表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
伝説の生き物、エクスカリパー  作者: 渋谷かな
8/81

ノーベンバー2

「ガルルル!」

森の中を進むウァズワースは狼に囲まれていた。

「なんだ? おまえは? ここには人間がたくさん通るはずなんだが?」

魔王の手下のカシオスが姿を現す。

「心配する必要はない。」

ウァズワースはカシオスの疑問に答える。

「なに!?」

カシオスはウァズワースの言葉に不快感を示す。

「なぜなら、おまえは私がここで殺すからだ。」

ウァズワースはカシオスを睨みつけ、魔族としての黒い気をオーラのように体から放出させる。

「おまえ!? 人間じゃないな!? まさか!?」

カシオスはウァズワースが人間ではないことに、やっと気づいた。

「魔族だ。だが、おまえたちみたいな下級魔族とは違うのだ。」

ウァズワースの素性はかなり良い魔族だった。カシオスは下級魔族。

「バカにするな!? いけ! 狼ども!」

カシオスは狼に命令する。

「ガオー!」

狼たちはウァズワースに突撃する。

「望むなら殺してやろう。」

ウァズワースの手に火の球が現れる。

「デビル・ファイア。」

ウァズワースは火の球をノーベンバーの森に放った。



「みんな! 今日は、この岩場で野宿よ!」

「おお!」

オクトーバー村の人々はノーベンバー町との中間地点の岩場にやって来た。村の人々たちは、明日にはノーベンバー町に着くと思っているので明るい雰囲気で、まるで遠足でしているような雰囲気があった。

「イリーナ、大丈夫?」

俺は気負っているイリーナを気にかける。

「私は大丈夫よ。」

イリーナは疲れているのだろうが、村人を不安にさせないために気丈に振る舞っている。

「ガオー!」

その時だった。岩場で休む俺たちに狼の遠吠えが聞こえた。

「なに!?」

「狼だ!?」

驚くイリーナ。俺は狼だと直感した。村人たちに変な緊張感が走る。

「俺が見てくる! イリーナは村のみんなと待っていてくれ!」

俺はカッコつけようとしたのではないが、自然とイリーナや村の人々を守らなければいけないと自然に体が動いて、森の方へ駆けていった。

「アイン! 気をつけてね!」

イリーナはアインの背中を心配そうに見つめる。



「か、数が多過ぎる!?」

狼たちと遭遇したアインは10数匹の狼を目の前にして怖気づいていた。剣を構えていても、どこか腰が引けていた。

「ガオー!」

殺意に満ちた狼たちが一斉にアインを目掛けて飛び掛かってくる。

「絶対に俺はイリーナを守るんだ!」

足が震えて動けないアインは死を覚悟するも、イリーナを守りたいという思いだけで狼の前に立つている。

「うわあ!?」

狼たちに一気に襲われた俺は地面に押し倒されしまう。


つづく。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