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底の底

作者: 尚文産商堂

誰も考えたことがあって、でも経験がないということはたくさんあると思う。

結局、本がありすぎて底が抜けるっていう話も、そんなうちの一つだろう。


何十万冊という本は、大学や院で使っている専門書だけではなく、文庫本や漫画も入っている。

鉄骨鉄筋コンクリート作りの床ではあるが、それもわずかにたわんでいるということが、昔指摘された。

戸建て住宅ということと、これからのことを考えて数十トンにも耐えれるようなとてつもなく頑丈な家としているものの、それを超えるほどの本の量があるということのようだ。


しかし、いつの日かちゃんと分散しておきたいと思っているうちに、その時はやってきた。

いつものように授業も終え、家に帰ってくると警察や消防やが、たくさん周りに集まっている。

妻と子供は家の外にいるが、何かあったことだけは間違いない。

「どうしたんだ」

「あなた、とうとう……」

家の中を見て、というので規制線のギリギリまで近づいて、窓から中を覗こうとする。

「……そうか」

一言だけで十分だ。

2階にあったはずの本の山は今や1階に見える。

床が抜けた、それだけ理解できるのに時間はかからなかった。

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