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第31話
部屋の輪郭は立ち上がることによって、より鮮明に、何があるかをはっきりと認識できるようになってくる。
冷蔵庫、キッチン、風呂、トイレ。
さらには小さいながらも外へ通じる窓があって、その外側にはベランダもあるようだ。
ベランダには物干しざおが1本天井から吊り下げられており、すでに下着の類が干されている。
フローリングの床に、徐々に冷たさを感じ始める体。
足元からの冷気は、思ったよりも現実感を俺へと与えてくれている。
「このあたり、しっかりと再現されているんだな」
「当然のことです。ここはあくまでも非現実領域として扱われます」
レイが俺に嬉しそうな声で答えてくれた。




