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第3話
「3人と聞いていたんだが」
「もう1人は事務総長に説明中です。我々で先に始めといてほしいと」
資料です、と称して分厚い紙の束を押し付けてくる。
30枚くらいのレターサイズの紙の束だ。
A4になじみがある自分にとっては、わずかに印象が異なり違和感を覚える大きさをしている。
それでも、国連軍の総司令部で働いているうちに薄れてはきているものの、こうして受け取るときには手の置き場所で空を切ることもあったりするぐらいの慣れだ。
「えー、では、みなさん。はじめてもよろしいでしょうか」
副総司令官に目線で、口頭で自分たちに、それぞれ合図を送ってくれる。
副総司令官がうなづいてくれるのを確認してから、科学者の一人が立ったまま、もう一人は用意された椅子の一つに腰掛けて、説明が始まった。