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告白  作者: P-d'Or
若人の告白
1/11

若人の告白~としの青春~

「だから、俺、本当は男だから、お前と付き合うつもりはサラサラない。」


立花清子、きよは、俺の告白に少し困った顔で言った。


「それでも……、まさかお前、実は逸物があるのか?」


「はっ?イチも?」


きよは首を傾げる。


「アレだよ。ちん……」


「ちっ、ちょとまて、なっ、何言ってんだ。そ、そっ、そんなもん、あ、あるわけないだろ……。」


たどたどしく、動揺する顔がまた可愛い。

この動揺っぷりを見てどこが男なのか?世の老若男女に今のきよの姿を見せたら、100人中100人全員、初心な女子だと思うだろう。


「すまん。今のはお前が男だって言うから、本当に男子なのかなと思って、その、な、ってなに、おい泣くなよ。本当すまん俺が悪かったからな。」


*****


この高校に入学して、間もなく1年、俺はこいつのことばかり見ていた。最初は、がさつな女子に見えた。

僕っ娘、いや俺っ娘だし、スカートの裾を気にしないし、俺達男子の女子人気ランキングに勝手に入ってきて、どの子が可愛いとか、

俺のタイプはこいつとか言ってくるし、そういう方向の奴なのかなと俺も他の男子も思っていた。

だけど、男子高校生の刺激的なエロ話に割って入るこいつの顔を見たとき、無理しているのではないかと思った。

周りは気が付いていなかった。俺はあの時のあいつの目を覚えている。少し沈んだ哀しげな顔。いつしか、俺はきよのことばかり考えていた。

そして、夏休み前のこと。俺は意を決して聞いた。


「お前、誰か付き合ってる男子とかいる?」


「はあ?何言ってんのお前、そんな奴いる訳ないじゃん。そもそも、俺、本当は男だし。だから、女にしか興味ないし……」


って言うんだ。告白とか、そういう話は飛んじまった。

どうもこいつの家系は、15歳~20歳まで性別が逆転するらしい。

その間に結ばれると、その性に固定されるとか?何か嘘くさい話をされ最後に、


「まあ、冗談だけどな。」


といわれて、少し寂しそうに笑っていた。あの時の哀しげな、辛そうな顔と今の顔がダブった。


*****



「な、こっこれは違う。泣いてる訳じゃなくて、ちょっと逆まつげが……きゃっ」


やっちまった。

俺は、いつのまにかきよを胸に抱き寄せて、右手で頭を撫でていた。

やっぱ、俺お前のこと好きだわ。でも、これで完全に嫌われた。いや、逮捕か?サヨナラ俺の初恋、そして普通の高校生活。

でも、今だけは。


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