僕の凶弾、彼女の狂刃
狂人と教団と、狂刃と凶弾と。
生と死と、生徒と使徒と。
不可解な現象と、超常的な現象に。
僕の周囲の人間と、彼らの紡ぐ物語を加え。
私立絃神学園で起きた、事件の全貌を語っていこう――。
絃神学園の生徒会長、雪村吉竹は人を信じることをしない。
それが世界中が認める事実だろうと、恋人が語る真実だろうと、他人が騙る虚実だろうと、疑ってかかるのが信条なのだ。
だから彼は信じていなかった。
《教団》も《狂人》も。《使徒》も《王冠》も。
絃神に渦巻く異常も、その目で見るまでは信じない。その耳で聞くまでは信じない。その身で体験しなければ信じない。
――ここは現実。そんな空想は存在しない。
そんな普通の、平凡な、無価値なほどの価値観が一変するのは、八月二十九日。
夏の終わりが迫る、まだ蒸し暑い夜の出来事だった――。
生と死と、生徒と使徒と。
不可解な現象と、超常的な現象に。
僕の周囲の人間と、彼らの紡ぐ物語を加え。
私立絃神学園で起きた、事件の全貌を語っていこう――。
絃神学園の生徒会長、雪村吉竹は人を信じることをしない。
それが世界中が認める事実だろうと、恋人が語る真実だろうと、他人が騙る虚実だろうと、疑ってかかるのが信条なのだ。
だから彼は信じていなかった。
《教団》も《狂人》も。《使徒》も《王冠》も。
絃神に渦巻く異常も、その目で見るまでは信じない。その耳で聞くまでは信じない。その身で体験しなければ信じない。
――ここは現実。そんな空想は存在しない。
そんな普通の、平凡な、無価値なほどの価値観が一変するのは、八月二十九日。
夏の終わりが迫る、まだ蒸し暑い夜の出来事だった――。