしまった。もちろん一緒に帰りたい。だけど、琉真は普段海と帰っている。
「海とは帰らないの?」
「海は今日車で帰るらしいよ。怪我して病院行くって言ってた。」
「そうなんだ。」
なら一緒に帰りたい。でも、私は余計なことを考えてしまった。
(琉真は真由がいるし…一緒に帰ったら真由に恨まれるかもしれない…でもまだ付き合ってるって確定したわけじゃないから…)
私は少し考えて、
「良いよ」
と笑顔で返した。
「本当!?ありがとう!」
(あぁ、久しぶりに見たな…琉真の笑顔)
私は緩んだ表情を見せないように少し下を向いて
「じゃあまた放課後」
と言った。
(聞くんだ。帰りに、真由のこと…)
帰り
「ごめん!待った?」
「あ、春川!大丈夫、僕もさっき来たところ!」
(なんか…懐かしいな)
昔はこうやって春川といることはよくあった。でも今はなんとなく恥ずかしい。
「じゃあ帰ろっか」
僕がそう言うと、春川は笑顔で
「うん」
と言った。でも…僕にはわかる。この笑顔は嘘だ。昔からの付き合いなのでそれくらいはわかる。
「春川?元気ないけど何かあった?」
「え!?別に何も無いよ?」
(わかりやすいなぁ…でも、こういうところも可愛いな)
僕と春川は帰りながら沢山話した。主に本の話だった。でも、今日の春川は何かぎこちなかった。時折、なにか言いたそうな感じもあった。
僕と春川の家が別れる場所に来た。
(久々に沢山話せたな)
とても楽しかった。このまま付き合えれば…でも、もし振られてこの関係が崩れたら…そう思うとやっぱりこの気持ちは隠したままにしていた。
「じゃあまたね、春川」
「…」
僕がそう言うと、春川は俯いて黙ってしまった。
「…琉真」
「何?」
「聞きたいことがあるの」
心臓がうるさい…。でも、今聞けなかったら多分ずっと聞けないまま…。私は大きく深呼吸をして琉真の目を真っ直ぐに見た。 琉真は少し首を傾げている。
「琉真ってさ、この前真由に告白されたよね?」
「!?」
琉真は少し困った顔をしてから
「あー、まぁ。てかなんで知ってるの!?」
琉真は私に聞いてきた。私は告白現場を見てしまったことを琉真に話した。
「えぇ~!じゃああの足音は春川のだったの?」
「うん…それで、返事、は…どうしたの?」
私は聞きたくなかった。でも、聞かなきゃいけないことだった。つっかえながらも私は琉真に聞いた。
「は?いやいや、振ったよ。」
「え?振ったの!?」
予想外だった。私は付き合ったっていうことを琉真の口から聞いて、琉真のことを諦める為にこうやって琉真に聞いたのに…
「ていうか逆に付き合ったって思ってたの!?」
「だって琉真と真由、仲が良いし…」
「冬沢は友達までかな。」
(そうなんだ…良かった)
「誤解は解けた?」
「うん、ごめんね」
「大丈夫だよ、じゃあまた明日」
琉真の言葉に私は笑顔で応えた。
「うん!明日ね!」
進路
僕達は三年生になった。なんと今年も同じクラスとなったのだ!だけど僕と春川は去年より会話が少なくってしまった。その理由は、今後の進路のことだ。僕は桜山大学に進学する予定だが、春川は姫ノ原大学に進学するらしい。姫ノ原大学は女子大学で、昔からの付き合いの春川とは進路が別となってしまう。つまり、もう話すことが出来なくなるかもしれないということだ。
しかし、僕は何も出来ずにただただ時間だけが過ぎていった。
高校三年生の冬。あと数ヶ月で卒業となる。私は琉真から貰ったマフラーに口を隠した。
「春川!」
「遅い!何分待ったと思ってるの?」
「ごめんって!さ、帰ろ!」
「はぁ…にしても寒いね」
私は琉真に少し呆れつつも、笑顔でそう言った。
「だね、もう冬か…」
「そろそろ卒業だね…」
卒業。自分でそう言って、「もう卒業か」と思う。私と琉真は大学が離れてしまう。じゃあ…
(卒業までに、琉真に好きって伝えないと…)
私は琉真の横を歩きながら、そう思った。
