ジュン5
ここはマンス王国の城下町ジュンの酒場の帰り道。
アインは師匠たちと別れて、一人で宿まで帰ろうとする。
「イリーナ、待っていろ! 俺が絶対に助けるからな!」
アインはイリーナを助けることを心に誓うのだった。
「そこまでだ!」
その時、アインを呼び止める汚い声が聞こえる。
「誰だ!?」
アインの前に4人の男たちが現れた。
「私の名前はスクォンク。コンドール様の命令でおまえを殺しに来た。」
「私はスコル。おまえに恨みはないが死んでもらおう。」
「ズラトロク。悪の大神官様に目を付けられるとは可哀そうに。」
「ナックラヴィー。おまえを殺せば、たんまりご褒美がもらえるぜ。ヒッヒッヒッ!」
現れたのは悪の大神官コンドールの命で、アインを殺しにきたゴロツキ共だった。
「ハッハッハッ!」
突然アインは笑い出した。
「何がおかしい!?」
「恐怖で頭がおかしくなったんじゃないか!?」
ゴロツキたちは笑い出したアインを不気味がる。
「おまえたちみたいのが俺の命を狙ってくるってことは、大司祭はコンドールってことだろ?」
「しまった!? バレた!?」
「やっぱりそうか。」
「ああ!? 鎌をかけやがったな!? おまえ、私たちを騙しやがったな!?」
「殺してしまえ!」
「おお!」
まんまとアインの知略に引っかかってしまったゴロツキたちは、四人がかりでアインに飛び掛かる。
「いくぞ! エクスカリパー!」
「おお! 多勢に無勢は騎士道精神に反する! 許せん! 卑怯者どもめ!」
アインはエクスカリパーに聖なる光を集約させる。
「くらえ! 必殺! エクスカリパー・スラッシュ!」
「ギャア!?」
アインの放つ必殺の一撃はゴロツキ共を一度に払い飛ばして倒した。
「口ほどにもない。四人がかりでこの程度とは。」
エクスカリパーは騎士道精神に反する輩には冷たかった。
「仕方がないよ。弱い者は群れなければ何もできないんだから。」
アインも昔はそうだったが、これまでの戦いで一人でも何でもできる勇気と自信を身に着けていた。
「早く宿に帰って寝よう。」
エクスカリパーは一仕事を終えて眠たかった。
「いや。大司祭がコンドールだと確信が持てたからには。イリーナを助けに行く。」
アインはジュン城に忍び込むことに決めた。
ここはマンス王国のジュン城。
イリーナは窓の見える一室に監禁されているのだった。
「アイン、早く助けに来ないかしら?」
イリーナは窓の外を眺めながらアインが助けに来てくれるのを待っている。
「アインがダメでも、エクスカリパーがいるわ! きっと天下無敵の変剣エクスカリパーなら、私を助け出せるわ!」
イリーナはアインよりもエクスカリパーに期待した。
「なんで聖剣じゃないのよ。はあ~。」
イリーナは自分が助からないと感じたのかガッカリしてため息を吐いて、ふと窓の外を見た。
「アイン!?」
窓の外には向かいの建物にいるアインの姿がイリーナには見えた。
つづく。




