表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/27

10

話が進まないので、ちょっと駆け足にしました

8/11 改行を増やしました

 ゲーム時間が九時だけあって人が多い。まだ約束の時間には早いが、狩りをするには少し時間が足りない。ちょっと出勤がてら街を散策しよう。


 ゲームの中にしては生活感がある。屋台で串焼きを売ってるおじさんがいて、それを食べている人がいる。店で買い物している人がいる。子供が走り回っている。


 それら皆NPCだ。無駄な作り込みが多い気がする。少し拘りを捨ててくれれば、もう少しログインとかどうにかなるんじゃないかな。


 でも屋台か、ちょっと味見してみようかな。


「おじさん。その肉は何?」

 屋台のおじさんに話かける。焼き鳥より少し大きなお肉を串焼きで焼いている。


「兎肉だよ。二本で百マールだ買うかい?まいどー」


 兎肉なんて食べたことないから分からないけど、ゲーム用にカスタマイズされた美味しさな気がする。まあ美味しければいいか。

 それに元気になった気がする。リアル追求するよりゲーム性が大事だよな。それに肉を食べても胸焼けしないのもいい。

 美食ゲームとかあったら受けるんじゃないかな。



「おはようございます。今日もよろしくお願いします」

 とフント薬局に入る。


 お昼になり今日のノルマは終わり、今日もソフィーさんの手料理をいただいた。

 断ったのだが折角作ったのでと言われてはね。兎肉が安かったそうでシチューでした。


 今日分の日当をもらった時に、分割払いの一万マールを支払い、

それと毎日決まった時間に来れない可能性がある事を伝えたら構わないとの事でした。

 逆に朝までに一万マールを稼いで来たので、無理をしたのではないかと心配され、お金は急がないから無理しないでだって。

 NPCの方が好感持てるってなんか残念だな。



 さて、まだ十四時、日本時間二十三時半だ。今日こそ狩りをしてレベルをあげたい。


 南門を向かうとプレイヤーの声が聞こえる。


「人が多すぎて全然狩りが出来ない」


「北門の方は結構すいてたよ。ゴブリンやコボルトとかいて、敵が集団だからPT組んでないと無理だね」


「西門の方も空いていたけど犬ばっかりで不味いわー。あいつ何にも出さないし。兎もいるんだけど数が少ないんだよねえ」


 確かに南門の外を見るとうんざりするくらい人が多い。行ったことはないが、空いているという西門に向かう。


 確かに犬を狩っている人が見かけるが兎を狩っている人は少ない。


 数百mでたところで穴から兎が出てきた。コツが掴めたのか、昨日よりもうまく戦えている。兎の腹をさばいていると、更に穴から兎が出てきた。

 連戦はキツかったが、兎を捌いていると更に別の兎が穴から出てくる。


「脱兎」


 とりあえず兎二体はゲット出来た。危ない危ないポシェットにしまう。

 ドカッ。背中に痛みがはしる。振り返ると兎が三体いてフルボッコされて街に戻る。


 兎結構いるんだけど。称号の効果かな?これならレベル上げが進みそうだな。犬は何も出さないというし、兎を狩るぞー。



 十六時、う~ん兎を狩れるのは良いんだけど沸きすぎだよ。今日の戦績は兎を十匹倒して、三十回倒された。一度に三匹でる事が多くなかなか勝てない。

 何故か今日は死んだら、ピンポン、ピンポンと音がする。

 そして周りのプレイヤーが残った兎を倒している。しかもお礼を言われる。


「兎おじさんありがとう(*'×'*)」


 私は兎を引き寄せるので、まずい狩場が美味しい狩場になっているようだ。


 しかし、このピンポンは仕様変更なのか?死んだらピンポンなるゲームなのだろうか。

 意地でもレベルアップしてやる。



 十七時、日本時間午前一時、流石に疲れた。未だにレベルが上がらない。今日のトータル戦績は二十匹倒して五十回倒された。心が折れそうです。

 だんだん暗くなってきたし、西門の近くにいきテントを張りそこでログアウトする。



 ゲーム時間七時、ログインして、お詫びの品を受け取る。九時まで頑張ると決めて狩りに出かける。


 薬草、毒消しそうを摘み、兎が出て、倒して、倒されて、ピンポンして、お礼を言われる。

 倒されたので終わろうと思ったら、新たな称号をもらった。


「称号:”兎のふん”を入手しました」


・・・。酷くなーいー。ドウイウコトー。


・兎から見て餌以下。周囲から評価が高い割に不遇な人のための称号


・フンだけにウン[チ]がつく。アイテム入手率UP。生産物の成功率UP。状態異常率低下。


 評価が高い?なんで評価なんて上がる要素があるんだ。馬鹿にされることはあっても。



 そろそろ勤務時間だからフント薬局に向かう。途中で兎の串焼きを食べたら、やっぱり元気がでた。不思議ー、なんだろう兎への恨みだろうか。

 

