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第一話 模倣勇者、誕生。

イェーーーイ!!


俺は下山(したやま)白羽(しろは)

毎日ゲームをするだけの高校生。

勉強は全国模試一位を取れるほどの成績、身体能力はヤンキーと張り合えるくらいのまさにチート。

周りからはイケメンと言われているけど自分では分からない。

ぼーっとしていると昼休みのチャイムが鳴る。

そんなことはよくあること。

「白羽!飯食おうぜ!」

「いいけど俺の飯ははあげねーぞ」

こいつの名前は天元(てんげん)出雲(いづも)

「唐揚げくらいくれてもいいじゃん…」

「ボソッと変な事言うな!仕方ねーな。一個だけやるよ!」

顔が明るくなる。

この平和な日常が続けばいいのに。そんな願いは叶わない。

「ありがとう!この恩一生忘れません白羽様ぁ!」

「話が壮大すぎだろ…」

平和な日常は終わる。

『教職員の皆様と生徒の方々に連絡です。会議室に大きな荷物が届きました。』

教室がざわつく。

「おい、白羽。これって不審者ってやつだよな?」

「そうっぽいな。俺が纏める。」

「みんな!静かに!先生が居ない代わりに僕が先導する。皆の命は僕が守ってみせる!」

俺は全員を纏めあげ、避難する。

だが、神は俺を裏切る。

「へへぇ、可愛い子みーつけた」

不審者と俺達のグループが遭遇してしまった。

「ぶち犯して俺の物にしてやるぅ!!」

面倒臭いやつだ。

「俺のグループと遭遇したことを後悔しな。出雲、殺せ。」

「ふげぇ!?」

「へっ、首締めて終わりぃ…。」

「ナイス出雲…っと、な。俺達がみんなを守ってやるよ。」

周りから歓声が聞こえる。

「おい、白羽。敵は銃を持っている可能性もあり得る。警戒しろ。」

「オーケーだ。」

「背中がガラ空きだ。死ねぇ!」

「あっぶね。」

他の仲間に背中を狙われる。

ナイフが俺の体に少し当たる。

「嬢ちゃんから殺そうか…。じゃあな!」

男はナイフを投げる。

「危ねぇ!避けろ!」

出雲が飛び出て、庇う。

「ちくしょう…殺られたぜ。こりゃ生きてらんねぇな…っ。白羽ァ、生きて幸せにな、れ、よ…」

バタン。

出雲は死ぬ。

「ッチ…出雲が死ぬか…」

「どこ見てんだマヌケ野郎!敵は俺だァ!」

男はライターを投げる。丁寧に他の仲間が油を撒いていた。

「みんな!逃げろ!こいつの相手は俺がする!!」

「私が先導するね、みんな!行こう!」

生徒会長の多夏(たなつ)美優(みゆう)が先導する。

「俺は逃げるぜ!魔王様の復活を確認した!あばよォ!」

俺の周りに油を撒きながら火の方へ走る。

「なんで燃えねぇんだよ…しかも魔王って誰だよ…俺も終わりか。はぁ…。出雲。俺もそっちへ向かうぜ。」

意識が遠のく。

「お、魔王が復活したみたいだね!勇者の素質を持つっぽいしこいつの精霊になろーっと!えーっと…転生!行ってらっしゃい!」

おい、ちょっ待てよ…


出雲と遊ぶ夢を見る。

出雲の足が黒くなる。

そして全身に広がり、塵となる。

そして復活する。これが数時間繰り返された。

俺は眺めているだけ。

「…さまー!」

ん?どこかから声が聞こえる。

「者さまー!」

声が大きくなる。

「勇者様ー!」

目を覚ますと、一人の…いや、一匹と言う方が表現的に合うかもしれない。

一匹の黒く鈍い光を放つ小さな生き物がこちらを見ている。

「お、起きたみたいだねぇ。勇者様!名前と年齢言ってみて!」

「年齢は16、名前は下山白羽。君は誰?」

「勇者専属の最強妖精!マルス!」

勇者?妖精?マルス?何処のファンタジー漫画?

「君!今日から勇者シロハね!シロハ・ゲルシュナ!」

てか身体が異様に軽い。

小さくなった気がする。

「あ、ゲルシュナって言うのは貴族の名前ね。貴方は今日から貴族の三男!一応十一歳っていう設定だからそれっぽく振舞ってね!あと世界の真実データをインプットしとく!」

んー話の内容が入ってこない。世界の真実?貴族?五歳?やめて、意味が分からない!

「魔王を殺せば病院で復活するはずだから!頑張ろうね!あとは能力の確認だね。んーと…えぇ!?」

「どした?」

「あ、あんたの能力…やばいよ…模倣だよ…世界三代能力の模倣…」

「質問させてくれ。三代能力って何だ?」

話が長かったので省略しよう。

世界三代能力とは、あまりにも強すぎて国が管理している能力。世界で一人しか発現しない。だが、持ち主が消えると資格のある者に譲渡される。

能力の種類は、

まず俺の持つ『模倣』。

()()()自分が変化(へんげ)したり、()()()他のものに変えられる。だが、人を他の物に変えることはできない。

技を真似することも出来る。

能力を一時的に創り出すことも出来、一日かけて他人に能力を固定することも出来る。

そして、もう一つが『破壊』

身体能力を上げることが出来、ダイヤモンドくらいは赤子を捻るような感じで曲げられる。

最後の一つが『欲望』

どのような能力の効果(模倣以外)であっても、殺した相手の能力、権能、権利、地位を手に入れることが出来る。欲望のまま、創造することが出来る。

「っとこんな感じかな。」

「え、じゃあ俺って世界壊すことも出来んの?」

震えながら聞く。

「出来ちゃうよ。魔力消費量がとてつもなくやばいけど。」

「魔力とかあんの?」

「あるよ」

「今から何をすれば…」

「とりあえず王様のところ行こっか。」

異世界でこそ平和に生きたかったが、そんな夢は叶わなかった。

白羽→転生し復活

出雲→不明

美優→不明

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