幼馴染み~KARERA~
俺は、久しぶりに帰郷した相羽と酒を交わしている。とりとめのない話をしながら、俺は話の核心へと歩を進める。
「お前、ユウを振ったって本当か?」
「ああ。いや、俺があいつに振られたのかもな。」
「はあ!?そんなわけあるか。あいつ、お前が帰ってくるって、来年お前の家の近くに行きたいからって、あいつ必死にバイトで金貯めてたんだぞ」
相羽は俺が言った言葉を聞いて、心底驚いたように目を丸くしていた。
「マジか?でも、あいつ何も……それにお前らだって。」
「お前が帰ってくるまで内緒にしてくれって皆に言ってたんだよ。」
「俺、酷いことを……今からでも、謝る。」
「辞めろよ。お前が振ったんだろ。っていうか、謝ってもお前は別に付き合ってる奴がいるんだろ?」
「ああ、いやでも。あいつより、ユウの方が……」
「お前、あっち行って変わったな。最低だ。」
「俺の気持ちも知らないくせに、お前には言われたくない。」
俺は、その言葉を聞いて、頭が熱くなった。
「そうだな。お前も俺の気持ちは知らないんだろ。俺はお前が告白する以前からユウが好きだった。でも、ユウとお前は相思相愛みたいだったから、お前なら大事にすると思って、見守ってたんだ。なのに何だ。東京行って、女作って前の女にサヨナラか、都合良すぎだろう。」
「……」
「電話しても、家に行っても今のユウはお前には会わないさ。それからユウは俺が貰う。お前は、新しい彼女をユウみたいに悲しませないようにしてやれ。」
「ああ、すまない。」
俺は、親友の情けない顔を見て、なんでこんな奴にあいつを託そうと思ったのか、分からなかった。
「いいさ。お前も俺も、経験が足りなかっただけだ。そうだろ。」