 今日分のノルマを達して、昼飯をご馳走になり、一万マールを支払う。


 まだゲーム時間で十四時だ。西門側にあるギルド出張所に入り、クエスト報告と買取をお願いする。


「兎の討伐が十匹*三回で千五百、兎の死体は三十羽で六百、合計二千百マールだね」


「二千百マールでよろしいですか? はい いいえ」


「えーー!兎は一体百マールではないのですか?」


 どうやら。兎の納品が多くて値下がりしたらしい。討伐の報告だけして兎は返してもらった。うむむ。需要と供給みたいな論理がゲーム内に持ち込まれているのか?


 ゲームで店売りなんて価格固定じゃないのかよ!ワンランク上の犬は何も出さないらしいし、コボルト、ゴブリンなどはPTじゃないと無理っぽいし、金を稼ぐ手段が無いな。


 まいったなあレベルもあがらないし、もうダメかな。


「ところで称号をもっているようだがセットするかい?」


 あー。あるね。最低な名称な称号が。でもこれをセットしたら、良い物がもらえるんじゃない?

 もしかしたら逆転の可能性があるかもしれない。セットをお願いした。


・・・


「ブハハハ。ッッッッッッッッッ、ハッハ。しんじゃうーしんじゃうー」


「T_T うさぎおじさん。負けないでー」


「すげーな。鋼メンタルだな。俺なら貰っても設定しないわ」


「伝説が始まった」


 好きなように言うがいいさ。もうヤケです。とりあえず掲示板のクエストを見る。


 隣町からのお使いクエストが多数出ている。レベルが低いプレイヤーは隣町に行けないようで多数残っている。


NPC女性に聞いたところ


・クエストの中で一番近い隣町は東門から出たブラウメーアという港町。約40km、歩くだけで八~十時間、戦闘込みだと途中で一泊は必須。街道沿いに進めばたどり着ける。


・こちらの商会で発注書を受取り、相手街商会で荷物を受取り、こちらの商会に納品する


・基本ポシェットに入るので荷車は不要


・ランクが高くなると一度に依頼する量が増えて報酬も増える。


・期日より早く納品するとボーナスが入り、期日までに持ってこれないと報酬が減額される。納品物を失うと罰金を課せられるが、よっぽどのことが無い限り、納品物を失うようなことは無い。


 脱兎で移動したら達成できるんじゃないか?四百m*百回。MPが二十だから、途中で5回くらい休憩すれば行けるはず。


 今持っているクエストは全部破棄して、ブラウメーアとのお使いクエを五個受ける。

 商会に移動して発注書をもらい東門から出る。

 目立ちたくないし、歩いている人にあたって攻撃と判定されるのも嫌なので、街道が見える範囲で草原を移動する。現在ゲーム時間で十五時。よし。


「脱兎」----「脱兎」----「脱兎」----「脱兎」----「脱兎」----・・・


 途中で休憩を入れつつ、なんか化物が見えたけど全部ぶっちぎって、ゲーム時間で十七時にブラウメーアに到着。商会で荷物を貰ったが日本時間で十三時半。

 昼飯を食べるため街の外に移動してテントを張ってログアウトする。


 ゲームを終わらせて、トイレに行き、 CONNECTを見る。孫娘の板を見ると

「昨日二十一時にゲームが始められました。まだLV三だけど(´・ω・`) なかなか面白いよー。

おじいちゃんも始めたら?(。◕‿◕。)」


 ・・・どういうことだ。ゲーム時間は私の方が多いはずだ。いくら私が下手でも、そんなに差が出るものなのか?

 これが老いというものなのかorz


「良かったね(*゜▽゜*) ところで、そのゲームは難しくないのかな?お爺ちゃんは反射神経がそんなに高くないから難しそうだな」 

 と書いて様子を伺う。


 昼飯の支度をしていると、孫娘もログアウト中だったのか直ぐに返事が来た。


「戦闘とかはAIがサポートしてくれるから、比較的簡単に出来るよ(´・ω・) 面白いからやってみてー」

 

 何AIサポートって・・・焦げた魚を昼飯にして、食べ終わったらゲームのホームページを読もう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