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門の方に向かっているとハンスが近寄ってきた。
「えーすさん。これから外に出られるのですか?」
どうやら、私が明かりを持っていない様子だったので、心配して来てくれたようだ。確かに門の外みると真っ暗だ。街灯なんかもないので、月明かりのみになる。
明かりを使うメジャーなアイテムは松明またはランタンだ。ただ松明は片手が塞がるのであまりおすすめ出来ない、ランタンを腰につけるのがいいそうだ。
「ありがとうございますハンスさん。ランタンを用意してきますね」
とお礼を伝えた。ハンスから、この時間だとお店は大体閉まっているので、冒険者ギルドの売店なら二十四時間開いていると教えてもらった。
冒険者ギルド出張所の前は、夜なのに凄い賑わっている。先ほどの事を思い出すと少し気が引けるが、ランタンが手に入らないと夜の狩りが出来ないし、諦めて入ることにする。
相変わらずギルドの中は人が多い。売店の前まで行く頃には、ギルドの中がざわつき始めた。
「うおっ。有名プレイヤー発見ー。スクショスクショ」
「あんな称号つけてゲームできるなんて精神力強すぎ。マジパネェス。ある意味尊敬します」
「どMなんだろう。あるいみ嘲笑もご褒美なんじゃないの?」
「称号二個持ちなんてトッププレイヤーだよねー。下から見てだろうけど。プププ」
はぁ~そういうのは本人に聞こえないようにお願いします。パーティチャットとかそういうのがあるだろうまったく。
とりあえず売店でランタンを探す。三千マールで販売していた。
火種っぽい消耗アイテムが必要で、そちらは五個で百マール。一個で二時間ほど利用できるらしい。とりあえず五個あれば明日の朝までは持ちそうだな。
ランタンと火種を三千百マールで購入。残りは七百四十マール。これってやばいんじゃないか。
お金がなくて詰みそうだな。考えても仕方ないし、とりあえず外に狩りにいくか。
門から出るときにはハンスが居なかった。ハンスの同僚と思われる方に聞いたところ、今日の仕事は終わって帰宅したそうだ。そりゃそうだよな。二十四時間働いてたら過労死するわ。
ランタンに火種をセットして街の外にでる。あちこちでプレイヤーと思われる人が犬と戦っている。
しかしなんで犬は穴から出てこないのかな。兎は歩いていると穴から出てくるので戦闘になるんだけど。
不思議だな。犬は強そうだから湧いていても関わりたくないので近づかないようにしている。
歩いていても穴から兎が出てこない。既に湧いている敵に兎が見当たらない。視界にいるのは犬ばかりだ。夜だから遠くにいる兎が見えないのか。
兎は夜行性じゃないのかな、夜行性の動物だと思ってた。ゲームだからリアルとは違うのかもしれないしな。
ゲーム性を高めるなら、昼と夜で化物を分けるとかありそうだしな。夜ならアンデットとかスケルトンかな。
そういえば脱兎の称号にあったスキルってどんな感じなんだろう。
いきなり戦闘で使うより実際に使って理解してから戦闘に使う方がいいよな。
でもどうやって使うんだろう?とりあえずスキルを使いたい気持ちになってから、称号名を言ってみる
「脱兎」
-----はっはやい、---凄い速度で走っている。
途中犬に近づいたが、気がつかれる前にブッチ切っていた。効果が切れたので急激に遅くなり、体勢がくずれそうになる。おっとっと。
どれくらいの距離をどれくらいの速度で走ったんだろうか。暗くてよくわからないな。時間にしたら効果は数秒だな多分。距離にしたら数百mといったところか。
びっくりしたー。
仮定だけど、効果が四秒、移動距離が四百mとしたら・・・。うん計算出来ない。社会人になって時速を求める事なんてなかったし。計算するならPCの電卓使うしね。
現実逃避せずに真面目に計算しよう。確か、速さ=距離÷時間だったかな。
一秒で百mだとしたら、一分で六千m、六十分で三十六万mつまり時速三百六十kmか。
はえなー人間じゃないわ。これが一回一MPか、反則だわ。危なくなったらこれで逃げれるね。でも死に戻りするつもりだから使う機会って高レベルにならないと出てこないかも。
もう少し練習しておくかな。
「脱兎」----「脱兎」--「脱兎」----「脱兎」----「脱兎」----
ふー。効果が切れる前や切れた時に再度使っても使えるようだな。
クールタイムのようなものも無さそうだ。これ移動に飽きたら使うのもありかも。
そういえば、兎の餌の方の称号は全然発動しないな。いない動物は近づいてこないのか。
とりあえず、うさぎも居ないし目の前にある丘を登って、景色でも見てみるかな。
「脱兎」----「脱兎」----「脱兎」----
楽ちんだわー。あっという間に丘の上です。振り返るとクローネシュタットの街が見える。
大都市であることがよくわかる。ところどころに火がたかれていて幻想的な景色だ。街の外では多数の光があり、プレイヤーが多くいるのが分かる。しばらく座って景色に見とれてた。
兎もいないし街の方に戻りつつ、犬狩りでもチャレンジするかな。
どうせ死んでもデメリットないしな。ビビっていても仕方ない。
ヨッコイショと腰をあげて移動しようとしたら、目の前に穴があき、角のある兎が出てきた。
この距離なら間違いなく戦闘になるだろう。先手必勝、杖を振りかぶって叩きつけるがよけられる。
少し距離が離れたところで互いに見つめ合う。兎の角が光り始めた、何かやばい気がする。
兎の角から黄色い光線のような稲妻のようなものが飛んできて、一瞬でHPがなくなった。
「最寄りの村に戻りますか? はい いいえ ※注意:LV十までは死んでもデメリットはありません」
”はい”を選択して街にもどる。兎の癖して魔法使うとか反則だよー。私も使いたいー。




