ディセンバー7
ここはディセンバー城の晩餐会場。城主のスイティと娘のケイティの親子喧嘩に一人の男が仲裁に割って入る。
「あなたは?」
ケイティは男に名前を尋ねる。
「ザッハークと申します。」
男はいかにも誠実な好青年という感じだった。
「彼はケイティ、おまえの結婚相手だ。」
スイティは娘の結婚相手を見つけていたのだった。
「はあ!?」
ケイティは父親の言葉に鳩が豆鉄砲を食ったよう顔になる。
「彼はマンス王国の王族なのだ。」
スイティは娘にザッハークを紹介する。
「思いっきり政略結婚じゃないの!?」
「その通り! これで私のディセンバー城の城主の地位は安泰だ!」
「絶対に嫌よ! 自分の結婚相手は自分で決めます!」
ケイティは父親の娘を自分の地位のために売り飛ばす策略に反発し激怒する。
「あ!?」
ケイティはどこかに良い男はいないかと周囲を見回して、窓の外のベランダである男を見つけた。
「お父様! 私はあの男と結婚します!」
ケイティはベランダの男を自分の結婚相手に指名するのだった。
ここはディセンバー城のベランダ。
「なあ、サブリナ。どうすれば俺はお金持ちになれる?」
俺はケイティのばあやから食べるものを頂いて、サブリナと仲良く食べていた。
「ギャオ。」
サブリナはお金のことは分からなそうだった。豊かな生活をしている竜には貧乏な人間の気持ちは理解できないだろう。
「おいしいな。竜のエサのはずなのに。」
「ギャオギャオ。」
俺は肉や野菜がたくさん入った竜のサブリナのご飯を一緒に食べていた。どうして人間の俺より竜のサブリナの方が豪華なご飯を食べているのだろう。イリーナにも食べさせてあげたいぐらいだ。
「アインー!!!」
その時、城の中から血相を変えたケイティがドレスを着ているのに俺の元に走って来た。
「た、た、食べる?」
俺は訳が分からないのでサブリナのエサをすくったスプーンをケイティに差し出した。
「いらない!」
お姫様のケイティはスプーンを吹き飛ばした。やはりペットのサブリナの竜フードは食べなかった。
「もったいない!?」
俺は米粒一つも残さずに食べるタイプだ。
「アイン! いいから私に話を合わせなさい! いい! 分かったわね!」
「は、はい。」
ケイティは俺の両肩を両手で力任せに振りまくり、力づくで俺を了承させる。
「待ちなさい! ケイティ!」
スイティやザッハークがベランダにケイティを追いかけてきた。
「お父様! 私はこの男と結婚します!」
政略結婚が嫌なケイティは断言する。
「ええー!?」
これで俺も逆たまのお金持ち!? いやいや。俺にはイリーナがいる。
「そんなことは許さんぞ! ケイティ!」
父親のスイティは俺とケイティの結婚は認めない。
「おまえはあの時の剣士!? 許さんぞ! 絶対に許さんぞ!」
ザッハークは父親のスイティよりも俺に対して怒り狂っていた。
「なに!?」
ザッハークの姿が人間から、どんどん巨大化して魔物の正体を現していく。
つづく。




