第六話 助けなきゃ
「ここが迷宮か…」
鍵付きドアがある。
「魔力感知的にはけっこう深いからシロハ君が先頭で戦ってね。僕とぷるるんさんはアシスト、ミユウは後ろから黒魔法で攻撃、マルスはみんながヤバくなったら真の姿を。」
アイトすげぇ頼りになる…。
真の姿は気になるけど聞かないでおこう。
「それではみんな、準備はいいかい?」
「いいぞ。」
「うん。」
「いーよー!!」
「それじゃミユウ、解放を使ってドアを開けて。」
「う、うん。…対象:迷宮のドアを解放…!」
《挑戦者を認識。迷宮「滅」の挑戦を開始します。》
古代な雰囲気を持つドアが開く。
「よし、突撃すっか。」
「りょーかい。」
「ダンジョン行くぞ!!」
「「おー!!」」
第一階層。
ぷるるんが普通に全員ワンパン。
この先も苦戦しつつも何だかんだで第五階層。
そして休憩中。
「あれ?マルス活躍してなくね?」
「みんな思ったより強かった…。特にぷるるん。」
「ぷるるんマジでどうなってんだよ!」
「毎日プロテイン。」
「ふざけてるんじゃねえ…隠れろ!!」
「あっれぇ…セト様の探してる勇者何処だァ?あっ」
謎のピエロマスク。
「みーつけた」
隠匿が付与されている結界を見破り破壊。
「ぷるるぅううん!!」
敵の速い攻撃をぷるるんは受け止める。
「ナイスぷるる…!?」
ぷるるんが止めたように見えたが、それは一瞬だけ。
スライム特有の核から花が咲く。
そしてぷるるんは固まった。
「ぷる…るん?」
ミユウが泣き崩れる。
「只のスライムに泣き崩れているんですか?生命は最後に固まるから綺麗なんだ。」
「はぁ!?ふざけ…」
「止まれ。ミユウ。」
「っ…シロハ。」
「ぷるるんは俺が取り戻す。」
「でもあの時だって…」
「うるさい。あの時のことは忘れろ。こいつは俺が殺す。」
「もう知らない!」
転移魔法を使い、ミユウは何処かへ行く。
「お前は絶対に許さねえ。」
「ほほう。勇者君は随分強気ですね!」
「マルス。敵は誰――マルス?」
マルスは怯え、隠れていた。
「アイト!誰なんだ!?」
アイトはどこかに消えていた。
「何で全員頼りにならないんだよ…。」
希望が一瞬で消え去る。
「早く戦いましょうよ。遅いから先制攻撃頂きますね?」
花が床から出てくる。
血が吹き出る。
「グァァァァ!」
普通に痛い。
「もっとぉ!もっと絶望しろよ!!」
全ての方向から花が出てくる。
抵抗することもなく、食らう。
「…」
意識が薄れる。
花が全て消え、頭を踏まれる。
「ほらぁ!もっとぉ!もっとぉ!もっとぉ!」
意識は途絶えた。
黒い世界を一人で歩く。
ここは何処?
歩き続けると、花畑がある。
真っ赤な花。
二人の人が戦っている。助けなきゃ。手が届かない。
彼は誰?もう一人は僕?
あれ、何で涙が溢れるんだろう。僕は何もしていないのに。
「痛い?」
「痛くないよ!」
「絶望した?」
「希望はあるよ!」
「助けないの?」
「助けなきゃ。」
「助けてよ。」
「助けなきゃ。」
足が動く。彼の元へ。
行かなきゃ
「俺!ふっかーつ!」
「お!目を覚ましたか!勇者君!」
「ピエロ集団か。」
《固有能力、『覚醒』を獲得。おかえりなさいませ。クリシュナ様。》
「ただいま。RPG!能力把握っと。おっ!レアだねぇ!」
「誰だ貴様?気配が変わったが?」
「僕は彼の中に棲む模倣の"元"持ち主。」
「とりあえず死ね。」
軽々と蹴り飛ばす。
「へー。世界線は繰り返されてるんだ。目的を果たすために彼には一旦死んでもらうか。創造…封印。シロハ君を封印!」
《シロハを封印。目的達成。ステータスを一時的に強化。目的が更新されました。『対象の討伐』》
「久しぶりだなー!!でもやっぱり――」
「ピエロ戦最高!」
「何者…!?」
ピエロの仲間が助けに来る。
「世界線が変わった!?」
「貴様はあの時の雑魚勇者!」
「あ!シロハ君の知り合い?いいねぇこの展開!RPG!教えて!」
《イヅモ 魔王の息子。》
「あいつに何をした!?」
「ここは引いた方がいいよ?戦っても僕が殺しちゃうよ?」
「チッ…転移!」
「ふぅ。ダンジョンに居るピエロ集団を壊滅させないと。シロハ君が目を覚ます前に早く終わらせよっと!」
「はぁ。何で怒ったんだろ私。シロハ助けに行かなきゃ。シロハに転移!」
《エラー。シロハという者は存在しません。》
?
「ダンジョンの五階まで転移!」
「っと、シロハ!助けに…シロハ?」
シロハはそこに居なかった。
「血が階段に続いてる…?」
嫌な予感が脳を過ぎる。
「急がなきゃ!」
走りながら追いかける。
話がめちゃくちゃ進んじゃった…
クリシュナって誰やねん!
知らん内に出てきてたわ!
正直、自分でもこの先どう進むかわからないんで期待しといてください!
ブクマ、評価よろしくお願いします。