ジュライ8
ここは魔界へ続くジュライ道。
「燃えろ! 必殺! フェニックス・ファイア!」
「固まれ! 必殺! フェンリル・アイス!」
「吹き飛べ! 必殺! フレースヴェルグ・エアー!」
「当たれ! 必殺! ペルーダ・ファイア・ボール!」
「ギャア!?」
アインたちは魔物たちの攻撃に絶体絶命のピンチを迎えていた。
「クソッ!? どうすればいいんだ!?」
「おまえがおとりになれ、その間に私がパイアを連れて脱出しよう。」
「卑怯者!?」
「安心しろ。女の人間は守ってやる。」
「俺も助けてくれ!?」
まったく作戦は決まらなく防戦一方のアインたち。やはり人間と魔物では立場が違うので話がまとまらなかった。
「おまえたち、まだ終わらないのか?」
「新手か!?」
「あれはヘルハウンド!? 不吉な黒妖犬だ!? あいつがこいつらのボスか!?」
新たにヘルハウンドともう一人魔物が現れた。敵は全部で6人。アインたちは、さらにピンチに陥った。
「ウァズワース様、ここは私が毒を周囲一帯にまき散らします。その混乱に乗じて逃げましょう。」
見かねたヒュドラが脱出の方法を提案する。
「ダメだ。ヘルハウンドと一緒に来た奴は、ヨルムンガンドだ。あいつも毒耐性があるから、おまえの毒は通じない。」
どんどん追い詰められていく、アインたち。
「ここまでなのか? 俺の冒険は? イリーナ、俺たち結婚できてよかったね。」
「アイン、死ぬ時は一緒よ。」
「私は父親の敵を討ち、魔王になる夢は叶わないのか?」
アインたちは窮地に死を覚悟した。
「大丈夫! 大丈夫だよ! きっと私たちは助かるよ!」
「パイア。」
その時、声をかけたのは幼いパイアだった。
「大丈夫。きっとみんなで力を合わせれば、どんなピンチでもチャンスに変えられるよ。」
パイアの純粋な訴えに、今まで意地を張っていたアインとウァズワースは顔を見合わせる。
「子供のパイアから見たら、俺たちってつまらない大人に見えるんだろうな。」
「そうだな。あんな小さな子供の方が、我々より勇気がある。」
「よし! やるぞ!」
アインとウァズワースは、初めて気持ちが同じ方向を向いた。
「俺だ。俺があいつらにとどめを刺してやる。」
「何を言う!? 私が食べるんだ! 手出しはさせないぞ!」
「氷の標本にして、コレクションに加えるんだ。」
「私は興味ないから、みんなに譲るよ。」
「おまえら! どうでもいいから早く殺せよ!」
「ヘルハウンド様、こいつらダメですぜ?」
魔物たちは仲間同士で言い争いケンカしていた。まるで、さっきまでのアインとウァズワースのようだった。
「待たせたな!」
「覚悟しろよ! おまえたち!」
「なんだ? 死にぞこない共が。おまえたち! あいつらを倒してしまえ!」
「おお!」
アインとウァズワースと魔物たちの最終決戦が始まる。果たして凍りついたエクスカリパーで、アインは強敵の魔物たちを倒すことができるのだろうか?
つづく。




