エイプリル6
ここはディセンバー城。
アインの超必殺技でディセンバー城は粉々に砕け散ってしまった。
「イリーナがいない!?」
アインは確かにドラゴンキングとイリーナを誘拐しようとしたコンドールを倒したはずだった。
「どうやらドラゴンキングを盾にして、コンドールは次元魔法で空間の入り口を開けイリーナを連れて逃げたんだろう。」
エクスカリパーは悲壮感に包まれるアインに詳細を説明する。
「イリーナがいないんじゃ、お金持ちになっても仕方がない。」
アインがお金持ちになりたかったのは、イリーナと結婚するためだった。そのイリーナがいないのであれば、お金がどれだけあっても意味がない。
「俺の人生は終わった・・・。」
自分は愛する人も守れない無力な存在だと自暴自棄になり、全ての物事にやる気を無くすアイン。
「終わりではなく、始まりだ。」
エクスカリパーはアインに語り始める。
「な!?」
アインはエクスカリパーの言葉に戸惑い驚く。
「イリーナが、イリーナがいないのに、俺にどうしろというんだ!?」
俺は声を荒げてエクスカリパーに口答えする。
「奪われたなら、奪い返せばいい。それが騎士たるものだ。」
エクスカリパーは騎士道精神をアインに説く。
「そ・・・。」
アインはエクスカリパーの言葉に少しだが心に希望が生まれる。
「そうだ。イリーナを助けなければ。イリーナを助けて、今度こそ結婚するんだ。俺はイリーナを助けに行く!」
アインの心に騎士の心が戻って来た。
「それでこそ、アインだ。助けに行くなら早い方がいい。アイン、魔界に行くぞ!」
「魔界!? そこにイリーナがいるのなら、魔界でも、どこでも行ってやる!」
俺とエクスカリパーは、イリーナ救出のために魔界へ旅立つ。
ここはエイプリル花畑とメイの林檎園の間の道。
ウァズワースとクポクポはラーガルフリョゥトルムリンに言われ通り、メイの林檎園を目指して歩き出した。
「ウァズワース様。」
「なんだ?」
「もし私が水で溺れて湖の底に沈んでしまっていたら、炎で湖の水を全て蒸発させて、私を助けてくれたんですよね?」
不信感のあるクポクポは恐る恐るも、ご主人様のウァズワースに尋ねる。
「クポクポ。あいつはなんだ?」
その時、1体の竜がウァズワースたちの目の前を横切った。
「あれは通りすがり竜のリントヴルムです。」
「ちょうどいい。今日の私はストレスが溜まっている。発散させてもらおう。」
ウァズワースは手の平にいつもよりも大きい火を灯す。ラーガルフリョゥトルムリンとの会話で我慢してきたウァズワースの衝動は抑えることが出来なかった。
「くらえ! 必殺! デビル・ファイア!」
「ガオー!?」
ウァズワースのストレスの炎の一撃は、リントヴルムを一撃で黒焦げにして倒す。
「クポクポ。何か私に質問したか?」
「いいえ!? 何もしてません!? さあ! 行きましょう! 黄金の林檎園!」
クポクポは恐ろしくてウァズワースに聞き直すことはしなかった。
つづく。




