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伝説の生き物、エクスカリパー  作者: 渋谷かな
78/81

ジュライ8

 ここは魔界へ続くジュライ道。

「燃えろ! 必殺! フェニックス・ファイア!」

「固まれ! 必殺! フェンリル・アイス!」

「吹き飛べ! 必殺! フレースヴェルグ・エアー!」

「当たれ! 必殺! ペルーダ・ファイア・ボール!」

「ギャア!?」

 アインたちは魔物たちの攻撃に絶体絶命のピンチを迎えていた。

「クソッ!? どうすればいいんだ!?」

「おまえがおとりになれ、その間に私がパイアを連れて脱出しよう。」

「卑怯者!?」

「安心しろ。女の人間は守ってやる。」

「俺も助けてくれ!?」

 まったく作戦は決まらなく防戦一方のアインたち。やはり人間と魔物では立場が違うので話がまとまらなかった。

「おまえたち、まだ終わらないのか?」

「新手か!?」

「あれはヘルハウンド!? 不吉な黒妖犬だ!? あいつがこいつらのボスか!?」

 新たにヘルハウンドともう一人魔物が現れた。敵は全部で6人。アインたちは、さらにピンチに陥った。

「ウァズワース様、ここは私が毒を周囲一帯にまき散らします。その混乱に乗じて逃げましょう。」

 見かねたヒュドラが脱出の方法を提案する。

「ダメだ。ヘルハウンドと一緒に来た奴は、ヨルムンガンドだ。あいつも毒耐性があるから、おまえの毒は通じない。」

 どんどん追い詰められていく、アインたち。

「ここまでなのか? 俺の冒険は? イリーナ、俺たち結婚できてよかったね。」

「アイン、死ぬ時は一緒よ。」

「私は父親の敵を討ち、魔王になる夢は叶わないのか?」

 アインたちは窮地に死を覚悟した。

「大丈夫! 大丈夫だよ! きっと私たちは助かるよ!」

「パイア。」

 その時、声をかけたのは幼いパイアだった。

「大丈夫。きっとみんなで力を合わせれば、どんなピンチでもチャンスに変えられるよ。」

 パイアの純粋な訴えに、今まで意地を張っていたアインとウァズワースは顔を見合わせる。

「子供のパイアから見たら、俺たちってつまらない大人に見えるんだろうな。」

「そうだな。あんな小さな子供の方が、我々より勇気がある。」

「よし! やるぞ!」

 アインとウァズワースは、初めて気持ちが同じ方向を向いた。

「俺だ。俺があいつらにとどめを刺してやる。」

「何を言う!? 私が食べるんだ! 手出しはさせないぞ!」

「氷の標本にして、コレクションに加えるんだ。」

「私は興味ないから、みんなに譲るよ。」

「おまえら! どうでもいいから早く殺せよ!」

「ヘルハウンド様、こいつらダメですぜ?」

 魔物たちは仲間同士で言い争いケンカしていた。まるで、さっきまでのアインとウァズワースのようだった。

「待たせたな!」

「覚悟しろよ! おまえたち!」

「なんだ? 死にぞこない共が。おまえたち! あいつらを倒してしまえ!」

「おお!」

 アインとウァズワースと魔物たちの最終決戦が始まる。果たして凍りついたエクスカリパーで、アインは強敵の魔物たちを倒すことができるのだろうか?


つづく。

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