フェブラリー1
ここはディセンバー城のベランダ。ケイティ姫の小間使いになったイリーナ。今やケイティの女中頭のばあやの右腕だった。
「おいで。シーチキン。」
「キャンキャン。」
イリーナは拾った子狼を子犬と思い育てている。イリーナは愛くるしいシーチキンの頭をナデナデしてあげる。
「いいかげん、名前を変えてあげたら?」
ケイティ姫がイリーナのネーミングセンスに疑問を抱く。
「いいのよ。本人も気に入ってるんだから。ねー、シーチキン。」
「キャン。」
シーチキンも自分の名前を気に入っていた。
「サブリナ。あなたの飼い主が姫である私で良かったわね。」
「ガウ。」
ケイティ姫はペットの竜のサブリナを飼っている。
「それにしても、どうして男って戦いが好きなのかしら?」
「不思議よね。女の子と遊ぶ方が楽しいと思うんだけど。」
女のケイティとイリーナには男は謎の生物だった。
ディセンバー城の会議室。結婚して姫の婿養子になったマスオさんことザッハークと貧乏アイン、その師匠のオーガス、丁稚奉公に来ているワイバーンが会議をしていた。
「フェブラリー山にレッドドラゴン、ホワイトドラゴンが住み着いた。山の麓にあるフェブラリー村からドラゴンを退治してほしいと依頼があった。」
ザッハークが詳細を説明する。
「ドラゴン!? それは大変だ!? ドラゴンを倒して褒美をもらおう!」
俺は相変わらずお金持ちになりたかった。
「私はレッドドラゴンを引き受けよう。アインとワイバーンはホワイトドラゴンを頼む。」
師匠は戦力を的確に分担する。
「はい! がんばります!」
ワイバーンは子供らしく素直にやる気だった。
「ちょっと待って下さい!? 師匠!? ワイバーンと一緒だと俺の稼ぎが減るじゃないですか!?」
俺は財宝の山分けには反対なので必死に抵抗した。
「そう言うな。ワイバーンはまだ子供だ。おまえがサポートしてやれ。」
「そんな・・・。」
俺は師匠の言葉に意気消沈する。
「それではみんな頼んだぞ。」
最後はザッハークが話をしめて、俺たちはドラゴンがいるというフェブラリー山に向かって行った。
ここはフェブラリー村。俺と師匠、ワイバーンの他にイリーナとシーチキンもいる。
「なぜイリーナもついてきたんだ?」
俺はイリーナに尋ねる。
「あなたがワイバーンをいじめないか、見張りに来たのよ。」
イリーナはワイバーンの保護者のようなものだった。
「大丈夫! 俺は強くなって、イリーナを守るんだ!」
ワイバーンは子供なので純粋に強くなりたいと思う気持ちを持っている。
「ありがとう。ワイバーンが大きくなったら結婚してあげよう。」
イリーナもワイバーンを可愛がっている。
「やめい!?」
イリーナがワイバーンをいじって遊んでいる。
「ガウ!?」
シーチキンが師匠を見て吠えている。言葉は話して伝えることはできないが、師匠は狼たちを倒した親の敵であった。
「どうしたの? シーチキン。」
イリーナには不思議な光景だった。
「やれやれ。私は狼には好かれていないようだ。先に山に入ろう。」
師匠は一人、山の中に入っていった。
つづく。




