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第一理論 【友達の友達の三平方の定理】

入学式が終わり、皆が探り探り友達を作ろうとしている今日この頃。

高校一年になり、新しい生活に希望を抱いてこれからをともに過ごす仲間を見つける。

それは新入生にとっては必要不可欠な行動だ。

そしてかくゆう僕 小見 心 《こみ こころ》も新入生としてこの私立羽ノ野高校に入学したわけだが......。

......僕は、はっきりいって対人関係をつくるのが苦手だ。コミュ障だ。

もう何ヵ月も同年代の人と喋った記憶がない。

コミュ障すぎて、ついこの間妹にまでキョドってしまった程だ。

今も教室で周りが仲良くなっていくのを見ながら、対人的かつ心理的にATフィールドを展開している。

まぁこのままいくと確実にぼっちルートに突入するだろう......。

しかし、僕にはたった一つとも言える取り柄がある。

それは【心理術】だ

心理学の本を読みまくり習得した読心術やコールドリーディングなどの心理術を駆使し、おおざっぱに人の心を読め

るのだ。

だから今教室で誰がどんなやつで、どんなやつと友達になって、どんな接し方をすればいいのかも分かる。

ただ、行動に移せないだけだ。

そんな僕の唯一の楽しみは、皆も一度は見たり聞いたりしたことがあるであろう光景や事例の本質を独自の理論で探

すことだ。

では例を一つ紹介しよう......。

入学してから友達を作る。そんな経験はないだろうか?(僕と同種の場合はないだろうが.........)

隣の男子三人衆。こいつらもこれから過ごす仲間を作ろうと必死だ。

では説明に入ろう。机を囲われているのは 空野 宗馬 《そらの そうま》人望厚い爽やか男子。サッカー部志望らしい。

お顔もよろしく運動神経抜群。どこのアニメ出身だと聞きたくなるほどの主人公っぷりだ。

しかも、僕の中学の時からの知り合いで、僕に話しかけてくる数少ない勇者の一人で僕が友達と言っても嫌な顔をし

ないのはこいつくらいだろう......。

あと、大変おモテになるため少々ウザい。

本人曰く「え?全然モテないよ?モテなくて困ってるんだよ」らしい。

しかもそれを本心で言っているのがまたたちが悪い。

とりあえずここで宗馬の話は置いといて、残りの話をしてしまおう。

宗馬を囲う二人のうち一人は 鳥井とりいという宗馬の中学の時からの友達だ。

鳥井は宗馬といつも一緒にいて、常に宗馬にべったりついて行く宗馬の親友(自称)だ。

まぁ実際宗馬は迷惑していることが行動から読み取れるが、突き放せないあいつの人柄で縁を切れずにいる。

もう一人は 浮雲 《うきぐも》。宗馬と同じサッカーチームだったらしい。

宗馬は浮雲の方にはあまり嫌悪感を抱いておらず、むしろ興味の色がうかがえる。

浮雲は手の動きと立ち方から心を開きにくい方と予測できる。

しかも鳥井に対して敵対心を抱いているようにうかがえる。


ーーーさあこの三人の関係を僕の理論に当てはめて行こうーーー


そう! これは【友達の友達の三平方の定理】という公式の絶好例だっ !

【友達の友達の三平方の定理】とは、友達の友達との関係を表した理論だ。

皆は三平方の定理というものを知っているだろうか?

そう、中学数学で習う直角三角形の頂点a,b,cにおいてabの二乗+acの二乗=bcの二乗ということが成り立つという高校入試

に必須の公式.........。

じつはこれは人間の対人関係の距離感を的確に表している!

というのもaを宗馬、bを鳥井、cを浮雲だとすると、宗馬と鳥井すなわちab、そして宗馬と浮雲の距離すなわちacと比べて

鳥井と浮雲の距離bcは圧倒的に遠いことになるが、実際その通りだ。

僕は友達の友達は他人とまでは言わないが、決して近い関係ではないと予想している。

【友達の友達の三平方の定理】とはつまり友達の友達との距離は自分の友達との距離よりも遥かに遠いということだ。

もちろん例外もある。友達の友達と親友になることも少なくないし、最初から仲良くなるやつらもいる。

そういうときは大概友達との完璧な信頼関係が築かれている。

bとcが互いにaのことを完全に信頼し、「こいつの友達なんだから悪いやつじゃない。」そう思えたならab,acを二乗しても

大した距離にはならない。

宗馬を独占したいと思っている鳥井や、基本的に心を開かない浮雲の距離は確実にとても長く、縮まることはないだろう。

そして、自然と公式通りに宗馬との距離も離れる......。

ただ友達のことを考えているだけでは信頼関係は築かれない、必要なのは誰にでも持てる優しさというやつだ。

そんなことを友達のいない僕に言われるのは誠に遺憾だろうが、実際僕は言っていない。

考えているだけなのだ。

この先もあの三人をただ見て僕の理論通りになるか確認する必要がある。

干渉はしない、怖いから。

全く哀れなことだ、隣で仲睦まじく話しているこいつらがいずれバラバラになるのだから......


「なあなあ心、お前このゲームしてたよな?今どれくらいのランクなの?」


「......っ!あ、あ、それは一応そ、その、してるって言うか、あの、その...ぃゃ......。」


急に宗馬が話しかけてきたことにより僕の【対人戦用言語機関銃】通称《コミュ障ガトリング》が発動してしまった。

ほらみろ、残された二人が僕を睨んでるじゃないか。

ちなみに僕は【友達の友達の三平方の定理】を経験したことはないぞ。

.........友達がいないからな!一人も!

こんな風にキョドってしまわないようにとりあえず皆は信頼できる友達を作れよな、僕みたいになってしまうぞ!

ではこれで第一理論【友達の友達の三平方の定理】の説明を終わらせてもらおう。


「いや、あの、やってるけどそ、そんなに強くないって言うか......」


「ははっ! やっぱ心の話し方っておもしれーよな」


初めまして蛙の民です!

この作品の小見くんもし共感してくれるのなら幸いです

コメントも待ってます!どしどし訂正や苦情を!(笑)

更新ペースは遅いと思いますが気長に待って下さい(^з^)-☆

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