第八話 再会
「とりあえず拠点に戻ってアイトに謝るか。」
「アイトはほっといていいよ?昔私が付いてた勇者っていうのも嘘だし。あいつは昔の友達だよ。」
「ならいいや。」
「おい、シロハ。今から何をするんだ?」
「理想形としては俺たちの同士を集めて集団的なの作りたい。そっから全員で魔王城に攻めたいね。」
「イヅモくんももうすぐ来るよ!」
「ねぇシロハ。私、もう関わらない。」
「は?何言ってんの?今更戻ろうとしてんのか?」
「このままの生活で良いかなって。」
「…そうだな。"誰も失わない"この生活は悲しみが無くていいもんな。アイトの拠点に居といてくれ。必要な時に呼ぶ。」
「分かった。」
「…シロハ。これでよかったのか?」
「あぁ、準備は万端だ。後は人を集めるだけだ。」
「人集めは任せろ〜!何人くらい?」
「五人くらいでいい。」
「オーケー!任せて!死者転生!」
《死者を転生させています。…転生完了。今回は珍しい能力ばかりですよ。》
「えぇ!?何で生き返ってんの!?ってか白羽先輩っすか!?」
「おぉ、亜蓮か。」
なんと、俺のバイト先の後輩が転生していた。
「…誰だお前らそしてここは何処だ」
もう一人。クールな少年。
「後でまとめて説明するから待っとけ。」
「テメェらは俺より強えのか?」
反抗的な態度の少年。金髪だ。
「実戦するか?」
威圧感を視線に乗せ、怯ませる。
最近の子って喧嘩腰だな…
「あれ?確か轢かれて…え!?下山くん!?何でここに…」
「あ、ミザじゃん」
また知り合いかよ。
こいつは美咲。
適当にミザって呼んでたらこのあだ名が定着してた。
「ふ、ふん!あんたの言うことなんか聞くか!」
「チッ…雑魚だけかよ。」
中学三年生くらいの少年。
こいつの過去をを模倣し確認すると、 転生者じゃなかった。
「おいお前。実戦経験あるだろ。」
「只者じゃねーなお前。見抜けんのか。」
「まぁいい。みんなを集めたのには用があるからだ。」
とりあえず今までの出来事を話した。
そして俺たちの目的を。
「で、魔王を殴るために仲間を集めてるだけだ。」
「なるです!先輩分かりやすいっす!」
「俺たちは帰れるのか?」
「そこら辺は分からねえ。転生だから帰れる可能性は低いと思う。だがこの世界を救ってくれ。」
「面白くなってきたじゃねえか…。」
「下山くん随分雰囲気変わったね。」
そういえばかなり変わった。
絶望を自分の手の中に収めた時、覚醒を手に入れたらしい。常時発動になっているので髪の色が白色だ。直してえ。
「皆にやって欲しいことがある。それは固有能力の確認。種族もだ。とりあえず念じてればいい。」
「先輩!《無双》と《絶望の花》っていうやつでした!種族は捕食者です!」
「絶望の花はピエロの絶望が持ってたやつだ。死んだから浮いたんだろ。無双は一時間に殺した人の数に応じて強くなる。捕食者は敵の能力を回収できる種族だ。めちゃ強いぞこいつ。」
「俺は《再始動》と《魔砲》だ。種族は魔族。」
「またまた当たりだね。再始動は再実行的能力、魔砲は魔力を銃弾にして発射できる銃。武器召喚的な感じかな?魔族は魔力量が多いよ!」
「《憤怒》と《感情表現》だ。種族は鬼。」
「当たり多すぎやしねえか?憤怒はバーサークみたいな感じのやつ。感情表現は怒りに応じて攻撃力が上がったり悲しみに応じて魔力が増えたりするんだ。鬼族は鬼の姿になるとめちゃ強い。憤怒付きは鬼に金棒的な感じだ。」
「《身体能力超強化》と《神速》だったよ。下山くん。種族は暗殺者」
「当たりー!名前の通りの能力!刀を後でシロハが作るって!暗殺者は隠密に移動できるよ!」
「《一撃一死》と《瞬間移動》。種族は超人。」
「はいはい。全員当たりで言うことがないよ。全部名前の通り!」
「てなわけで、自分の能力把握したか?次は全員自己紹介よろしく。」
「えーっと…アレンっす。得意な事は計算…かな?よろしくお願いします!」
「ヨミ。得意な事はFPSゲーム…。よろしく。」
「ハル。生前は元ヤン。よろ。」
「ミザです!得意な事はちょっとだけ勉強出来ます!よろしくお願いします!」
「カイ。こっちの世界に来てからは基本人殺ししてる。よろしく。転生前もこの世界だった…!?」
カイの見る方向から二つの何かがものすごいスピードで飛んでくる。
しかも俺の方向へ。
「遅れてすまねぇシロハ!俺はイヅモ!魔王軍に潜伏してたぜ!シロハと親友だ!よろしく!」
「いつから親友になったんだよ…てなわけで、俺はシロハです。この集団のリーダーを務めます。よろしくお願いします!」
「シロハとイヅモの仲間のクリシュナだ。実力はある。腕試しして欲しけりゃこい。」
「同じくイシス。よろしくお願いします。」
「同じくマモン。よろしく頼む。」
「おお、ジー…マモンか。久しぶりだな。」
ほんとに久しぶりだ。
俺とイヅモが戦った時以来かな?
「あの時はすまなかったな。この通り、お前に力を貸そう。」
「そこまでしなくていいって!もう仲間だぜ?」
「…そうだな。とりあえず集団名を決めようぜ。」
「デストロイヤーで。」
「それいいっすね!決定!」
「勝手に決めんなって言おうと思ったけど普通にいいからオーケー!」
「皆の武器を用意するか!」
こうして、デストロイヤーとしての活動が始まった。