紫雲 薫という人物
「2616ってことは、F組の人?」
「う、うん。2年F組の紫雲って言います。へへ、よろしくね……」
「そっか。俺は2年A組の夜霞 翼。番号は36番。よろしくね、紫雲君」
「……あれ、も、もしかして夜霞くんってその、あ、悪魔憑き……だったりする?」
悪魔憑きって、言い方どうにかならんのかな。まぁあながち間違っちゃいないんだけどさ?でもなんか嫌だなぁ、そういわれんの。まぁいいけどさ。
「うん、まぁ契約はしたよ。君もそうなんでしょ?F組の16番ってことは、サポート系統?」
「う、うん。僕は機械系専門で、戦闘組の使う武器とかサポート用の道具を作るのがメインなんだ。例えば、翼くんの使う武器って何?」
武器……。一番最初に使ったのは魔法で作った刀だったけど、今後使うとなると槍かな。というかあの槍どっから出てきたんだっけ。
(あの槍はセラフィがお前の腹ぶっ刺した時に契約の媒体として使ったから現状はお前の専用武器だ。正直魔力消費もないし、こっちをメインとして使った方がいい)
……ほんとに驚いた。いきなり脳内にシキの声が聞こえたもんだから、本当に焦った。唐突にしゃべりだしたのかと。
(お前、こんなこともできんの?というか俺もできるじゃん)
(契約者と悪魔の間でだけな)
なるほどな。まぁそれは置いといてだ。
「武器は、この槍を使おうと思ってる。契約したときに手に入ったんだけど、思いのほか手になじんでさ」
「なるほど。この槍だったら、もう少し改造できそう。翼くんの体格を見る限り、もう少し重くても扱えそうだから先端に斧を付けてハルバードみたいにしてみたり、反対の端っこにロープか鎖とかつけてもっと飛距離を伸ばすのもいいかもね。
それにもっと改造するなら、この槍を芯にして両サイドに速度強化装置を付けるのもありかな。魔力を原動力にしたら、もっと強くできそう」
「お、おぉ……」
思ったより饒舌なんだなこの子。想像してた数倍は喋ってたな。武器の事になるとすごいんだろうか。でも、この子が相方なら色々強化できそうだな。