ジュライ2
ここは魔界へのジュライ道。
「パイアはどうして魔物に捕まっていたの? お父さんとお母さんはどこにいるの?」
アインたちは逃げてきた女の子パイアに興味津々で質問攻めにしていた。
「私は人質で、ずっと牢屋に閉じ込められていたんです。お父さんとお母さんは私が人質に取られているから、大人しく私が大好きな林檎を育てているはずです。」
「魔物も大変なんだな。」
「はい。私、お父さんとお母さんに会いたい。」
パイアはお父さんとお母さんが恋しかった。思わず涙が込み上げて泣きそうになる。
「おまえたち、幼い女の子に質問ばかりして、気遣いという騎士道精神はないのか?」
エクスカリパーは騎士らしくパイアに優しかった。
「悪かったな。パイア。」
「ごめんね。聞いてばかりで。」
アインとイリーナ夫婦はパイアに謝る。
「いえいえ!? 私は大丈夫ですよ!? それにしてもエクスカリパーって、優しくて、カッコイイんですね。元々は英雄の騎士様だと思うんですが、どうしてしゃべる剣になったんですか?」
「英雄の騎士!? パイアはいい目をしている。分かりますか? 私の溢れる騎士道精神が。ワッハッハー!」
エクスカリパーは英雄の騎士と言われて、とても機嫌が良くなった。
「自分でも驚いたクセに。」
「そういえばエクスカリパーが、どうして剣なのに会話ができるのか、私は知らないわ。」
「物置で見つけただけだし、じいちゃんも死んだしな。謎だわ。」
パイアも謎の女の子だが、エクスカリパーも謎である。なぜ伝説の生き物と呼ばれているのだろうか。
「説明してやってもいいが、今から魔王を倒すよりも、私の話は長いぞ。「伝説の生き物、エクスカリパー2」で私の過去について、「伝説の生き物、エクスカリパー3」で私と模造品の聖剣エクスカリバーとの戦いについて教えてやろう。私がエクスカリバーを折るシーンは1番の見せ場だぞ。」
エクスカリパーはアイデアの流出などは気にしない。なぜなら正々堂々とした騎士だからだ。
「長そう。」
「結構です。」
アインとイリーナはエクスカリパーの長い自慢話を聞きたくなかった。
「聞かせて下さい! 騎士の中の騎士! エクスカリパー様!」
パイアは子供なので、純粋にエクスカリパーのお話が聞きたかった。
「仕方がない。幼気なパイアの頼みだ。フライングして私の過去の話を聞かせてやろう。」
おだてられて機嫌の良いエクスカリパーが自分の過去を話そうとする。
「ガオー!」
その時だった。獰猛な鳴き声をあげて一匹の馬らしきものが近づいてくる。
「ゲッ!? あれはユニコーン!?」
この物語では純潔を司るユニコーンは自分勝手でウザい奴だった。
つづく。




