プロローグ
広がっていたのは草原。
どこまで続いているのか俺にはわからない。
何一つ遮るものもないここは、なぜか心寂しさを感じさせた。
先程から吹いてくる風は、寒暖なく、どこから吹いてきているかもわからずただ、
吹いているという事実だけしか理解できない。
ここには、俺に前にもう一人、黒いフードを羽織、背を向ける男がいた。
その背には何か物悲しさを感じさせた。
この心の寂しさとは違う何かだった。
その後ろ姿は、不意にも、俺に美しさを感じさせた。
俺が、声を掛けようとすると、異変に気付いた。
体も口も一切動かないのだ。更には、目の前のあの男も動かないのだ。
・・・どうやら、何もできないらしい。
俺とあの男は、ただ、立ち尽くしていた。
いくらか時間がたった。しかし、どれだけ経ったのかは、わからない。
ここまでの記憶がどうもわからない。ごちゃごちゃだ。
いつの間にか、風は強くなっていた。
でも、どこから吹いてきているかわからない。もしかしたら幻かもしれない。
そして、徐々に俺の意識が微睡みかけているのに、今になって気付いた。
それでも目の前の男は動かない。
”あの男はいったい何者だろうか〟
俺の意識は途絶えた・・・
あの男が俺に向いたのを最後にして・・・
俺の意識が途絶えたとき、これがいつも見る夢だと、そしていつも忘れる夢だと気づいた。
きっと今回も忘れるだろう・・・
憧れ 慢心
共感
怒り 不快
悲しみ
迷い
欲望
そして、在り方。
何も知らないから、
自分の事ですら、わからないから、
だから・・・!!!
生きることに意味がある。
―――だから俺は、俺たちは、幸せは願わず、
自分の生死すら選べる、
自由を願う。
はじめまして。吹風友泣です。
「Strange Labyrinth」読んでいただき、ありがとうございます。
初めての作品です!手繰り探り頑張っていこうと思います!どうぞこれからも、よろしくお願いします。
第一部ーDesire Prayer-
ぜひ、次話もお楽しみください。