卒業
「明日、皆さんは卒業です。この桜山高校で学んだことを忘れずに、今後の人生を精一杯生きてください。」
先生が僕達にそう告げた。僕も春川も大学を受かり、明日は卒業式だ。
(結局、まだ春川にちゃんと「好き」って言ってないな…)
「卒業証書、三年一組 春川 明日香。以下同文です。」
私は校長先生から卒業証書を受け取った。
(いよいよ私、卒業するんだ)
そんなことを思いながら私はステージを降りて席に着いた。
「…卒業式を終わります。一同、礼。」
長いような短いような卒業式が終わり、私達三年生は校舎前を並んで歩いた。周りには保護者や後輩達が大きな拍手をくれた。そして、とても綺麗な桜の雨。ふと目頭が熱くなり、涙が出ないように上を向いた。
「春川!」
いきなり後ろから名前を呼ばれて振り返ると、そこには目を赤くした琉真がいた。
「どうしたの?」
私が琉真に聞くと、琉真は大きく深呼吸をして、
「ちょっと来て!」
と言った。私は胸が大きく鳴った。
(多分これが最後のチャンスだ。今日こそ言うんだ。琉真に僕の本当の気持ちを。)
告白
「は、春川…」
あぁ、心臓がうるさいなぁ。落ち着け。僕は深呼吸をして呼吸を整えた。
「実は…僕…」
(言うんだ。言わなきゃ。)
「は、春川が…」
(落ち着け小田原 琉真!何度もイメージしたじゃないか!)
「すっ、好きだ!」
恥ずかしくて春川の顔を見れない。
「ずっと昔から好きだった!君と話さなかった時期も!君が僕のことを避けた時も!ずっとずっとだいすきだった!ずっと話していたかった!ずっと一緒にいたかった!大学が違っても…ずっと一緒にいたい!だから…っ!つ、付き合ってください!」
桜の下で
私は琉真に抱きしめられている。
(温かい…)
ずっとこのままでいたいと思う。
ほんの数分前、私は琉真に呼ばれてこの校舎裏に来た。この校舎裏は桜の木が特に多く、とても綺麗な場所だ。
しばらく二人が黙っていると、おもむろに琉真が口を開いた。
「は、春川…」
?なんだろう、今日の琉真は顔が赤い。風邪かな。
「すっ、好きだ!」
(え!?)
不意打ちの告白に、胸がうるさく鳴った。でも琉真は私に何か言わせる間も与えずに
「ずっと昔から好きだった!君と話さなかった時期も!君が僕のことを避けた時も!ずっとずっとだいすきだった!ずっと話していたかった!ずっと一緒にいたかった!大学が違っても…ずっと一緒にいたい!だから…っ!つ、付き合ってください!」
(え?まだ状況の整理が…でも、)
「ふふ…」
何故かちょっと笑えた。
「え?」
琉真は真っ赤な顔で私を見てきた。
「なんで笑ったの!?こっちは結構真剣に…」
「良いよ」
「いや、良いよなんかじゃなくて…え?今何て…?」
「だから、良いよ。むしろ私からお願いします。」
私が笑顔でそう告げると、
「…!ありがとう!」
琉真は私を抱き締めてくれた。
「大好きだよ!…明日香!」
(温かいなぁ…初めて名前で読んでくれた。)
「私も、ずっと前から大好き!」
あれ?おかしいな。嬉しいはずなのに涙が止まらない…。私は泣き顔を見られるのが恥ずかしくて、琉真の肩に顔を埋めた。
どーも、Orangeです!僕の三作目となるこの【桜の降る恋】、どうでしたでしょうか~。こんな恋愛したいですねw
この作品は琉真と明日香の二人の視点から構成されているので、主人公が二人なんですよね~。
特に僕が気を使ったところは、なるべく他の登場人物を出さないことですね!読者の皆さんにこの二人の気持ちをよりわかって頂きたく、今回はほとんどこの二人しか出てきませんでしたよねw
恋愛ストーリーは何かありきたりな展開になってしまい、とても大変です…w
まだ三作目ですが、これからもOrangeをよろしくお願いします。他にも作品を書いているので、そちらも読んでみてくれたら嬉しいです。(さり気なく宣伝)
では!またどこかで会いましょう!