ディセンバー6
ここはディセンバー城。俺とケイティと竜のサブリナは3つ首竜から逃れ無事にディセンバー城の竜の着陸地点にたどり着いた。
「ケイティ姫様の御戻りです。」
待ち構えていた侍女がおかしなことを言う。
「姫様?」
俺は自分の耳を疑いながら竜のサブリナの背中からケイティと一緒に降りる。
「私が姫で悪いか?」
ふと振り返りケイティは俺に言い放つ。
「ええ!?」
俺は信じられなかった。
「サブリナ、ありがとう。ゆっくり休め。」
「ギャオ。」
ケイティはサブリナの顔を優しく撫でる。サブリナもケイティの優しさに喜んでいる。
「うそ!? ケイティがお姫様!?」
まだ俺は竜に乗り戦っていたのがお姫様だなんて信じられなかった。
「失礼な。おまえ、牢屋にぶち込んでやろうか?」
冷たい目で俺を見るケイティはディセンバー城の中では権力のある姫なのである。
「ええ!? なんでそうなる!? 俺たちは仲間だろう!?」
俺はケイティの脅しにビビりまくり命乞いをする。
「冗談だ。飯でも食って待っていろ。」
「ふ~う。」
安心した俺は力が抜ける。ケイティはお城の中に入って行こうとする。そこには侍女たちの先頭に、ばあやが待っていた。
「お嬢様!? 竜に乗ったり、その汚い言葉使いをおやめください。」
「ばあやが私への小言をやめたらやめよう。」
ケイティを生まれた時からお世話をしているであろう、ばあやがケイティに苦言を言うが、ケイティも黙ってやられることはなかった。
のんきで平和なディセンバー城では、いつも通りにバカ騒ぎの晩餐会が行われていた。煌びやかなシャンデリア、華やかなドレス、戦いなど無縁の笑顔が溢れていた。
「おお! 姫! 戻ったか!」
玉座に座っているのがケイティの父親のスイティ。ディセンバー城の城主である。
「お父様! 晩餐会などやめて、外の世界に目を向けて下さい! 魔王が復活して、オクトーバー村やノーベンバー町に進行しているんですよ! 今度は、このディセンバー城が狙われるかもしれないんですから!?」
ティアラにドレスを身に着け、化粧をして戦場とは別人のケイティが父親に苦言を呈する。
「何を言う? この世界は平和そのものではないか。ハッハッハッ。」
ケイティの父親のスイティは贅沢三昧のただのデブでしかなかった。
「さっきも3つ首の竜に襲われて、私は死にかけたんです!」
ケイティは父親に現実を分からせよう必死に力説する。
「そんな3つ首竜なんかおとぎ話でもなければ出てくるはずがない。」
「本当の本当にいるんです!」
ケイティとスイティのみっともない親子喧嘩が続いている。
「その3つ首の竜は、アジ・ダハーカと言います。」
その時、貴族風の紳士の男が1人、ケイティの前に現れた。
つづく。




