勇者さまと湖の魔物③
「ファイアボール!!」
リオンは魔法を唱え大きなナタを持った魔物にぶつける。
その魔法に魔物は怯んだ。
「シドロ!今のうちに剣を!」
「……あぁ!」
シドロはすぐさま立ち上がり、飛ばされた剣を拾った。
「はぁっ!!」
シドロは剣を振り翳し大きなナタを持った魔物を吹き飛ばした。リオンがシドロの元に駆け寄ってくる。
「大丈夫?間に合ってよかった。」
「何しにきた?危険だ!」
「そんなの知らない。私はただ、助けてもらった借りを返しにきただけだから!」
リオンは優しく微笑みかける。
「全く…。ともかく、助かった。」
「シドロ様、油断禁物です。」
ナタの持った魔物は立ち上がる。ダメージは受けているもののまだ動けるようだ。
「お前ら、調子に乗るなよ高々小娘一人増えたくらいで何も変わらん。」
大きなナタを持った魔物を筆頭にまだ30ほどの魔物がいた。
「でも、その小娘に吹き飛ばされたのは誰だったかな?」
「はぁ?」
「ははっ。頼もしいな。」
シドロは小さく笑った。リオンはイタズラっぽくもその眼差しには何か決意がみてとれた。
「リオン、遠距離からのサポートを頼む。」
「わかった。ここは水辺だから炎も使える!」
リオンは前にあった時は氷の魔法を使っていたが、さっきは炎の魔法を使っていた。氷よりもおそらくそちらが得意なのだろう。威力も氷よりも強かった。
「一気に決めるぞ!」
シドロが走り出す。
「なめるな!」
大きなナタを持ったの魔物を筆頭にたくさんの魔物がシドロに向かってくる。それをシドロは確実に仕留めていく。
「くらえ!」
リオンも遠くから炎の魔法で魔物を攻撃する。
「やるじゃないか!」
「あんまり、馬鹿にしないで!」
「調子に乗るな!やれ!」
その合図とともに再び矢の雨のような者が降り注ぐ。
「ちっ。」
「それくらいなら…!"ソニックウィンド"」
リオンは風の刃のようなものを飛ばし弓を弾き飛ばす。
「矢なら私も得意!」
そしてすぐさま弓を構えて魔物たちにつぎつぎと放っていく。
「らぎゃー。」
魔物たちは次々と倒れていく。
「この、こんな奴らごときに。」
「こんなやつらごときにお前は負けるんだ。」
シドロが剣に力を込める。剣はやがて光を帯び始める。
「さ、させるか!」
ナタを持った魔物がシドロに襲いかかる。
「…悪いな。今は一人じゃないんで。」
リオンが炎の魔法をぶつける。
「村のみんなを苦しめたんだから!許さない。」
「く、そ!」
魔物の歩みが止まる。
「これで終わりだ!!」
シドロは光を帯びた剣で魔物を切り付ける。
「ぎゃご」
魔物はその光に包まれて、低く高い断末魔と共に消え去っていった。




