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告白  作者: P-d'Or
主人公と脇役
9/11

勇気

去年から、同じクラスの彼のことが好きだった。でも、私は告白する勇気がなかったの。今年になって、クラス替えがあり、彼と同じクラスじゃなくなっちゃった。


でも、3年になって隣の席に来た彼のお陰で、私は彼に告白して彼と付き合うことになった。私が、隣の席の彼に声をかけた時、彼は次の授業で使う教科書を見て予習していたみたいだったの。だから、


「何ですか?」


って、素っ気ない態度で言ってきた。真面目で、私の苦手なタイプって最初は思ったんだ。でも、シャープペンシルの芯が切れていることに、気が付いたのが授業開始直前の今だったから、彼に声を掛けたの。


「ごめん、シャーシンが切れちゃって、ちょっと貸してくれない?」


「べつに、良いよ。」


って、彼はぎこちなく笑って、替え芯を出してくれたんだけど。そういえば私のシャーペン、0.2mmだった。


「あっ、ごめん。たぶん無理だわ。私0.2mmのシャーペンだし。」


って言ったら、


「どれが良い?」


って、替え芯ケースをいくつも出してくれた。

0.5mm、0.2mm、0.3mm、0.1mmってそんなのあるんだ。私はこの光景に思わず吹き出して、しまったの。だって、4種類もサイズの違うシャーペンと芯を持ってるんだから、おどろいちゃって。

 その日から、ちょっとずつ彼と会話をするようになった。最初、彼は、真面目で少し暗いように見えたけど、話してみるとそうでもなくて、思慮深くていい人だった。それに、私がいろいろ困っているときには、それとなく手助けしてくるし、悩んでいると、何気なくアドバイスしてくれる。そうやって、2学期には普通に話が出来るようになってたの。


そして、あの日。私の好きな彼に別の女子が告白したという話を聞いて、ため息をついていたあの時に、彼は声を掛けてくれたんだ。


「なに?どうかしたの?」


「うん、別に。何でもないよ。」


「僕で良ければ相談にのるよ。」


「うん。本当は仲良くなりたいんだけど、声を掛けられない子がいるんだけど。」


「え?華山さんにもそういう人っているんだ。」


「失礼なー、いるよー。」


「ハハハ、だって僕とは違って華山さんって、あんまり考えずにクラスの皆と、仲良くなっていると思うけど。」


「なんか、私お節介で空気読めない人?みたいじゃん。」


「そうかもね。」


「ひどい。」


「でも、それが華山さんの良いところじゃない?」


「えっ?」


「華山さんって、あんまり考えずに、本音が出るから裏表ないし、だから皆華山さんと話をするんだと思うよ。華山さんの場合は、その場の勢いでいった方が良いかも。それに、仲良くなれなくても、今、仲良くないなら関係は変わらないんじゃない。」


私は、その言葉で告白を決めた。私は、金曜日の昼休みに彼に告白することにした。


「私、東山君が好きです。」


「俺も華山のことが気になってたんだ。」


って言われた。丸君が言うとおりだった。だから、映画を約束した日曜日に報告することにした。丸君に最初にお礼を言いたかった。約束した場所に着いたときには彼は、そこで待っていた。たぶん結構待っていたような雰囲気だ。


「待った。」


て、聞いたら彼は、少し間をおいて、


「僕も今来たところ。」


って、たぶん待ったんだろうけど、気を遣わないように配慮してくれつつ、待ったぞーって無言の視線で伝えるあたり、彼は面白い友人だと思う。


私達は映画の前に、カフェで少し話をした。彼は、私の変化に気が付いたみたい。

だから、


「彼氏が出来た。」


って、伝えた。


彼は、「おめでとう」って一緒に喜んでくれた。

私は、丸君のアドバイスで告白出来たことを伝えて、お礼を言ったの。彼は少し照れているように見えた。


丸君は、クラスでは大人しくて、頼りなさそうな男子だけど、本当に良い人。もしも、彼が思いを寄せる子がいたら、私は彼を全力で応援したいな。

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