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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

不死身の騎士から姫への求婚。ちょっと待ったされて、暴かれる真実。

掲載日:2026/02/17

「私ミンタ・ローは、リムネ姫との結婚を望みます。姫が許してくれるなら」

私は目の前の王様にお願いする。

わたしはミンタ・ロー。この国の冒険者の一人で頑張ってSランクに上がり、この国専属になる契約を結んでいる。

金銭以外にも、王様が無理のない範囲でお願いを叶えてくれる特典付きだ。

たとえば直すのが難しい病気にかかった家族を治してあげる。好きな人とのお見合いを斡旋してあげる。好きな場所に家を建ててあげるなどだ。

そして、わたしはわたしに求婚した。

十数人いる王族の席の末席に座っていたわたしは勢いよく席を立つ。

「喜んで」

わたしは嬉しくて、立ち上がる。

この時を、転生してから十年待っていた。

なんで死んだから忘れたけど、神という上位管理者の話を盗み聞いた。刺激がないと彼らは暇で死ぬみたい。

そしてまさかの転生先は魔法がある世界。

ちゃんとしかも、人同士には魔法が発動しないセーフティがついている。

転生わーいってなったよ。

けど、見るとどこかの王族の何番目か忘れられるほどの奥さんの子供で女の子。

これ大人になったら政略結婚ルートまっしぐら。

さらに、細いお母さん実家と王宮の権力争いでお母さんは、体もメンタルも虫の息。ちゃんと教育できないわたしが生まれる。7歳にしてやばいと思ったよ。

他の子供は家庭教師いるけど自分いない。

このままじゃバカで詰む。

下手なところに嫁がされる。

だから、土をこねて分身作った。

男の子の自分が王子だったらという妄想を込めて作った人形だ。

少し大きなお兄さんの設定にして、冒険者登録した。

それがミンタ・ロー。

登録してから、最初は母さんのための薬草を拾いつつ、スライムなんかのモンスターを、倒して行った。

そして、実績とランクを上げまくった。

分身は回復薬も無しの土と魔力さえあれば、不死身だしな。

モンスターとの盾のなるタンク役もどんどん引き受けたさ。

その結果、今回スタンピード発生時。大活躍Sランク入り、国からの専属スカウトきた。

よかった。母さんが死ぬ前にここから逃げ出せる。


わたしは自分の分身の手を取ろうとした。

そしたら、いきなり高い服で包まれたゴツイ筋肉の壁に塞がれた。

「ちょっと待った」

ミンタ・ローでよく聞いた声が頭の上からする。

頭の上から見下されるプレッシャーがくる。

耐えつつ、ギギっと音が鳴りそうなくらいゆっくりと顔を見上げる。

「その求婚ちょっと待った」

低い威圧を与えるような声。

「これはこれは、流れのSランク騎士のネツケ・ロヤ様」

わたしは顔を上げて引き攣った笑みを浮かべる。

「この度のモンスター大発生のご活躍や他の活躍までたくさん聞いております」

流れで各国で有名な冒険者の一人だ。

山のようにゴツイ筋肉。

それを使ってモンスターを粉砕する。

ここ最近はうちの国か、その近隣国を回ってる。

何回か旅のパーティーに入らないかスカウトされているけど。

なに、これまさかの求婚者が増えるとかやめてよ。

ミンタ・ローで、見た目三人の実質落ち着いた母親と二人で暮らす予定なんだから。

当て馬になってもらおうかな。

「貴様は、ミンタ・ローを愛せるのか」

はい?なんて言いました?

「それはもちろん。大切な人生の半身としてこれからずっと大切にしていきたいとこの場で言えるくらい」

物理的な魔力も分けて、人生の半身だけどね。

「こいつのことを、求婚されて今知ったばかりのお姫様は、こいつの異常な体を愛せるか。こいつのことを嫌って傷つけたりしないか」

ん、なに言ってんだこいつ。

異常な体。ちゃんと人間に似せて作ったしおかしなところはないはず。

「水にはいらず、濡れたら土のように崩れる。普通の人の食事を受けつけない。痛みを感じない。怪我をしたら土のように崩れる。そんなひどい呪いを持っているなか。モンスターの戦闘で人一倍、盾になり、俺たちパーティーや他の冒険者、民間人を守ったこいつを」

呪いの設定、忘れていた。

遠隔操作だと、不安定になって緩くなりやすいのよね。

あの分身のご飯は実質、土だけでいいわけだし。

魔力さえ届けば、それすら必要ないが。

だから呪いって設定にして、飲食やら、なんやらの習慣もそれで誤魔化していた。

「それはもちろん。ミンタ様の呪いは真実の愛で解けるものと聞いています。だから真実の愛を届けてその呪いを解いてあげたいのです」

一緒に毎日住めば魔力供給し放題だし、メンテナンスもし放題。

今より頑丈になるだろう。

「真実の愛ね。よくこいつから聞いていたよ」

何かを品定めするような顔でわたしの顔を覗き込む。

「そんなに、こいつを愛してくれるのか。」

くるりと筋肉の壁が方向転換する。

「ミンタ、よかったな」

「はい、僕は彼女のことを大切にします」

大きな彼の両手がポンと分身の両肩に置かれて励まされる。

熱いブロマンスのワンシーンと思った。

視点をミンタに切り替える。

なんで、さっきまでの不機嫌な顔と違う。

まるで、獲物を追い詰めた捕食者のような顔をしている。

いきなり顔を近づけてきたかと思ったら、ミンタの唇を自分の口で塞いだ。

「ツッ」

突然胸が苦しくなり崩れ落ちる。

逆流してる普段、分身に流している方の魔力。

それが別の魔力に混ざった戻ってきてる。

まずい壊れる。

ミンタの体にヒビが入る。

「やめろ。ネツケ」

そう言っても遅く、分身は文字通り土となり、崩れ落ちた。

「土の味がする。やっと見つけました。ミンタ」

倒れた体を無理やり立ち上げられて、顎をクイッとあげて強制的に見上げさせられる。

ファーストキスは泥の味がした。

こぼれる茶色いよだれが、ドレスを汚す。

「なんで」

こんなたくさんの人が見ている前で。

「もう、逃さないから」

戦いの時頼もしいと思ったが筋肉が檻になった。

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